パブリッシャーParadox Arcは、カナダのゲームスタジオXperimentalZ Gamesの手がけるダンジョン探索ローグライク『Escape The Mad Empire』を、2025年4月23日よりSteam早期アクセスにて配信開始。
本作は、昔ながらのローグライクや運営・管理、そしてアクションRPGの要素がユニークに融合された作品。同一ジャンルの他のゲームに類似する部分がありながらも、強烈で奥深く、挑戦的でやりがいのある戦術的体験によってこれまでにない楽しさを実現しています。
早期アクセス版では、すでにゲームのコア部分は完成していて40時間ほどのゲームプレイを楽しめます。多彩なクラスや装備で仲間を強化しながら、多様な9つのエリアで自動生成されるワールドで、容赦ない敵の大群や恐ろしい敵ボス、手強いミニボスを相手に戦っていきます。
本稿では、7年の開発を経てついに早期アクセスが始まる『Escape The Mad Empire』の魅力を紹介していきます！
狂気の地下帝国から生き延びろ
本作の物語は、恐るべき力を秘めた古代遺産「クリスタル」を掘り当てたことで、勢力拡大し続けた帝国が舞台。力を求め続けて地下を掘り進め、やがて地下帝国まで発展したこの国は、邪悪な実験で生まれた存在によって崩壊を迎えてしまい、多くの人々がセキュリティゲートに閉じ込められてしまいます。
ゲームはキャラクタークラスのひとつである「ガーディアン」が、攻撃を受けた帝国内で制御室を目指すシーンから始まります。最初はチュートリアルとして、基本的な移動や攻撃、マップやアイテムの使い方、ダンジョン探索の方法などをクエスト形式でクリアしながらステージを進めていきます。
『Escape The Mad Empire』では、ダンジョンを探索しながら装備やアイテムを稼ぎ、ゴール地点である「ゲート」までたどり着くのが大きな目的です。ゲーム内では敵味方ともにリアルタイム行動で、戦闘時などは多数の敵が同時に襲いかかってくることもあるので注意が必要です。
本作の大きな特徴のひとつに、プレイヤーが任意で時間を止める「タクティカルポーズ」があります。ポーズ中はこちらが一方的に行動可能で、弓や魔法で攻撃したり、距離を取ることも可能です。スキル使用にはクールダウンもあり、いかにしてこの“有利な時間”を活かせるかで、戦闘は大きく変化していきます。
最初のダンジョンでは、終盤に多数のモンスターが待ち受けています。まともにやり合えば勝ち目はない状況ですが、周りをよく観察すると足元に油が撒かれ、近くには爆発する樽や火矢も落ちています。敵陣へ近づき「タクティカルポーズ」で足元を燃やして、一気に敵を殲滅してしまいましょう！
なんとか最初の試練を乗り越えて無事に制御室へ到着しましたが、そこはもぬけの殻。こうして、狂気と危険に満ちた冒険の幕が開けていきます。
施設を復興しダンジョンを突き進め
ゲーム内では、制御室に残されていた“サポート魔法知能”のA.M.Iのアドバイスのもと、窮地に陥っている将校の救出が最初の目的として提示されます。しかし、生き残った1人の戦士では到底太刀打ちできるはずもなく、まずは制御室のシステムを復旧させていく必要があります。
最初に作る施設「ソウルエクストラクター」では、新しいヒーローを雇ってパーティーを組めるようになります。初期は攻撃魔法が得意なソーサラー、近接攻撃と回復に優れるバトルプリーストなどの仲間がいるほか、ゲーム内で獲得できるリソースでアンロックできる追加クラスも用意されています。
ダンジョン内では各仲間も指定して行動する必要があります。リアルタイムでの戦闘は死角からの襲撃を受ける可能性もありますが、一方で「タクティカルポーズ」で発動できるスキルも多くなるため、パーティーの数が増えるのは純粋に有利になります。
ただし、ダンジョンに参加したキャラクターは「不安定度」が上がり、あまり高すぎるとキャラロストの可能性も出てきます。解消用の施設を作れば回復しますが、同じキャラクターを続けて出すことは難しくなるので、しっかりと他のキャラクターも育てていく必要があるのです。
ゲームが進めばショップや鍛冶屋、鑑定、仲間の強化、ダンジョンの難易度変更&報酬アップといった多くの施設が解放されていきます。また、各施設のアップグレードも可能で、遊べば遊ぶほどやれることはどんどん増えていくのです。
バラエティ豊かなダンジョンを攻略せよ
本作の冒険の舞台となるダンジョンは、ボスに至るまでの枝分かれしたルートを出撃時に選択する方式。そのステージごとに村があったり、貴重な素材が入手しやすかったりなどの特徴があるので、パーティーの状況に合わせた最適なルート選びが大切です。
冒険中は敵や罠への対処だけではなく、各キャラクターごとの「飢え」「渇き」の管理も必要です。どちらも0になるとHPが減っていくので、パンやチーズを食べたり、水やワインを飲んだりする必要があります。限られたインベントリの中で、食料品をどれだけ用意するのかも重要な管理項目です。
もし水がなくてどうしようもない時は、ポーションを飲んでも構いません。また、リスクはありますが、空き瓶で地面から汲んだ汚水や油を飲むこともできます。ワインや焼き肉などは貴重な全体回復アイテムなので、緊急時のためにもひとつはインベントリに入れておきたいものです。
食料に余裕があれば、ダンジョン内の焚き火で寝ることもできます。大幅に満腹度が減るものの、HP回復と“スキル使用数の回復”という、とてつもなく大きな効果を持っています。強敵が待ち受けているダンジョンに挑戦するときには、しっかりと備えて決戦に挑める準備をしておきましょう。
なお、敵が強すぎると思ったら、いつでも撤退できます。撤退した場合は新しいダンジョンマップを1から攻略することになりますが、キャラロストの危機を回避することも重要です。手に入れたリソースがなくなるわけではないので、何度も挑み、少しずつ強くなっていきましょう。
最高の装備で強敵を討ち倒せ！
ダンジョンクロウル&ローグライクというジャンルの本作は、やはり装備集めが最高に楽しい部分。ダンジョン内には宝箱や強敵との戦いなどで、さまざまな装備や便利なアイテムが入手できます。
『Escape The Mad Empire』で特徴的なのは、一定レア以上の装備品が装備するキャラクターに「同調」するという部分。同調された装備は、そのキャラクターへの補正が影響するようになり、他のメンバーが装備しても本領を発揮できません。本拠地で「同調」は外すことができますが、貴重なリソースを使用します。
貴重な装備はスキルが使えたり、セット効果があったりと高い能力を有しています。「同調」システムによって片っ端から良い装備を使っていくだけでなく、ある程度余裕を持って保管する、という選択肢も加わっていきます。また、強力な一方でデメリットがある呪われた装備もあるので、選択は重要です。
当然ダンジョンが進めば強力なミニボスも登場し、油断すれば一瞬でヒーローが倒されてしまうことも起こり得ます。レベルアップ時のスキル選択、装備の取捨選択、本拠地での強化プランなど、同じクラスでもまったく異なるビルドをつくることも可能。シナジーを生み出せば、多数の強敵であっても倒せる爽快感もありますよ。
どこか親しみのあるレトロ感のあるビジュアルが特徴の『Escape The Mad Empire』は、プレイで広がっていく奥深いビルド、やりごたえのある難易度、そしてピンチを覆す可能性も生まれる「タクティカルポーズ」の面白さなど、さまざまな要素が融合しています。
もちろん日本語化されているので、装備の詳細やストーリー、世界観の説明などもしっかりと楽しめます。操作やUIも設定できるので、自分なりのプレイスタイルでゆっくりとプレイしながら、少しずつ強くなっていき、また、ちょっとの油断で失ってしまう、ローグライクの面白さもたっぷり堪能できます。
『Escape The Mad Empire』は、2025年4月23日にSteam早期アクセスで配信開始。価格は2,000円です。
