2025年6月5日、ついに発売を迎える任天堂の次世代機「ニンテンドースイッチ2」。同機が正式発表された「Nintendo Direct: Nintendo Switch 2」で、多くのコアゲーマーが驚いたのは、おそらく『サイバーパンク2077』がローンチタイトルとして名を連ねたことでしょう。
本作は2020年発売のゲームでありながら、猥雑としたネオン街の風景はいまだに重量級で、いまだにゲーミングPCのベンチマークとしても使われるタイトルです。そんな同作が、スイッチ2で携帯して遊べる……というのはちょっと想像しづらいほど、夢のある移植です。
この度Game*Spark編集部は、CD PROJEKT RED(以下、CDPR)に招待いただき、1時間ほどの短時間ですがニンテンドースイッチ2版『サイバーパンク2077』をプレイする機会を得ました。ゲームそのものの詳しい内容はすでに皆さんある程度ご存知でしょうから割愛しますが、本記事ではスイッチ2版ならではの感触をお届けします!
「必要十分以上」の仕上がりでしっかり遊べる。これでいいじゃん

まずは、TVモードを初代ニンテンドースイッチのProコントローラーでプレイしました。本作にはパフォーマンスモードとクオリティモードが用意されており、TVモードにおいてはどちらも解像度は1080p、目標フレームレートはパフォーマンスが40fps、クオリティが30fpsとなっています。
プレイして真っ先に思った率直な感想は、「普通に快適だな」ということ。本作は前世代機でのリリース時にパフォーマンスが問題になったこともあったため、実際触ってみるまでわからないなと思っていましたが、想像以上に安定性は高く、バグや挙動についてプレイ中気になるところはありませんでした。

大量の警察に追われてドンパチしまくるなど極端で高負荷なプレイをするとさすがに多少フレームレートは落ち込みますが、ストーリーを進めたり、街を探索したり、チンピラと戦ったりといった普通のプレイではパフォーマンスにほぼ支障ありません。

グラフィックの美麗さについても、近くの広告から遠くのネオンまで、美しく描かれています。一部背景のジャギーや字幕がやや潰れたように見えるなど一部気になる点はあるものの、必要十分以上のビジュアルは実現していると感じました。パフォーマンスモードとクオリティモードのビジュアルに大きな差は感じなかったので、基本はパフォーマンスモードで良さそうです。
ロード時間についても、2回ほどファストトラベルを試してみましたが、いずれも20秒ほどで完了しました。超爆速というわけではありませんが、本作のファストトラベルは特定地点からしか行えない仕様なので、頻繁にロードが必要で気になる……ということはないでしょう。
なお、既にGame*Sparkでもお知らせしている通り、スイッチ2版ではNVIDIAのDLSS、そして携帯モードでのVRR(可変リフレッシュレート)に対応していることが同席していたCDPRのスタッフから改めて説明されました。それぞれの解説は長くなるので割愛しますが、長期に渡る丁寧な移植作業(7週間で移植したというのは誤りで、しっかり時間をかけて内部で開発が進んだとのこと)と各種技術を駆使することで快適なゲーム体験に繋がっているのでしょう。
マウスは慣れが必要だが快適

次は、マウスモードを試しました。Joy-Con 2を机などに滑らすことで、PC版をキーボード・マウスでプレイする感覚でエイムやカメラ操作が可能です。ただ、今回プレイしてわかったのは、PCでのプレイフィールとはやや違うということです。
本作におけるマウス操作は、コントローラーとのハイブリッドと形容できるような操作体系で、覗き込みボタンは右クリック(ZRボタン)ではなく、コントローラー操作と同じくZLボタンとなっているため、すでにPCでシューター作品をプレイしているような人は慣れが必要です。『メトロイドプライム4 ビヨンド』などで見られたシームレスな切り替えはなく、メニューから切り替える必要があります。
ただ、銃撃戦をマウス操作で遊べる快適さはPCと同じく最高です。非常にスムーズに動くためエイムが抜群に安定します。ニンテンドースイッチ2の体験会では太ももの上で滑らせるというプレイもあったようですが、さすがに細かくエイムが求められる本作においてはやや操作しづらく感じました。ただ、まったく使いものにならないというほどではないため、慣れやズボンの素材次第では机がなくてもプレイできそうです。

携帯モードでは、パフォーマンスモードで720p 40fps、クオリティモードが1080p 30fpsをターゲットにしています。携帯モードでは前述の通りVRRに対応しており、パフォーマンスが変動しても滑らかな映像がキープされます。
筆者は意外にも、携帯モードのほうが綺麗に感じました。ニンテンドースイッチ2の液晶は非常に美しく、くっきりして引き締まった映像になります。グラフィック品質やパフォーマンスの感触はTVモードとほぼ同様で、著しく問題や性能不足を感じるような瞬間はありません。
もちろんPCで最高設定、レイトレもバリバリで遊ぶ体験には敵いませんが……それを求めるならハイエンドなゲーミングPCを買えばいいわけですから、気軽に遊ぶ『サイバーパンク2077』としては必要十分以上と評して差し支えないでしょう。
駆け足ながら、ニンテンドースイッチ2版『サイバーパンク2077』の試遊感想をお届けしました。本移植はCD PROJEKT REDの社内スタッフ中心で行われていることもあり、しっかりとした移植品質であると感じました。「いちおう移植されているけど、あまりおすすめできないバージョン」という可能性も懸念していましたが、そうした懸念は払拭される仕上がりで、本作への入口として、あるいは久々にナイトシティに戻るゲーマーにとっても、スイッチ2のパフォーマンスを体感できることでしょう。
発売から4年以上経ったタイトルであり、大規模な追加開発はないとされていますが、今でも頻繁にアップデートが続けられており、今後もアップデートがあれば他ハードと同様に更新されていくということです。
ニンテンドースイッチ版『サイバーパンク2077』は、本体と同日の6月5日発売予定です。大型拡張DLC「仮初めの自由」も同梱されているので、遊んだことがない人や全世界で話題となったTRIGGER制作のアニメ「サイバーパンク: エッジランナーズ」で本作を知ったという方も、ぜひナイトシティの住人となって、サイバーパンクなオープンワールドの世界を堪能してみてください。
※UPDATE:当初、携帯モードの解像度とフレームレートの説明に誤りがありましたので修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。
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