いきなりですが、皆さんは“SAN値”というものをご存知でしょうか。これもゲーム作品で使われるシステムのひとつで、すなわちキャラクターなどの正気度を数値化したものです。しかし、現実にもSAN値が存在するのはここだけの話。お金と美少女という狂気をひとまずはゲームで体験しておきましょう。
というわけで今回は、2023年10月20日に配信されたホテル経営シムRPG『Yog-Sothoth’s Yard』の気になる内容を紹介します。
『Yog-Sothoth’s Yard』とは!?
本作は、Bone Nailが開発したストーリー主導型のホテル経営シムRPG。ひょんなことから莫大な借金と生命への脅迫を受けた主人公は、山奥の荒れ果てたホテルを再建して目的を達成しながら、異種族のヒロインたちとの交流を深めていきます。
また、本作は残念ながら現時点で日本語には対応しておらず、ストーリーやキャラクターの会話内容を正確に把握したいという方は要注意です。
本作の主要な登場人物をワンポイント解説!
◆リトルリーフ
本作の第一ヒロイン。ろくに掃除もできないダメ男ならぬダメ猫の主人公に代わり、庶務雑務を一手に引き受けているメイドの鑑です。図らずも命を懸けて助けたものの、その後は給料も払わず半ばヒモ状態の主人公に寄生されながらも、献身的に支え続ける姿には涙が止まりませんでした。
◆エヴナ
赤がよく似合うドラゴン娘。なんやかんやで第二ヒロインとしてホテルに住み着き、錬金術を駆使してレアアイテムを生み出したり、客を召喚したりといろんな意味で豪快な性能をしています。が、それとは対照的にマップ上でクリックした際、くしゃみで炎を吹き出す仕草が地味ながら一番きゅーんときたチャームポイントです。
◆星野さん
いかにも商魂たくましそうな肉球娘。開店初日から主人公のホテルに目をつけた商才は評価できますが、品揃えが悪いのでプレイによっては空気です。そして、購入画面で星野さん自体を買うというような謎の選択肢が存在し、さらには主人公が“him(彼)”と表したことから男の娘の可能性もあり、これらが何を意味するのか大変に気になります。
いろいろブラックな魔界ホテル再建記
前述の通り、本作は現時点で日本語には対応していないため、基本的には英語表記で進行します(中国語が読める方はそちら)。
しかも、本作はどちらかというとホテル経営部分は補助的な印象で、メインは様々な種族から成る女性陣との恋愛、身の上話を含むコミュニケーション。導入のオープニングだけでも30分ぐらいのボリュームがあるので、本作の魅力を余さず理解するためにも日本語対応が待ち遠しいところです。
ただ、操作パートであるホテル経営では親切なチュートリアルが合間に挟まれるので、オープニングを飛ばしても特に問題ありません。表示される画像をヒントにして英単語を断片的に解読するだけでも、ゲームシステムのおおよそが掴めると思います。
そういうわけで、本作のストーリーを意訳ながら簡単に説明すると、魔族の上流階級が集うお屋敷で開かれた謎のオークション。そこへ何らかの手違いで紛れ込んだ主人公(ネコ)がうっかり入札してしまい、謎のメイド少女を得るのと引き換えに、その支払いのためにホテル再建を強いられるという筋書きです。
この世界には明らかに異形の姿をした怖そうな人たちも多く、実際、秘密のオークションに侵入した主人公に激怒したマダムが逆に血祭りとされた劇中の経緯もあり、ゲームの端々から漂うインモラルな雰囲気も本作の大きな特徴。
登場する女性キャラクターも人形のようなメイドをはじめ、何故か眼が三つある死神娘、ベタなところではドラゴン娘やネコ耳娘など手堅い定番も存在。全身が毛むくじゃらの毛玉姿とまではいきませんが、ありふれたデザインでは満足できない紳士プレイヤーも満足できるヒロインが揃っています。
お金よりSAN値が気になるヒモ猫オーナー
本作の雰囲気やキャラクターの尖り方にばかり目がいってしまいますが、肝心のホテル経営もゲーム進行に関わる要素です。ほぼ完全な廃墟だったホテルを整備して宿泊客から有り金を巻き上げ、庭の片付けで得た素材も使って拡張を続け、経営を確立していきます。
操作パート中は行動を決定するまで時間が停止しているので、抱えているタスクを確認しながら次の一手をじっくり考え込めます。スタート時点では1しかない行動ポイントが消費されると、朝と夜が交代。そうして1日が経過して諸々の報告となり、さらに1週間、1か月と過ぎることでストーリーが進展、ホテルの格付け・査定も行われる仕組みです。
いまのところホテル関係の維持費、従業員であるヒロインたちの給料なんかを払った覚えがないので、基本的には売り上げはそっくりそのまま主人公の懐に入ってきます。また、さすがに客が泊まった後はホテルが少し汚くなるのですが、主人公がネコというのもあって自ら掃除はしません。
そこで登場するのがヒロインたちの能力。第一ヒロイン・リトルリーフの能力により行動力を消費してホテルの清潔度を上げることができ、その後も続々と集結する他のヒロインたちの個室を作ることで、錬金術などの新しい要素が使用可能になります。
他にも、ホテルを訪れる客の要求を聞き届けて報酬が得られるほか、どう見ても魔物としか思えない怪しい生命体も登場。1日に1回だけ引けるオラクルのカードを揃えていくと、客室の定員増加、お金が増えるなどの強力な効果を獲得できますが、利用する度にSAN値が下がる点に注意しましょう。
なんだか怖いので、今回はSAN値が下がらないよう細心の注意を払ってプレイしましたが、具体的にどういう事態に発展するのかは不明です。ただ、この名称が登場する他のタイトルでは、よく分からないものが見えてしまったり、キャラクターのセリフが文字化けして大変なことになってしまったりと、予想がつくからこそ恐ろしいかぎり。
次々と課せられるタスクも最初はチュートリアル代わりの内容でしたが、段階的に期限や要求が設定され、それが達成できなかったらバッドエンドなのかも分かりません。怖いもの見たさ(あるいはCG集め)にSAN値でも下げてみようという方は、いろいろと自己責任でお願いします。
スパくんのひとこと
スパも昔はプロのヒモだったから、ヒロインが汗水流して働く姿は感慨深いスパね!いっそキャラごとにSAN値を設定して、あんまり雑に扱うとキレるシステムとかにすれば盛り上がりそうスパ!
タイトル:Yog-Sothoth’s Yard
メーカー:Bone Nail
対応機種:PC
筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2023年10月20日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:1,300円