◆コロコロコミック編集者×ゲームクリエイター。真摯に“センシティブな尻”と向き合う、その想い。

――ゲームクリエイターはパブリッシャーとタッグを組むことはあれど、「編集者」と手を組むことはまだまだ少ないと感じます。この点において生み出されたシナジーなどがあればお教えください。
トモぞヴP:その点に関しては本当に恩恵を感じました。いわゆる漫画的というか、“作家と編集者が組んでモノを作る”という建付け自体が、なにかを作る上で効力があるんだなと感じます。
ゲームにおいても編集者的な客観視点と、マネタイズなどのビジネス視点を組み合わせたアドバイスを頂けたのがものすごくありがたかったです。
例えばゲームのテンポがイマイチしっくりこなくて「必殺技をなくそうかな」と考えていた時がありました。そこで相談してみたら、「いや、必殺技は絶対になくさない方がいいです」と熱く語ってくれたのです。当時は色々と考えた末のアイデアだったのですが、今ではなくさなくて正解だったなと思っています。
やっぱりどうしても、ひとりでチクチク作っていると客観性がどんどん失われていく傾向があって、ゲームが難しくなっちゃったり、わかりにくくなっちゃったりすることがあるんですよ。

そういう歪みを補正する役目として「ユーザーさんから見たらこうです」と第三者として指摘してくれる編集者のような人がいるのは、ゲームを作る上で凄くありがたかったです。
コロコロカーくん:僕も必殺技のやつは覚えています。たしか、トモぞヴPさんが一時期「お尻をずっと振ってるシステムにしたい」と言っていて、「ゲージが溜まったら自動的に必殺技が発動する形に変更したい」という相談がありました。
トモぞヴP:それそれ!
コロコロカーくん:でもそうすると、自分で必殺技を出した感覚がなくなって、ゲームの良さを削いでしまうと思ったんです。なので必殺技を発動する動作、つまりケツを突き出す、“横の動き”とは違う“縦の動き”は絶対に残してほしいというフィードバックをしました。
それともうひとつ、お尻の動きとキャラクターの連動性があんまり良くなかったので、とにかく連動性を高めてくれってことも意見として伝えましたね。
――お話を聞いていて、集英社ゲームズの『都市伝説解体センター』などインディーの個人開発と編集者の親和性はかなり高いのだなと驚いております。
トモぞヴP:ゲームクリエイターと編集者が力を合わせて一つのゲームを作るという座組みは、今後も増えていくんじゃないかなと思います。やっぱり作家を乗り気にさせるのが編集者は凄くうまいんだなと僕は感じます。やる気にさせる引き出しがすごく多い。
コロコロカーくん:そんなことないですよ!
高出なおたか:いや、自分もここ数年、カーくんのスキルが凄い高まっている気がしてますよ(笑)。

トモぞヴP:その例で言うとゲームには実装する予定がなかったキャラもいるのですが、カーくんからメールで「このキャラクターは本当に実装しなくていいです!いいですからね!」というメールがきて……。そこまで言われたら、逆に実装するしかないじゃん!と、実装を決意しました。
ですが、後から考えるとまんまと乗せられたなって! 僕自身、天邪鬼なところがあるのは薄々自覚してたんですが、その気質を理解していて、見事にやる気スイッチを押されましたね(笑)。
――それはすでに登場しているキャラということでしょうか。
トモぞヴP:言っちゃっても大丈夫かな。実は『ケツバトラー』にアップデートの予定があるんです。漫画第2章ではキャラクターが増えるんですが、ゲームでも同じキャラが実装されます。
――なるほど!
コロコロカーくん:「編集とゲームクリエイターのシナジー」についてひとつ言いたいのは「編集者だから」だけではなく「コロコロコミック編集者だから」というのも結構強かったのかなと思っています。
僕たちはずっと、コロコロコミックとしてホビーメーカーさん、ゲームメーカーさんと一緒にタッグを組んで子どもたちにブームを起こす。そしてその起爆剤となる漫画を作ってきたノウハウが膨大にあります。
なので、コロコロコミック編集者としては『ケツバトラー』で特別なことをやったという感覚はあんまりなくて、コロコロコミック編集部の通常のお仕事だった、という感じがありますね。
トモぞヴP:確かに! “コロコロコミック編集部だからこそ”というのは、僕もすごく感じていました。
コロコロカーくん:そして今回、漫画を高出先生と作るにあたって、ゲームはカヤックさんが作る、漫画はコロコロコミックが作るというスタンスで、お互いの領域をきっちりわけて、それぞれリスペクトしあってプロジェクトを進められたのも良かった点です。
カヤックさんが「お任せします」というスタンスでいてくれて、すごくコロコロ編集部や高出先生のことを信頼してくれてると感じられました。そして絶対、その信頼に応えられる漫画を作らねばという一心でしたね。
トモぞヴP:設定書にあるすごく細かい設定までも1話のネームで拾ってもらえてるのを見てから、「これはもう全部任せても大丈夫だな」と。僕よりもこのコンテンツを理解して、料理してくれてるというのが伝わってきたので、その時点から漫画には何も言わなくても大丈夫という信頼感が生まれました。
――話は変わりまして、ケツっていう要素はやっぱり社会的にも身体的にも時にセンシティブな要素になり得ます。ケツバトラーIPを展開していく中で、どういったところに気を付けられていたのでしょうか。
コロコロカーくん:漫画では「誰でも安心して読める大丈夫なお尻の出し方」を心がけてます。
トモぞヴP:「ケツバトル」はセンシティブとかでは無いです。僕らは真面目に取り組んでいます。
高出なおたか:あくまでケツを筋肉として捉えています。
――『ケツバトラー』のスポーツ性に、真剣(シリアス)に向き合っているのですね。
トモぞヴP:しっかりとした理由もありますよ。「人間の筋肉の中で1番大きいの大殿筋だから、ケツで剣を持つと強い」っていうその根っこはぶれずにずっとあります。企画書にも書きました。
コロコロカーくん:僕らは、本気でそう信じているんです。

――“プレイしている姿を観るのが面白い”というコンセプトですが、開発中に実際に一般ユーザーが遊ばれている姿などは観られたのでしょうか。
トモぞヴP:僕は面白法人カヤックがある鎌倉から来ているのですが、事業部長の知り合いのツテで、地元の小学校のお祭りでスペースを間借りして、発売前のテストプレイを子どもにしてもらいました。
そこでのウケが非常に良くて、3時間ぐらいずっと笑い転げながら遊んでる子もいました。「間違ったものを作ってないな!」という手応えをそこで得られましたね!
コロコロカーくん:その様子を収めた動画を見せてもらったんですが、僕もその時に「これはいける」と感じました。子どもたちが、必死に「もっとケツ振れーッ!!」と叫んでました!(笑)











