アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。
ゲーマーのみなさんに古今東西の素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回は、2025年11月4日にPC(Steam)向けにリリースされたロボバトルFPS『XOL: 宇宙ロボ戦記』です。
はみだし野郎達の宇宙戦争
本作は、日本の個人ゲーム開発者Michi(ミチ)氏が手がける作品。同氏は2021年からYouTubeチャンネルおよびXアカウントにて自身のゲーム開発についての情報を発信していて、2022年にデビュー作『BLANK SPACE』、2023年には『Cyber NINJA that Climbs the City』をリリースしています。
『XOL: 宇宙ロボ戦記』は、同氏が3年以上かけて開発を続けていた作品で、2024年3月に開発中の映像が公開されました。その後はitch.ioでの体験版配信(現在は非公開)などを経て、2025年6月にSteamストアページが公開。そしてSteam向けに体験版も配信され、正式リリースまでに定期的なアップデートも行われてきました。
本作の舞台となるのは、地球を代表する連合国(UA)と、宇宙コロニー連合を代表する「XON」による戦争が続く世界。
1年にも及ぶ戦争は、XONが不利な状況で膠着状態となっている中で、プレイヤーはXONの新兵として、配属された荒くれ遊撃部隊の仲間たちと共に過酷な戦争へと挑むこととなります。
ゲーム内では人型兵器「XOL(ゾル)」を操り、敵の撃破や味方戦艦の護衛など、ステージごとにミッションを達成していくのが目的。宇宙空間での戦闘時には全方位から現れる敵と戦うだけでなく、状況によって武器を使い分けたり、撃破する目標を考えたりと、状況に応じた判断をすることが生き残るためのポイントです。


全12ミッションの中では、主人公の所属する部隊や上官、そして敵対する連合国との対峙など、無骨で“お約束”なストーリーも展開します。ロボットアニメやゲーム好きにはたまらない、多彩なシチュエーションでの戦闘が楽しめますよ!


新鋭機XOLで宇宙を駆けよ
本作の物語は、主人公が部隊に配属された初出撃のシーンから始まります。長年続く戦争で新兵として主人公が所属するのは、ベガル隊長が率いる荒くれ者の部隊。
作中で主人公は4号機のパイロットとして、「フォース」と呼ばれています。最初のミッションでは、チュートリアルを兼ねて、とあるコロニーへの威嚇行動を行うことに。
操作する人型兵器XOLは、高い機動性と多彩な兵装を持っています。移動はブースト移動と短距離ダッシュ(回避)のほか、全方位戦闘に対応するため、角度と高度を変更することも可能です。角度は水平に戻す操作もあります。機体が水平時のみレーダーが作動する仕様のため、定期的に体勢を整えましょう。




武器は基本兵装のビームガンと、サブ兵装のビームブレード、拡散ミサイル、バズ(バズーカ)、そしてシールドが用意されています。ビームガンは弾薬無限で、連射/チャージの使い分けが可能。サブ兵装はいずれも強力なものの、ミサイルとバズは弾薬に限りがあるので使い所も重要です。
最初のミッションではコロニーの防衛タレットと逃げ出そうとする商船、そして敵戦艦と交戦することに。敵に狙われているときは警告が出るので、シールドや回避を駆使して射程圏内へと近づくことが重要です。
本作では画面中央に敵を捉えればオートエイムが適用されるので、敵の攻撃を避けながら確実に攻撃することもできます。




しかし、チュートリアルといっても油断は禁物。敵の攻撃はかなりダメージが大きく、特にタレットや戦艦の砲撃を喰らえば一気にXOLのアーマーが削れてしまいます。
「華麗なデビュー戦を決めてやるぜ!」と息巻いた筆者は、初出撃で1人敵の照準内に突っ込んで、あっさり宇宙の藻屑に。ああ、新兵ってのはこうやって死んでいくんだな。



武器を使い分けて戦場を制圧!
『XOL: 宇宙ロボ戦記』では、機体のアップグレードや兵装の切り替えといった要素はなく、基本的に用意されている装備で各種ステージへと挑むことになります。とはいえビームガンをはじめとした各種兵装は非常に性能が高く、使い分けることで敵の機動兵器から大型戦艦まで相手にすることが可能。
全方位&高速戦闘が基本となる本作では、オートエイムがあると言っても敵を照準に捉えきれないこともあります。
そんな時に活躍するのが、拡散ミサイル。敵がまとまっている場所や進路に撃つことで一気に範囲ダメージを与えられます。また、戦艦の砲台などの固定している相手に大ダメージを狙うことも可能です。


バズはXOLにとって最大の兵装で、特に対艦戦で大きな効果を発揮します。高低差の概念がある本作で、敵戦艦の上部を抑えて大火力のバズを撃ち込むのは、最高に気持ちいい瞬間のひとつ! ただし、バズの弾薬数はとても少ないので、使うべき場面はしっかりと見極めましょう。
機動力を活かして相手の懐に潜り込んでビームブレードで切りつけたり、シールドでしっかり守りながら距離を稼いだり、本作の戦闘は“想像通りの立ち回り”をしやすい構成になっています。ステージは敵の撃破だけでなく、逃げる相手を追いかけたり、狙われている味方を護衛したりと特殊な目標もあるので、武器の節約や使い分けはとても重要です。



さらに、各ステージごとにサブミッションも用意されています。サブミッションには時間制限があるものも多いのですが、狙いすぎると味方機が破壊されてメインミッション失敗、というケースも起こり得るので気を付けましょう。

新兵の主人公が大活躍をするという“定番の楽しさ”
本作の主人公は新兵という立場ながら、ストーリーでは序盤から活躍して、やがてベガル部隊でも欠かせないメンバーとなっていきます。この部隊は荒くれ者達が集う部隊であり、ゲーム序盤で“とある違反”を行ったことで懲罰部隊となったものの、その腕を買われて特殊な作戦で活躍することになっていきます。
ゲーム内でもその設定が活かされたような、時に無謀とも言える作戦に部隊は駆り出されます。その中で、驚くべき戦果を上げていく主人公。戦闘中には部隊の仲間や上官からの通信が入るのですが、敵をキルしていくと仲間から戦果を褒められたりするのも嬉しいですね!




プレイヤーがゲームに慣れてくる時期と、ストーリー上での主人公の活躍は上手くリンクしていて、ある程度戦えるようになったあたりで、ベガル隊長から単独で作戦を遂行するように命じられることも。
過酷な戦場を舞台にした臨場感とあわせて、色々な人々の思惑や陰謀が入り混じる戦争を体験していく没入感は特筆ものです。
ただし少し戦闘が難しめの本作では、ステージ内でのチェックポイントがないのは少しだけ惜しい部分。リトライ自体は戦闘が楽しいので良いものの、時間がかかるイベントなどを繰り返し見ることになってしまいます。もちろん失敗することで学びはあり、より効率的な動きや位置取りもできるようになります。



リトライでの学びを含めて、本作では新兵が恐るべき速度で成長して大戦果を上げていくという、ロボットものの“お約束”のような展開を楽しめるのが特徴です。序盤は難しかったステージのサブミッションもあっさりクリアできてしまうなど、操作に慣れてくることの面白さをダイレクトに味わえます。





『XOL: 宇宙ロボ戦記』は、過酷な戦争でミッションに挑むロボット乗りのストーリーと高速戦闘が楽しめる1作。新鋭機のXOLは、武器を使い分けることで対ロボット戦から対艦戦までも対応可能な万能機で、プレイヤーの腕前の上達に応じてその能力を十分に発揮できます。
ストーリーも作戦前の会話や戦闘中の通信、陰謀や策謀が巡らされる展開など、シンプルながら魅力的な印象です。はみだし野郎たちの部隊に配属された新人が大活躍して、やがて無謀とも言える作戦に駆り出されていくという“お約束”も良く、最後まで楽しくプレイすることができました。



一方でキーコンフィグがなかったり、ダッシュとブーストが同じキーのため、入力判定が暴走しやすいことがあるなど、いくつか操作面で改善を望みたい場面も。特に本作はオブジェクトにぶつかった際に視点がわかりづらくなったり、時にスタックしたりすることもあるので、一部のステージがかなり難しくなる印象もあります。
全方位で展開される戦闘、硬派で“お約束”なストーリー、やり応えのあるサブミッションなど、ロボットバトルを楽しむための要素がたっぷり詰まった『XOL: 宇宙ロボ戦記』。ロボット好きならば、遊んで損はない作品です!













