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“何でもあり”なFPS『THE FINALS』遂にリリース!先行プレイ&開発陣インタビューの模様をお届け

『THE FINALS』はカジュアル勢からガチ勢まで楽しめそうな一作でした。

連載・特集 イベントレポート
“何でもあり”なFPS『THE FINALS』遂にリリース!先行プレイ&開発陣インタビューの模様をお届け
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Embark Studioおよびネクソンが手がける新作FPS『THE FINALS』が12月8日、サービスを開始しました。『THE FINALS』は3人1組で戦いに挑むPvPシューターで、床を崩す、壁を壊すなど“何でも壊せる”戦術の自由度の高さが特徴のFPSです。

本稿ではリリース前に開催されたメディア向け先行試遊会と、Embark Studios共同設立者であり『THE FINALS』エグゼクティブ・プロデューサーでもあるRob Runesson(ロブ・ルネソン)氏、コミュニケーション・ディレクターのSven Grundberg(スヴェン・グランドバーグ)氏への合同インタビューをお届け。

「ASH WINDER Esports ARENA」高田馬場店で行われた本発表会のイベントレポを通じて、遂にリリースされた『THE FINALS』があらためてどういうゲームかというプレイレポ、そしてインタビューで伺った「Embark Studiosが本作に込めた想い」などをお伝えしていきます。


◆射撃スキルではなく“対応の速さ”が重要そう…自由度の高さが楽しい『THE FINALS』!

『THE FINALS』は“自由度の高さ”が売りのヒーロービルダーシューターです。このヒーロー「ビルダー」という点は、従来の「ヒーローを操る」タイプのものではなく、プレイヤー自らが“ヒーローを作っていく”ということを意味するそう。その名の通り本作はキャラコスチュームの数が膨大です。

パンダの仮装からバレリーナ、果ては頭にアルミホイルを被る「陰謀論者の帽子」という攻めた逸品まで、実に幅広いコスチュームによって自分の扱うキャラを彩っていき、普通にカッコいいスタイルからアクが強めなネタキャラまでビルド可能となっています。

キャラは軽、中、重の3タイプの体格がベースに。ここで選んだキャラごとにそれぞれ使える装備が分かれており、その中でもどの武器を選ぶかによって立ち回りが大きく変わります。たとえば初めに筆者が選んだのは「軽」かつメイン武器に「投げナイフ」……マッチ中、リザーブ武器との装備変更は可能ですが、初めから終わりまで「投げナイフ」あるいはリザーブ武器しか使用はできません。

投げナイフはエイム力が試される武装で、シューターの腕前がポンコツな筆者には向いていませんでした。しかし割と高いダメージを継続して与えられるので、自分の持つプレイングスキルによっては優位に立てるのではないかとも推測します。以前のベータテストでは、軽量級キャラの特殊能力であるステルスとナイフを併用しこちらを翻弄したプレイヤーもいたので、まさしく組み合わせとテクニック次第でしょう。

『THE FINALS』では爆発物による地形破壊や、アイテムによる疑似的な壁の生成などが行われます。そして勝敗は「獲得総資金」によって決められます。ゲームモードにもよりますが、資金の獲得方法は敵の撃破かボックスに金庫を入れ、「キャッシュアウト」状態を守りきることで為されます。

金庫の入ったキャッシュボックスを巡っては「ボックスからの金庫奪取」ではなく「ボックス所有権の奪い合い」が開始されます。そのため、敵がコインを大量に入れたボックスを守っている状態は、致命的な状況であると同時に逆転の好機に!

4チームでの乱戦が基本となりますので、こちらの戦術のみでなく狙うタイミング次第ではまさに漁夫の利で勝つことも可能です。 最後の最後まで気が抜けない戦いが展開されました。

本発表会では「トーナメント」モードも定期的に行われ、メディア同士のバトルが何度か繰り広げられました。そんな中、こちらのチームが編み出した戦法はまさかの「中量級で回復しつつ、重量級2人でゴリ押し」というもの。何度目かのトーナメントで本戦略が見事にハマり、重火器で敵をなぎ倒す世紀末なスタイルが完成しました!

そしてボックスを確保し、守り手としてプレイしてみるとあちらこちらの壁が大爆発、崩壊していきます……! 攻め手は壁を壊し床を壊し、こちらが立てこもったビルの一室を攻略しようと試みてきます。

あるシーンでは幸いにも「敵チームが順番に来てくれた」「2階だから背後の壁から侵攻されなかった」などの要素が重なり勝ちを拾うことができましたが、2チーム同時襲撃などのちょっとした要因や戦術で勝敗は覆っていたはずです。

たとえば火炎放射器という武装は遠距離には全く対応できませんが、部屋の中では猛威を振るいます。これを持ったプレイヤーがひとり乗り込んで来たら、全員燃えていたはず……『THE FINALS』にはピーキーな武装が多く、どんな状況でも対応できるよう練られた戦術や偶然を活かすアドリブ力が重視されそうですね。

実力の向上を目指すのであれば、マップの把握や武装の組み合わせによるシナジーを探していくガチな楽しみ方が出来そう……その一方で、ある程度気を抜けば偶然の要素がかなり強くなり、パーティ的なゲームプレイが可能と感じます。どちらが好きかは人それぞれ変わりますが、気の合う仲間とワイワイ楽しむシーンも想像できるし、ハードコアなゲーマーがマップを睨みつけながら「序盤から終盤までの立ち回り」を構築する姿まで想像できました。

本記事の公開はリリース後となりますので、すでに『THE FINALS』をプレイ可能です。興味を持った方はぜひ遊んでみてはどうでしょうか?

◆Embark Studioインタビュー!“カジュアル勢からガチ勢まで楽しめる”新しいFPSを目指した

スヴェン・グランドバーグ氏(以下、スヴェン):Embark Studiosでコミュニケーション・ディレクターを担当しています。Embark Studiosでは5年ほどロブと一緒に働いています。

ロブ・ルネソン氏(以下、ロブ):Embark Studiosの共同設立者で『THE FINALS』の全てを総括しています。ゲーム業界で26年仕事をしてきました。

――本日はよろしくお願いします。まず、『THE FINALS』はどういったコンセプトで開発されたのでしょうか?

ロブ: Embark Studiosは、FPSを長く作ってきたメンバーで構成されています。私自身、20タイトル以上作ってきました。そんな中で“FPSというジャンルの古さ”を感じていたのがきっかけですね。自分たちで全く新しいFPSを作りたくて「プレイの楽しみと競技性の両立できるもの」として、「プレイヤーたちが自分のプレイスタイルを好きな方向にカスタマイズしながら遊べる」タイトルを目指しました。

サンドボックスでのゲームプレイをプレイヤーたちに楽しんでもらいつつも、ゲーム体験そのものをプレイヤーごとに選択してもらい、決定させていくタイトルにしたかったのです。

――「プレイの楽しみと競技性の両立」について、その詳細をお伺いしたいです。

ロブ:『THE FINALS』では、競技性の強いタイトルなどにあるシステムを導入する一方で、ビルの爆発などのカジュアルに楽しめる要素も入れていきました。プレイする人たちが楽しめるのはもちろん、観戦者も見ていて楽しめるはずです。“ハードコア”かつ“カジュアル”に遊べるようにしましたので、競技性とゲームの楽しさ両方を感じられるでしょう。

スヴェン: 本作はFPSの競技シーンに見られるような対照的なマップを持つゲームではありません。かなりクレイジーな要素を含んでいて、予想外のことが起こるゲームです。射撃スキルのみが全てをいうタイプのFPSではなく、環境を利用して勝利を掴むモノと言えるでしょう。

――『THE FINALS』は「お金を奪い合い勝敗を決める」という設定ですが、そのきっかけとなるものはどこにありましたか?

ロブ:最初に世界を作るにあたって、先ほども言ったように「プレイヤーたちがゲームプレイを自らカスタマイズし、それが影響を及ぼしていくゲーム」を作りたかったんです。そうしてマップや破壊システムを作っていくうちに、ゲームに“動的かつ静的なプレイ”ができる要素を入れたいと思いはじめ『THE FINALS』に「お金を奪い合う」システムを加えました。

私たちが作りたかったのは「何でもできる世界」、そしてプレイの楽しみと競技性が共存するゲームです。それで世界設定として「お金を奪い合うバーチャルゲームショー」としましたね。

――開発にあたって影響を受けた作品などはありますか?

ロブ:私たちはインスピレーションをいろんな所から受けているのですが、日本の皆さんに特にお伝えしたいのは「私たちが伝統的なアーケードゲームのファン」ということですね! 実は『THE FINALS』が他のFPS作品に影響を受けた部分は少なくて、むしろ格闘ゲームなどから強い影響を受けました。開発途中に昔のハードを引っ張り出して格闘ゲームをして、それらがどのようなシステムで動いているのか研究していきました。

私たちにとって日本のアーケードゲームの存在は大きくて、かなりの影響を受けています。ですので日本の皆さんには強く感謝しています。もちろんゲームだけではなくTVシリーズや映画など様々なメディアからもインスピレーションを受け、製作していきましたね。

――『THE FINALS』の世界観で集めていく“コイン”には何らかの意味が込められていたりするのでしょうか?

ロブ:“コインを入れる行為”がこのゲームにとって重要な要素になっているのは最初のPVなどで「INSERT COIN」と表示されるところからもわかると思います。これは昔のアーケードゲームに対してのオマージュですね! もちろん、ゲーム中の「戦いがゲームショーである」という設定にも繋がっています。

昔、私たちはアーケードゲームをするため両親の財布からコインを盗んだり、奪い合ったりしていました。ですので“コインを獲得する”ことがゲーマーの原点であり、“コインを入れる”ことでゲームと触れられました。コインというモチーフはそういった昔の景色と繋がっているんです。

――ベータテストなどを通じてどのようなフィードバックを受けたのかお教えいただければ幸いです。

ロブ:ベータテストではたくさんのフィードバックを頂くことができました! それこそ何百万時間というデータをいただきまして、それを分析していきました。こういうフィードバックは私たちにとって非常に重要なもので、これらを基に武器のハンドリングから弾道、マップの再制作までたくさんの修正をしております。私たちはプレイヤーと一緒にゲームを作っていると実感できますね!

スヴェン:皆さま、ベータテストをプレイしていただきありがとうございました!

――『THE FINALS』のシーズン期間、内容についてお伺いできれば幸いです。

ロブ:シーズンの期間は大体3か月ほどで、1年に4つのシーズンを想定しています。『THE FINALS』の各シーズンでは世界各地の有名な場所を回りたいと思っていまして、現在計画している場所は韓国、モナコ、アメリカ……そして日本にも行きたいと思っています。登場がいつになるかは言えないのですが、プラン上に存在しています。イベント内容についてはシーズンのバトルパスから小さなイベントなどまで予定しています。

スヴェン:今とても重要に思っているのはリリース後の「ライブサービス」についてでして……サービスの長期運営はとても難しいものです。コミュニティとともにライブサービスのリズムを作りあげ、継続させることが今の課題だと考えています。

――開発側がファンコミュニティに「こうなってほしい」と思われる方向性はあるのでしょうか?

ロブ:私たちがこのゲームをテストプレイしていた時と同じ感情になってほしいですね! 皆で笑って大声を出して、時にはキーボードをクラッシュしながらプレイをしていましたので。まるでクリスマスプレゼントをもらった子供のような気持ちで……! ですので、ファンの皆さんにも同じような気持ちになってほしいです。

このゲームを愛して、出来れば十年以上プレイしてほしいし、このゲームでハッピーになってほしいですね!ちなみに、銃のチャームとして「壊れたキーボード」というアイテムを入れる予定です(笑)!

――これから初めてFPSをプレイするユーザーに対してメッセージがあればお願いします!

ロブ:グローバルマーケットで人気があるゲームを作りたいと思っていて、そのためにはハードコアゲーマーだけではなくシューターに慣れていない新しいユーザーが楽しめることも重要です。『THE FINALS』は一発の弾丸も撃たなくても、ヒールしたりビルを破壊したりしてクリエイティブに勝利に貢献できるシステムとなっています。

たとえば私の姉はゲームを遊ばなくなって久しく、彼女の娘(姪)とともに『THE FINALS』のベータテストに参加してもらった折には、娘を回復ばかりして銃を撃ちませんでした。それでもとても楽しかったと言ってくれます。

新規ユーザーに言いたいことは「このように楽しんで、想像力を活用してください」ということです! 単純に敵を排除するだけでなく、環境にある様々な要素を駆使してクリエイティブにプレイしてほしいですね。

また、フィードバックも非常に貴重です。一番小さな姪と話していた時、彼女が「つまらない」と言ったその理由を聞いてみたところ「パンダになって遊びたい!」という答えが返ってきました。ですのでパンダコスを追加したところ、結局ベータテストのキービジュアルにまでなりました(笑)。私たちにとって、競技シーンのプレイヤーから小さな子供まで、全てのプレイヤーがくれる意見が重要なのです。

世界で1番のゲームを作るために、どうか皆様のフィードバックをくだされば幸いです!

――今回はありがとうございました!


『THE FINALS』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中です。

《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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