アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、PC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けにリリースされた『G-MODEアーカイブス+ ARMORED CORE MOBILE MISSION』です(以下『ARMORED CORE MOBILE MISSION』表記)。

フィーチャーフォンで発売されたAC!
『ARMORED CORE MOBILE MISSION』は、フロム・ソフトウェアが2004年にフィーチャーフォン向けにリリースした作品です。「G-MODEアーカイブス」は、かつてフィーチャーフォンで遊べたアプリを復刻するプロジェクトで、これまで多くの作品がリリースされています。
本作でプレイヤーは傭兵となり、目標の破壊やアリーナでの勝利など、さまざまなミッションへと挑むことになります。『アーマード・コア』シリーズの醍醐味であるアセンブルはもちろん本作でも搭載されていて、各種パーツや武器を組み合わせ、自分だけのオリジナル機体を使用可能です。
当時の携帯ゲーム向けに、見下ろし型のトップビューを採用しているのも大きな特徴。ミッションをクリアすることで報酬金や特別なパーツが入手可能で、期待のカラーカスタマイズ機能なども搭載されています。もちろん現行機向けの操作性の改善や、一部機能の変更・調整なども行われています。

モバイル向けのシリーズは移行も数作品リリースされ、続編の『ARMORED CORE MOBILE 2』が移植されることも決定しています。フロム・ソフトウェアは、過去に多くのモバイル向けアプリを出しているので、今後他の作品も登場するかも知れませんね!
新米レイヴンの戦いが始まる
ゲームを開始すると、フィーチャーフォンをモチーフとした画面とゲーム説明が起動します。実際のプレイ中は「携帯電話風の縦長画面」で進行しますが、オプションでフレームを外したり、映像補正の調整なども行えます。
物語は、主人公がレイヴン(傭兵)を目指す試験を受けるミッションからスタート。操作としては自機の移動、視点の回転、武器の発射と切り替えが基本で、ブースト移動と上昇も行えます。また、敵に近づくとロックオンも入るので、攻撃を当てやすくなります。





ミッションでは、指定されたターゲットを破壊するのが主な目的です。管理すべきリソースは体力と武器の弾薬、そしてエネルギーで、ブーストを使用した移動や近接攻撃を行うと、消費してしまいます。エネルギーを使い切ると回復するまで各種行動が取れなくなるので、慎重に使っていきましょう。
ミッションをクリアすると、ダメージ修理と消費弾薬補充費用を引かれた金額が、プレイヤーへの成功報酬として獲得できます。本作では修理費などがいくらかかっても資金がマイナスになることはないので、かなり気楽に戦えます。なお、報酬でパーツがもらえるミッションは再度クリアしても何ももらえません。



獲得した資金は、ガレージのショップでパーツの購入に使うことができます。過酷なミッションやアリーナでの戦闘で新米レイヴンが生き残るためには、強力な機体をアセンブルすることが重要です。


アセンブルで目指せ最強機体!
メインメニューのガレージでは、プレイヤーが使用する期待のアセンブルを行えます。パーツはヘッド・コア・アーム・レッグ・ジェネレーターの5種類と、両手両肩の4つの武器で、合計9ヶ所を付け替えられます。各パーツには防御力やそれぞれの特徴がありますが、重量オーバーすると装着することができません。
ゲーム内には、およそ30種類以上のパーツが登場。当時の容量もあるので決して種類は多いとは言えませんが、武器は結構豊富なので、自身の戦い方に合わせたアセンブルも行えます。序盤は特に積載量が少ないので、少しでも高性能なパーツをいかに模索するかが重要です。



ミッションで注意したいのが航空兵器です。プレイヤー機はミサイルや一部の射撃武器なら遠距離からロックオンできますが、もし装備していない場合はブースト上昇して戦う必要があります。見下ろし視点という仕様上、縦の高速移動はできないので、どうしても射程の長い武器は対策として必要になります。
また相手の攻撃を避けづらく、どのレッグパーツでもブーストを使えばそれなりの機動力があるので、ゲームクリアを目指すだけならある程度パーツの選択が決まってしまう印象です。なるべく重武装で挑むと、ほとんどのステージは安定してクリアできました。



被弾や消費が多くて報酬金が少なくなっても、資金がマイナスになることはないので、どんな武装でも気軽に試せるのは嬉しい部分ですね。


今後のシリーズ復刻にも期待
『ARMORED CORE MOBILE MISSION』では、合計21ミッションプレイ可能です。ミッションをクリアしていくと新しい内容が解放されていくシステムで、ゲーム内では明確に「壁」となるようなミッションも用意されています。
得意なミッションで資金を稼ぎ、良いパーツを揃えてアセンブルすれば必ずクリアできるくらいの難易度です。一方、性能差で一部のパーツや武器を使う理由がほとんどないので、どうしても「自由な機体を作って暴れるぜ!」といった遊び方はできません。



見下し型視点で敵のロックオンも優秀なので、回避が少し難しいのも本作の特徴。真後ろにブーストすることで敵のロックオンは外せますが、代わりにこちらがロックオンしづらくなります。結果として高耐久・重武装で一気に殲滅する方が楽だな、という印象でした。
ガレージでは機体の着色をしたり、完成した機体をじっくり眺めるビューワーモードも搭載されています。3Dモデルはかなりしっかりと作られているので、こういったカスタムや閲覧要素があるのは嬉しいですね!



移植が決定している『ARMORED CORE MOBILE 2』は、従来作通りのバックビューを採用しています。当時フィーチャーフォンで遊べていないユーザーも多いと思うので、今後の展開にも大いに期待したいところです!

『ARMORED CORE MOBILE MISSION』は、初のフィーチャーフォン向けアプリということで、従来の作品ともまた少し違う仕様で遊べる『アーマード・コア』です。それでもレイヴンとして、過酷なミッションへと挑んでお金を稼ぎながら色々なパーツをアセンブルしていくという、作品ならではの遊び方は用意されています。
見下ろし視点で遊ぶアクションですが、操作や視点などはコントローラーでも快適に操作できます。筆者は今回PS5のDualSenseで遊びましたが、左右のスティックを使って直感的な移動と攻撃ができました。ミッションによっては時間制限があるので、ブーストで快適に移動できるのは重要ですね。


およそ21年前にフィーチャーフォンでリリースされたアプリということで、容量的な制限はかなり厳しいものがあったと思います。その中で、しっかりと要素として『アーマード・コア』を感じさせる本作は、貴重なゲームとして評価したい1作です。