
2025年5月20日から2025年5月23日にかけて、台湾・台北の南港展覧館(TaiNEX)にてコンピュータ・テクノロジー見本市「COMPUTEX 2025」が開催されました。
今年のMSIブースでは、“ポータブルゲーミングPCの進化”と“AI×高性能ゲーミングノート”を主軸に、来場者の注目を集めました。
中でも、AMD Ryzen Z2 Extreme搭載モデルを含む「Claw」シリーズや、Mercedes-AMGとのコラボレーションによるハイエンドゲーミングノート「Stealth A16 AI+」は、多くのゲーマーにとって“欲しくなる未来”そのものだったと言えるでしょう。
今回、Game*Spark編集部は現地へ取材に行ってきましたので、本稿ではMSIブースの展示の様子をまとめていきます。
MSI Clawシリーズが次のステージへ―Ryzen Z2 Extreme採用機「Claw A8 BZ2EM」が初公開

今年のMSIブースで最も注目されたのが、ポータブルゲーミングPC「Claw」シリーズの最新モデル「Claw A8 BZ2EM」。なんと、AMD Ryzen Z2 Extremeを搭載し、これまでにないCPU処理能力を実現しています。
従来機「Claw A1M」や「Claw 8 AI+」の強みを継承しつつ、AMDチップによる高い描画性能と応答性は、AAAタイトルを屋外でもストレスなくプレイできるレベル。ポータブルデバイスとしての完成度がまた一段と高まった印象です。

さらに、展示にはIntel Core Ultraベースの「Claw 8 AI+ A2VM Polar Tempest Edition」も登場。ゲーマー向けに大容量2TB SSDを標準搭載し、長時間プレイにも安心な設計になっていました。外観は“ポータブルゲーミングらしさ”を強調した近未来的な仕上がりで、携帯型ゲーミングPCの最先端といったモデルでした。
本格eスポーツ仕様の「Stealth A16 AI+ Mercedes-AMG Motorsport」と“和”とゲーミングの融合「Prestige 13 AI+ Ukiyo-e Edition」

ゲーミングノートのハイエンドモデルとして紹介されたのが、「Stealth A16 AI+ Mercedes-AMG Motorsport」。3年目に突入したMercedes-AMGとのコラボレーションにより、“Luxury Gaming Experience”を追求した本機は、スペックもビジュアルもまさに“走るハイパワーPC”といった風格です。

スペック面では、AMD Ryzen AI 9 HX 370とNVIDIA GeForce RTX 5070 Laptop GPUを組み合わせ、240HzリフレッシュレートのWQXGA OLEDディスプレイを搭載。AI処理性能も40TOPSを超え、ゲームと同時に生成AIによるリアルタイム映像処理や音声認識なども視野に入る構成です。
単なる高性能ノートに留まらず、あの伝統的なロゴが入ったデザインも魅力。まさに“所有欲を満たすゲーミングノート”として、多くの注目を集めていました。


また、少し毛色の違う展示として話題を呼んでいたのが、「Prestige 13 AI+ Ukiyo-e Edition」。日本の山中漆器とのコラボにより、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』をモチーフとしたデザインは、もはやアートの域です。
ゲーミング用途ではないものの、AI処理性能や薄型・軽量設計は高く評価され、所有する“喜び”を感じさせるプレミアムな1台となっています。
AIはもう「補助」ではない──ゲーミング×生成AI時代へ

今年のMSIブースでは、“AI搭載=高性能”という構図から一歩進んだ「AI活用の実例」も提案されていました。例えば、ClawシリーズやStealth A16では、NPU(Neural Processing Unit)によるリアルタイム処理がゲーミング体験を底上げしています。

AIによるフレーム予測や自動補正、音声アシスト、リアルタイム翻訳、さらにはゲーム配信者向けの映像生成など、AIがゲームプレイの「一部」となりつつある実感を覚えます。とくに、生成AIとの統合により、今後のゲーミング環境がどう進化していくか、MSIの展示はそれを体感できる場になっていました。
ポータブルもハイエンドも、MSIが示す“次の10年”



COMPUTEX 2025のMSIブースは、「性能」だけでなく「体験」と「スタイル」にフォーカスした展示が印象的でした。ポータブルゲーミングPCという新ジャンルを牽引するClawシリーズ、高性能と高いデザイン性を兼ね備えたStealth A16、そしてAIによるゲーム体験の再定義。すべての展示から、「ただのPCでは終わらせない」というMSIの意志が感じられました。
取材協力:MSI













