
新作RPG『Clair Obscur: Expedition 33』が、2025年4月24日に発売されます。
本作はJRPGに色濃く影響を受けたフランスのRPGです。ペイントレスという存在に消され続けている人類が、最後の希望を持って反逆するという物語で、Sandfall Interactiveが開発、Keplar Interactiveが販売を担当しています(日本でのパッケージ版販売担当はセガ)。
本稿では、同作のデモ版をレポート。先が気になるストーリーと、コマンドRPGとリアルタイム制が上手い具合にミックスされた面白いゲーム体験でした。
これがリアクティブバトル!ターン制コマンドRPG×パリィ&回避の妙味を楽しむ
というわけで試遊スタート。3つある難易度のうち真ん中の「エクスペディショナー」を選びました。
まずはざっくりとストーリーを理解するため、カットシーンをザッピングした映像を観ることになります。

探検隊33として旅に出る前のギュスターヴが登場し、彼の目前で恋人が消えてしまいました。悲痛な音楽とともに、彼のペイントレス打倒への決意が高まっていきます。
その後、探検隊33は謎の老人と遭遇。とっくにペイントレスに消されているはずの人間が生きていることに驚くのも束の間、老人に攻撃され、遠征隊は半壊してしまいます。

命からがら牧草地に流れ着いたギュスターヴは、もう一度立ち上がり、生き残りの仲間を探すのでした。ここからプレイアブルに切り替わります。
美しい牧草地を歩いていると、早速戦闘チュートリアルがスタート。コマンドバトルRPGなので、戦闘は「攻撃」「スキル」「アイテム」「エイム」の四択からコマンドを決めていきます。

まずは攻撃。そこそこのダメージが入り、他のコマンドで使用するAPが1回復します。次にスキル。QTEが挟まり、上手く決めると効果が増大しました。このQTEに関してはオプションで切ることもできるので、苦手な方も安心です。
また、ギュスターヴはスキルによってチャージというリソースが溜まり、また別のスキルでチャージを吐いて大ダメージを与えられます。

アイテムは基本的に回復用のものが多いですが、ソウルライクに近く、キャンプで天井まで補充する形式を取っており、とにかくポーションがぶ飲みという戦法は取れないようです。古風なRPGを意識しているにしては現代的な仕様ですね。
そして気になるのはエイム。「ペルソナ」シリーズの銃撃に当たる要素ですが、TPS視点になり、自分で狙って弱点を探す必要があります。1発ごとにAPを使うので、撃ちすぎ厳禁です。

と、ここまでは自分のターンですが、本作の肝はこれから。敵のターンになると、開発の名付けたところの「リアクティブ」が求められます。
といっても、ソウルライクにインスパイアされた感じの、敵の攻撃に対してタイミングよくパリィか回避を押してダメージをゼロにする遊びがあるだけなのですが、素晴らしい点は敵の攻撃がどれほどの速度なのかがテキストによって説明される点です。

これが本当に偉い!偉すぎる!スピーディーな攻撃か、連続技か、ディレイ攻撃か、魔法なのかがなんとなくわかるだけでフェアに感じられます。
といった具合にいくつかの戦闘をこなしていると、牧草地から戦場へとロケーションが移り変わってきました。どうやら死んでいるのは遠征隊の他のメンバーのようです。

かつての仲間たちが無惨な姿になっているのを見て心折れたギュスターヴは、へなへなと座り込み、自死を考えます。
そこにやってきたのが魔術師のルネ。彼女も遠征隊のメンバーです。彼女に鼓舞されたギュスターヴは今一度立ち上がり、やってきたボスと戦います。

ルネのスキルは魔法攻撃です。魔法によって火、氷、大地、雷属性のステインが付与され、それらを消費することで次の魔法攻撃がより強力になります。場合によっては火傷などの状態異常を付与することもできるので、戦略的に使っていきたいですね。

本作は音楽についても妥協していません。通常戦闘だけでも2種類確認できたうえ、ボス戦も専用曲になっていました。奥行きのある声楽に、悲しげなピアノ曲と、バラエティも豊かです。フィールド音楽も情感たっぷりのボーカル付きで、今のところ「これがたった30人のスタジオの作品なんですか!?」とびっくりするほど作りこまれています。
試遊の最後には、ネヴロンという生き物と交流した別の探検隊の書き置きも登場しました。それはペイントレスによる死のトリックについて、謎の一端が垣間見れる内容であり、主人公たちは別の探検隊の遺したロアを読むことで少しずつ真相に近づいていけるようです。このストーリーの語り方は、エモーショナルなロアがたくさん用意できるのでとても便利ですね。

そのまま奥へと進んでいくと、ボス敵「イヴェキ」と遭遇。仲間を呼ぶ厄介者です。

この頃になるとスキルも充実してきて、ルネが大地属性の全体攻撃魔法も覚えているので、それで追い払ってやりましょう。
というわけで難なく撃破!専用の討伐演出がかかり、バシッと決まりました。

春の牧草地ステージをクリアし、一行はワールドマップへ進みます。
肩越し視点からグーッとカメラが引き、まさしくワールドマップらしい画面になりました。相変わらず遠くに33の数字とモノリスが見えており、まだまだ先が長いなというのがわかりますね。

ここで下キーを入れると、キャンプに入ることができます。初めてキャンプに入ったタイミングでカットシーンが流れました。

浜辺で老人と出会い、壊滅させられた件について話し合うギュスターヴとルネ。意見が食い違いますが、最後には和解します。まさしくJRPGらしいパーティー間のギスギスと、それを乗り越えるサブイベントだ……!
拠点では回復のほかに仲間との会話や、後に続く遠征隊のために書き置きを作っておくこともできます。これがまた次につながると信じて……。

さて、一晩経って色々寄り道したくなってきたので、アベストの洞窟というサイドダンジョンに行ってみます。
「危ない!」と赤字で書かれていますが、いやいやだって我々はイヴェキを完封したくらいだし……余裕っしょ……と鼻歌交じりに飛び込みます。

案の定、待っていたのはクロマティック・アベストという名前の強敵でした。桜のような花に覆われたモコモコした敵でしたが、信じられない火力になす術もありませんでした。

(ま、また強くなってきたら戻ってこよう……)
仮にゲームオーバーになっても、最後に戦ったモンスターの前に戻るだけなので安心です。
まだまだ冒険は続きますが、今回はここまで!ただのJRPGライクではないオリジナリティと細かな調整が光るバトルに、先が気になるストーリーが乗ったゲームでした。一刻も早く本編に触れてみたいです!
『Clair Obscur: Expedition 33』は2024年4月24日、PS5/Xbox Series X|S/PC(Windows/Steam/Epic Gamesストア)で発売予定です。