気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、HandyGamesがパブリッシングし、Massive Miniteamが手掛けるPC/PS5/Xbox SeriesS|X向けに5月27日に正式リリースされたオートメーションRTS『Oddsparks: An Automation Adventure』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、自動のワークショップを設計して、へんてこで可愛いスパークたちにいろんなものを作らせたり運んだりさせながら、ファンタジー世界を探検するオートメーションRTS。ソロプレイと協力プレイに対応しています。日本語にも対応済み。
『Oddsparks: An Automation Adventure』は、3,589円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Brenden こんにちは!私たちはドイツ・ケルンを拠点とする小さなスタジオ、Massive Miniteamです。私は本作のデザイン・ディレクター、Brenden Gibbonsです。好きなゲームがたくさんあり、このインタビューの中で質問に答えながらたくさんのゲームに触れていくつもりですので、まずはあまり知られていないゲームから3つ挙げておきます。『Card Survival: Tropical Island』『Heat Signature』『Bounden』です。日本語でプレイできるのは最初の1本だけですが、変わった面白い体験をしたい方はぜひ調べてみてください!
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Brenden 私たちは『Factorio』や『Satisfactory』のようなオートメーションゲームが大好きで、それをもっと親しみやすいものにしたかったのです。また、『Stardew Valley』は、非常にリラックスしてプレイすることもできますし、スプレッドシートを取り出して急いで1年目で公民館バンドルクリアを目指すこともできます。本作もそうしたゲームと同じように、のんびりプレイするもよし、GPUが火を噴きそうなほど巨大で複雑な工場を作るもよし、自分のペースでプレイできる空間を提供したかったのです。
そこから、私たちは自分たちの違いをもっと出そうとしました。端的には、茶色や灰色ではなく、カラフルなゲームにしたかったのです。プレイヤーはいつも一人孤独に攻撃をされるだけではなく、楽しいキャラクターたちが溢れる村にしたかったですし、ファンタジーで、にぎやかで、フレンドリーで、歓迎される作品にしようと思いました。オートメーションゲームというジャンルが好きな人たちにも満足してもらえるように、ユニークかつ複雑なゲーム性を維持しつつも、このジャンルが初めての人にも十分優しいものを作るということも意識しています。これが、本作の開発過程におけるすべての決断を導いたのです。
こうしたインスピレーションや方向性をまとめ上げた結果、ベルトコンベアの代わりに、スパークという小さな生き物がアイテムを運んでくれるオートメーションゲームができあがりました。それらのアイテムを使い、もっと多くのスパークを生み出すのです!交通スタイルのロジスティクスと、探索と発見をテーマとした多くのゲーム要素を備えています。PCでは友人たちとマルチプレイもすることができますよ。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Brenden 多くの人が本作を「『Factorio』 x 『ピクミン』」と表現していますが、それらのゲームからのインスピレーションはとても明白だと思います。しかし、あまり目立たない小さなインスピレーションもたくさんあります。新しいジャンルのミックスを作るということは、他のゲームにはない問題点を解決する必要があるということなので、それらを解決するアイデアを広く探しました。本作には『モンスターハンター』『Oxygen Not Included』『どうぶつの森』など、様々なものの影響がありますよ!

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Brenden Steam Next Festにデモを初めて公開したときは、プレイヤーの反応がかなり怖かったです!デモを公開する以前から何人かの人にプレイしてもらっていましたが、10人がプレイするのと何千人、何万人がプレイするのとでは違いますからね。皆さんが本作を本当に気に入ってくれたのを見たときは、とても嬉しかったです。パーティーを開き、世界中(日本を含みます!)でプレイしている人たちの配信を見たりもしました。私たち自身が考えもしなかったようなフィードバックがほとんどなかったのも良いことでしたね。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Brenden 本作は、当ジャンルが楽しめるものかどうかわからなかった多くのプレイヤーにヒットしているようで、まさに私たちが望んでいたものでした。
最も「印象的」だったのは……最近ライターのMalindy Hetfeld氏が教えてくれたのですが、本作が原因で彼女の友人が病院に行く羽目になってしまったのだそうです。その友人はボーイフレンドに本作を紹介されてプレイし始めたそうですが、あまりに長時間プレイしていたため、目が乾きすぎて出血してしまったのだとか!ありがたいことに彼女は無事で、Malindyにこう言ったそうです。「これで私も本物のゲーマーになったってことだね!」って。
この友人は『どうぶつの森』を800時間以上プレイしているので、病院に行く前からすでに本物のゲーマーだったと思います。この話の教訓は、本作をプレイするときはまばたきを忘れずに、ということでしょう。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Brenden 現在、バグを修正しつつ、無料アップデートや有料DLCでどのようなものを追加できるか検討しています。また、プレイヤーの皆さんがModを作成するお手伝いもしていますよ。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Brenden はい!私たちは皆さんが自分の基地を共有し、どのように作ったかを示す動画やガイド作りを奨励しています。私たちは、すべてのプレイヤーが非常に異なる解決策を生み出すことを知っていますので、基地をどのように作るか、どんな変わった解決策を考え出したかについてお互いに刺激し合うことを望んでいます!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Brenden パズルは好きだけど、オートメーションゲームはやったことがない……本作は、そんな人に試してもらいたいゲームです。スパークたちとの時間を楽しんでいただけると嬉しいです!
そして、本作をすでにプレイしてくださった方、本当にありがとうございます。ぜひレビューを書いていただき(ぜひ他のお気に入りのゲームもすべてレビューしてみてください)、SNSで他の人に教えてあげてください。そうすれば他の人があなたを見つけ、コミュニティを作ることができるかもしれません!私たちの公式Discordには英語圏のコミュニティがありますが、日本のプレイヤーの皆さんもお互いを見つけて一緒にゲームを楽しんでもらえたらと思います。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください