今回はLifetap Studiosが、2024年2月29日にSteamにてWindows PC(Steam)向けにリリース予定である、海と空とお酒のオープンワールドフライトRPG『The Brew Barons』。本記事では、その体験版のプレイフィールをご紹介していきます。
『The Brew Barons』とは?
本作は、とある島々を舞台に水上飛行機で日々を生き抜いていくフライトRPGです。飛行機で冒険に出かけ、素材を集めては醸造所でお酒を作り、自らが経営するバーで振る舞う。時には海賊といった敵勢力と渡り合いながら……。
体験版ということでセーブ機能もオミットされコンパクトにまとめられていますが、本作のコアバリューである「飛行機」「素材集め」「酒造り」を十分に堪能できる的確な展開だと感じました。
なお、この体験版自体は2022年2月に配信されており、そこから遊びやすさを改良すべくアップデートを繰り返して現在に至ります。ストアの紹介を見ているだけでワクワクしてくる本作、早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
本作はキーボード&マウスおよびコントローラーに対応しています。最初に筆者はXbox Oneコントローラーを無線接続して、メニュー操作などはキーボード&マウスを使用していました。それでも十分に本作を楽しんでいたのですが、途中で試しにフライトシムで使用していたジョイスティックを接続したところ、ちゃんと飛行機を自在に操縦できました……!
何を当たり前のことを……と思われるのは承知の上ですが、正直言ってフライトスティックでプレイを始めたその瞬間、本作の魅力がさらに高まったのではないかと感じました。もしジョイスティックをお持ちであれば、積極的に使用したほうが良いでしょう。
その他設定項目については、グラフィック・カメラ周りは細かく調整可能で、サウンドは基本的な項目が調整可能です。
また言語については、残念ながら英語のみで日本語非対応(本記事執筆時点)。ただし他言語への翻訳については“間違いなく計画されている”とのことなので、製品版リリース後のアップデートに期待ですね。
本編開始
さあ始まりました『The Brew Barons』。新規ゲームを開始すると、パイロットおよび難易度選択の画面に移ります(体験版のため一部制限あり)。続いてチュートリアルをする・しないを選択できますが、初回プレイならば操作系を学ぶためにもチュートリアルを選んだほうが良いと思います。
チュートリアルでは、エンジン始動から水上移動という基礎的な訓練にはじまり、ハンガー内での機体修理およびアップグレード、実際のフライトそして装備使用による収穫など様々なことを学んでいきます。
誤解を恐れずに述べれば、始動方法とフライトの各種基本操作を最低限学んでさえいれば、他のチュートリアルを無視して本編で飛び回るだけでも十分楽しかったりします(たまに開始地点に引き戻されるので、新規ゲームをチュートリアルスキップで開始すると良いでしょう)。
本作における航空力学は、フライトシムのように精度を追求したものではなく、カジュアルよりに設定されています。しかし根っこの部分にある「飛ぶ面白さ」については、デザインとしてしっかり組み込まれているので非常に好感が持てますね。
筆者も実際の飛行機を飛ばすことがあるのですが、エンジンを回してからスロットルを開けて滑走を始める際の“独特な感覚“と似たものを本作でも感じて、ちょっと感動しました。
ゲーム内世界の1分は、現実世界の1秒のスピードで時間が進み、24時間で1日がカウントされます。お酒の納品などに期限が設けられているので、昼夜馬車馬のように働くことに……!なお、夜間飛行における視程への影響等からくる緊張感もちゃんと存在しており、またまた感動する筆者でした。
機体には様々な装備が取り付けられており、海水をタンクに取り込むことでチャージ、そこから水を噴射してブースター代わりにすることで本来よりも高い高度へ上昇したり、木や畑を狙って水を発射して作物を収穫したりすることもできます。
なんなら麦畑を低空飛行すればプロペラが麦を刈り取ってそのまま収穫だってできちゃいます。
そして、収集好きな人にとってこの収穫作業は結構な沼になるかもしれません。かつて配達依存症(違うゲーム作品で)に陥っていた筆者は、本作でも案の定、貨物室を何度もいっぱいにするまでせっせと収穫し続けました。ともあれ、いずれも飛行機を操縦することの面白さを引き立てつつ、本作ならではの楽しさもぐっと引き出してくれる素晴らしいデザインだと感じましたね!
機体には耐久値が設定されており、着水に失敗したり、木や建物に接触して墜落したりするとダメージが蓄積され、それに合わせて見た目もボロボロになっていきますが、なによりエンジンなどの機体性能に影響が出ます。
壊れる一歩手前まで耐久値が減ると、自力での離水滑走も難しくなるほどになります。
機体の修理には資金が必要で、「どの程度修理するか」については、こちらで任意に設定できます。ちょっと懐事情が厳しいときは、ぎりぎり飛べるところまで修理してやって、残りの資金を経営の方に回して小銭を稼いでから完全修理を目指す……といった感じでしょうか。
これ以外にも資金は燃料や新しい装備の購入だったり、機体カラーのペイントにも使用したりするので何かと入用です。体験版では資金が底をついても何故か購入し放題でしたが……いやもしかしたらローンが組まれてるのか……? 見なかったことにしましょう(経済的現実逃避)。
ハンガーはいわゆる自分たちの拠点であり、ここから醸造所やバーへ移動していきます。醸造所ではそのものずばり酒造りの作業が体験可能。
まずは、フライトで収穫した作物を投入し酵母を加えていきます。投入量のバランスによってできあがる酒の種類が異なってくるので、レシピの内容に従ったほうが安全ですね。最後には瓶やキャップ、そして蓋を自由に組み合わせて酒を詰めれば完成です。
ここで個人的に気に入っているのは、一連の流れにおいて、機械を動かすといった演出がアクセントとして入っていること。シミュレーションゲームでもないのに、微に入り細に入りすぎても工程が複雑になって面倒ですし、かといってテキストなどで「完成!」の文字だけがペラっと表示されても演出として味気ない……本作は、それらの間でちょうど良いバランスを保ちながら「実際に作業をしている」ような楽しさを見事にデザインしていると感じました。
そうやって作った酒は、街の住人からの依頼に対して納品したり、自分たちのバーで客に振る舞ったりします。依頼品の中にはアルコール量や品数が細かく指定されるものもあるので、醸造所での作業も「ただの作業」にならず、こだわりの一品を作るべくあれこれ試行錯誤する場面が出てくるのもグッド。
そして自分たちのバーについてですが、内装を自由に組み替えることができます。カウンターや窓の向きを変えて陽の光の入り方を考えたり、壁紙やテーブルのデザインを揃えたり、証明類もそれに合わせたり。
ちなみにバーは名前も変えられるので、試しに「Game*Spark」と入れてみるなど。ワインやウイスキー、クラフトビールなんて洒落たもんはなくカップ酒しか置いてなさそうですが。
また。バーにやってくる客と話すことで、新しいイベントが発生する模様。筆者がプレイした範囲では確認できなかったものの、バーの経営が軌道に乗って繁盛すれば、店内は客でもっと賑わうことでしょう。とはいえ当面の収入は、バーの売上よりも酒造りによる契約報酬に頼ることになりそうですが……!
贅沢な悩みですが、本作はボリュームがいっぱいであるからこそ、チュートリアルだけでも結構な分量なので、人によっては「やることがいっぱい」でちょっとくたびれてしまうかもしれません。しかしそれでも本作は複数のゲーム要素を巧みなレベルデザインでひとつにまとめ上げており、その完成度は非常に高いと個人的には感じました。
今月末には、ついに製品版がリリースされる『The Brew Barons』……行動範囲は更に広がることでしょうし、トレイラーにあるような敵との空戦などもっとがっつり遊べるはず。いやあもう今からプレイするのが楽しみで仕方ありませんね!
タイトル:『The Brew Barons』
対応機種:Windows PC(Steam)
※将来的にはコンソール版も計画しているとのこと記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売予定日:2024年2月29日
著者プレイ時間:3時間
サブスク配信有無:記事執筆時点においては、無し
価格:未定
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
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