SNSで話題沸騰の『ケツバトラー』IPはどう産まれたかをシリたくない?コロコロ×面白法人カヤックが生み出すシナジーや「スイッチ2」でケツ実しそうなアイディアを聞いた【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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SNSで話題沸騰の『ケツバトラー』IPはどう産まれたかをシリたくない?コロコロ×面白法人カヤックが生み出すシナジーや「スイッチ2」でケツ実しそうなアイディアを聞いた【インタビュー】

シリアスに尻と向き合う、その姿勢――。

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SNSで話題沸騰の『ケツバトラー』IPはどう産まれたかをシリたくない?コロコロ×面白法人カヤックが生み出すシナジーや「スイッチ2」でケツ実しそうなアイディアを聞いた【インタビュー】
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コロコロコミックと面白法人カヤックがタッグを組んで手がけたニンテンドースイッチ向け対戦ACT『ケツバトラー』。高出なおたか先生が描く漫画版「ケツバトラー」もSNSを中心に話題を呼び、本日24日から第2章が開幕しました。

単行本第1巻の発売が4月28日と迫る中、『ケツバトラー』を開発したカヤックのトモぞヴPさん、漫画「ケツバトラー」作者の高出なおたか先生、そしてコロコロコミック編集部のコロコロカーくんにインタビューを実施しました。

「コロゲープロジェクト」第2回を受賞し、華々しい登場を見せた『ケツバトラー』誕生秘話から、“センシティブなケツという要素”への向き合い方に、尻にまつわる文章の書き方、そして「ニンテンドースイッチ2」で広がる新たなケツバトルの世界まで――。出版社とゲームクリエイターのシナジーを存分に活かした盛り上がりを見せる本作のキーパーソンに、その舞台裏をシリたいと様々な質問を投げかけました。

すでにケツバトラーであるという方も、いまだケツバトラーになっていないという方も……ゲーマーのみならずゲーム開発と漫画制作においても役立つかもしれない、シリアスなインタビューとなったので、ご一読ください。


『ケツバトラー』誕生に秘められた、覚悟とケツ意

――まずは『ケツバトラー』および漫画版「ケツバトラー」の紹介をお願いします。

トモぞヴPさん(以下、トモぞヴP):『ケツバトラー』はニンテンドースイッチで発売している、“実際にJoy-Conをケツに挟んで戦う”という普通ではありえないゲームですね。2024年12月12日にリリースしてから、ちょうど4ヶ月ぐらい経ちました。この間も様々なイベントで取り上げていただき、ありがたい限りです。


コロコロカーくん:漫画版「ケツバトラー」は、刀をケツに挟んで戦うケツバトラーたちの“真剣(シリアス)”バトル漫画です。真剣と書いて、シリアスと呼びます。単行本第1巻が4月28日に発売されます。

――『ケツバトラー』というアイディアを思いつかれた経緯をお教えいただけますか?

トモぞヴP:ちょうど1年前、この会議室に『ケツバトラー』のデモを持ち込んだんですけど、『ケツバトラー』の大元になった作品は2、3年ぐらい前に行われた「unity1week」で作ったゲームですね。「unity1week」は1週間でゲームを作って公開するというイベントです。
※Unity1Weekとは、WebGLのゲーム投稿サイト「unityroom」が運営するゲームジャム。その名通りUnityを使って1週間でゲームを開発して公開するというもので、正式名称は「Unity 1週間ゲームジャム」。

そこで決める刀って書いて『決刀』というゲームを作りました。その時から「命がけで尻に剣を挟んで戦う」みたいなゲームの軸はできてて、その後にコロコロさんのコロゲープロジェクト」第2回が開催されてたので、「これはちょっと味付けを変えればコロコロのゲームみたいになるんじゃないか」と応募したのが『ケツバトラー』誕生のきっかけですね。

――Joy-Conを見て「挟もう」と思われたきっかけはなんだったのでしょう。

トモぞヴP:元々の「Unity1Week」が「ワンボタンでプレイできるゲームを作れ」というお題で、ワンボタンでその剣の方向に剣を繰り出していくシステムを作ったのですが……なんなんでしょう。ふと急に「これ、ジョイコンをお尻に挟んで動きに同期させたら面白いんじゃないか?」と思いついたのです。

それが明確なコンセプトの転換になりました。正直、実際に作れるかどうかは半分ぐらいわかっていなかったのですが。

コロコロカーくん:これが「コロゲープロジェクト」第2回の時に出してくれたトモぞヴさんの企画書です。

――企画書が通った経緯や持ち込まれる際の心境などをお聞きしたいです。

トモぞヴP:僕は「コロゲープロジェクト」第1回にも応募したのですが、まだゲームの作り方や企画書の書き方がよくわかっていませんでした。その時は「でんぢゃらすじーさん」のランゲームみたいなゲームを作ったんですけど、ちょっとクオリティが足りずに落ちてしまって、悔しい思いをしていました。

その後に『スゴイツヨイトウフ』というゲームを作って、その経験で企画書の書き方や、こういうプレゼンを通すコツを掴み、改めてリベンジするんだと意気込んで持ち込みました。

――実際に持ち込まれた企画を見た際の心境はどんなものだったのでしょうか。

コロコロカーくん:ファイルを開いて、バッとこれがデスクトップに出てきた瞬間は「おぉ」となりましたね(笑)。「なんか凄いのが来た」と。

トモぞヴP:正直、『ケツバトラー』というタイトルを書いた時点で、もうこれだけでなんかいけるなっていう感じがしていた(笑)。

コロコロカーくん:あらためて、「コロゲープロジェクト」というのはコロコロコミックが子ども向けのゲームを、「コロコロコミック自身で作っていくぞ」というプロジェクトです。その第2回目で『ケツバトラー』が受賞したわけですが、初回の時点で「なんかいろいろなゲームを作りつつ頑張ってくれている方がいる」と噂になっていたんですよ。

そこで、「第2回目はなにを応募してくれるかな」と期待していたら、送られてきたのが『ケツバトラー』でした。キャラクターがお尻に刀を挟んで戦うっていう、もうそれだけで、中身は度外視で「通そう」と思っちゃいました。

でも、さらにすごかったのが「お尻にジョイコンを挟んで刀を動かす」というシステムです。正直すごいなと思いました。「実現できるなら行くしかない」というのが、受け取った時の感想ですね。

さらにはもうある程度できていますと『決刀』を見せてくれたんですよ。じゃあもうあとは進行するだけだよねという感じで、審査もほぼ即ケツで受賞が決まりました。

――実に“コロコロコミックっぽい判断”だなと感じます!

トモぞヴP:それで思い出したのですが、ここに持ち込んだ企画書は僕の個人名義で書いていて、面白法人カヤックで行うと決めていなかったのです。

ちょうどその頃は『スゴイツヨイトウフ』をゾウノアシゲームズ(トモぞヴP個人のゲームスタジオ)として作っているタイミングで、会社の業務とトウフに加えてケツを同時進行したら死んじゃうかもと生命の危機を察知しました。そこで、カヤックのゲーム事業部長に、「『ケツバトラー』を会社で作っていいですか?」と聞いたらオッケーをもらえたので、めでたく会社の業務として取り組めることになったという……。

――なるほど。当初はあくまで個人クリエイターとしての受賞だったわけですね!

コロコロカーくん:そうですね。その後、話し合いの中でカヤックさんがゲームを出して、コロコロコミックで漫画を作るという役割分担が決まりました。

――続いてはマンガ版「ケツバトラー」についてお聞かせください。まずは第1章の完結、おめでとうございます。4月24日から第2章の開幕が控えていますが、今現在の心境をお聞かせ願えれば幸いです。

高出なおたか:今の心境としては、正直な話「原稿、間に合うかな?」と思っています。あと、執筆中は家でずっと座りっぱなしなので痔が再発しないかが怖いです(笑)。
※取材は4月上旬に実施。

第1章から3か月の期間空いているので、読んでくれている人が覚えてるかなというのはやっぱり心配です。とにかくみなさんに「ケツバトラーを思い出してくれ!」という気持ちで書いています!

――漫画版「ケツバトラー」はSNSを中心に凄く反響がありましたが、その時に皆さまが感じられたことを伺いたいです。

コロコロカーくん:正直そこまでバズると思ってなくて!多少の反応はあるだろうなと考えてはいたのですけど、それを超えた反応が来たのでびっくりしました。

高出なおたか:困惑しましたよね(笑)。

トモぞヴP:僕は逆に、1話のネームが来た時点で「これは伸びるな」と思っていました(笑)。

コロコロカーくん:僕たちは普段、コロコロコミックを作るときに、子どもたちが喜んでくれるポイントを考えてやっています。だけどSNSは基本的に大人の世界じゃないですか?だから、大人もまだコロコロコミックの心を持ってくれているとわかって嬉しかったですね。

――コミカライズはどういう経緯で方向性が決まったのでしょうか。

コロコロカーくん:僕の方で、どんな漫画をやるかということを考えた時、コロコロコミックのギャグ漫画っぽくしすぎない方が良いだろうという直感がありました。人気少年漫画に出てきそうなカッコいいキャラたちが、刀をケツに挟んで本気でバトルしていたら面白いんじゃないかと。とにかくゲームのコンセプトをカッコよく魅せられるマンガにしたかったです。

でも、ちょっとここで問題が発生しました。漫画家の先生に、「お尻で刀を挟んでいるけどカッコいい漫画を描いてください」って、どうしても恥ずかしくて打診できず、ウダウダと3か月ぐらい寝かせてたんです。トモぞヴPさんには、ゲームの開発は進んでるのに漫画の進捗があまりなくて心配させてしまった気もするのですが……。

「いい加減進めなきゃな」と思った時、正直に言える漫画家さんは高出なおたか先生だけでした。でもいざお願いする時にも恥ずかしさがあって、先に別の仕事の話をしつつ、別件として「こういうのもあるんですけど、どうですかね?」みたいな感じで話しましたね。

もちろん、高出先生には話せるから描いてもらったというだけではなくて、以前「脱獄ごっこ」という作品を一緒に作っている中で、とにかく高出先生はカッコイイ絵が描けて、カッコイイ演出ができるというのが分かっていたからです。コロコロ的な漫画だけではなく、「ケツバトラー」で目指すカッコいい漫画にも造詣が深いので、高出先生以外には頼めないだろうと思っていました。

……で、打診したら高出先生がすぐ描いてくれて!

高出なおたか:いや、その時は結構渋って描きましたよ?

――(笑)。

コロコロカーくん:すみません、そうですね(笑)。

それで、上がってきたのがこちらです!

これを見た時に、「ケツに刀を挟んでるのにめちゃカッコ良いじゃん!」と、ちゃんとお尻に刀を挟んで本気で戦う漫画ができるなって感じました。

――この絵を見るといつも「あれ、刀をちゃんと持ってない!?」という錯視的な何かを感じてしまいます。

高出なおたか:ちょっと手を添えてる感じにするといいかなとか思って、だまし絵的な効果を狙いましたね。「パッと見た印象でカッコイイ」シルエットを最初に考えてから描きました。

――漫画版「ケツバトラー」の話が持ち込まれた時の心境はどういうものだったのでしょうか。

高出なおたか:まず一番大きかったのは、初めての週刊連載ということですね。それも含めての「できない」の困惑がありました。それと、尻。週刊で、しかも尻なんですか……という両方の困惑です。

だけどカッコイイ漫画にしたいっていうビジョンは伝わりましたし「そういう漫画を描きたいよね」と以前から話していたので、“カッコイイ”を目指すのであればとことんやりましょうと、切り替えて描きました。

――トモぞヴPさんは『ケツバトラー』を作りはじめた時にはこのような漫画になると意識されていましたか?

トモぞヴP:まさかここまでガチっとハマる漫画になるとは思っていませんでした。ストーリーがシリアスになるのはある程度最初の時点で考えていましたが、キャラクターや世界設定などは細かく作り込んでいなくて……。ざっくり、格闘ゲームに登場するようなキャラクターたちがいるだろうというイメージはありましたが、ここまで濃密な世界を構築してもらって、本当にありがたいですね。

――『ケツバトラー』IPのアニメ化などは考えてらっしゃいますか。

コロコロカーくん:売れればカヤックさんがやってくれると信じてます!というか、それを目標にやっていきたいですね。

アニメ化となると皆さんの応援と企業オファーが重要になってきます。窓口はカヤックさんになっているので、なにかありましたら面白法人カヤックさんまでお問い合わせをお願いします!

次ページ:編集者×ゲームクリエイターの組み合わせは今後も増えそう
ライター:高村 響,編集:宮崎 紘輔

ライター/ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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編集/タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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