2Dサイドビューで『青鬼』描く新作ジャパニーズホラー『禁足地 -青鬼の窟-』はつい考察してしまう作り!『テイルズ ラタトスク』なども務めたディレクターへインタビュー【BitSummit the 13th】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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2Dサイドビューで『青鬼』描く新作ジャパニーズホラー『禁足地 -青鬼の窟-』はつい考察してしまう作り!『テイルズ ラタトスク』なども務めたディレクターへインタビュー【BitSummit the 13th】

『青鬼』の流れを汲む新作ホラー『禁足地 -青鬼の窟-』のプレイレポートと開発者インタビューをお届け!

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2Dサイドビューで『青鬼』描く新作ジャパニーズホラー『禁足地 -青鬼の窟-』はつい考察してしまう作り!『テイルズ ラタトスク』なども務めたディレクターへインタビュー【BitSummit the 13th】
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数多くのタイトルが出展された日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit the 13th」が、2025年7月18日から7月20日にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催されました。

本稿ではそんな本イベントに初出展となったハイドのブースより、ハイドと『青鬼』を手掛けるLiTMUSによる新作ホラータイトル『禁足地 -青鬼の窟-』をピックアップ。ブースにはリアル「青鬼」もいました。

フリーゲームとして誕生し、その後数多くの移植・バージョンアップを重ねた名作ホラーアドベンチャー『青鬼』の流れを汲む新作タイトルの試遊レポートと、本作のディレクター・シナリオを担当する荒堀明弘氏へのインタビューをお届けします。

無力な少女と不思議な日本人形の2人組が廃校を探索

本作の主人公は、友人を探して地下に埋もれた廃校に迷い込んだ少女「ひまり」。身動きが取れなくなっているところを動く日本人形の「こまり」に導かれ、恐ろしい化け物「青鬼」が跋扈する学校からの脱出を目指します。

明かりの差し込まない廃校で、こまりが唯一頼れるのは手回し充電式の懐中電灯だけ。ただし充電の音はガリガリと響くため、居場所を知らせてしまうリスクも伴います。

ひっそりと学校内を探索して友達を探しながら、地上へ戻る手段はないか探していくというホラーアドベンチャーです。

まずは地上への出口を探るため校内を移動していきますが、「廃校」という完全に不気味なシチュエーションで、無力な少女ひとりが真っ暗な廊下を歩いていくプレッシャーはかなりのもの。

ホラーの定番であるジャンプスケアシーンもありますが、シチュエーションを盛り上げるサウンドの効果もあり、ずっと何が起こってもおかしくないような不安に駆られながらのドキドキのプレイが楽しめます。

そして、校内にはやはり恐ろしい「青鬼」の姿が。捕まってしまうとゲームオーバーのため、懐中電灯を消しながら気付かれないルートで移動したり、上手く隠れてやり過ごしたり、時にはこちらに気付いていない青鬼の後ろを忍び足ですり抜けるという危ない橋を渡りながら、目標を目指していきます。

最初の目的を達成したところで、ひまりとこまりが脱出計画を練る「ひみつ会議」フェーズに。状況が整理されるため、「あっ、途中でロープ見かけたな」と思い返すきっかけにもなり、ゲームの進行をスムーズに手助けしてくれるシステムにもなりそうです。

といったところで、筆者があまりにビビりっぱなしで移動に常人の数倍の時間を要してしまったこともあり、今回の試遊時間は終了。

今回は登場しませんでしたが一時的に「こまり」へと操作キャラクターを切り替えられるシステムもあり、小柄な日本人形ならではのルートを探索しての謎解きも繰り広げられるのではないでしょうか。

細部までこだわった作品を「考察して楽しんで、その感情を大事にしてほしい」

あの『青鬼』が登場するだけでなく、豪華クリエイター陣が集結しているのも本作の大きな注目ポイントです。

今回は『影牢2』『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士』などの作品でディレクターを務め、本作でもディレクターとシナリオも担当している荒堀明弘氏にインタビューを実施。新作に込められたこだわりや、名作『青鬼』の流れを汲む作品が生まれた背景などを聞きました。

ディレクターとシナリオを務める荒堀氏。ブースの青鬼像とともに記念撮影

――よろしくお願いいたします。先ほど試遊させていただいたのですが、自分はホラーがまったく得意ではないのもあって非常に怖かったです。

荒堀明弘氏(以下、荒堀氏):ホラーゲームですので、そう言っていただけると嬉しいです。これまで自分が携わってきた作品以上に「自分の作りたいもの」を遠慮なく入れられているので、インディーゲームの良さだと感じています。

今回は『青鬼』をモチーフにした物語が描かれますが、この1回限りではなく『禁足地』をシリーズとして続けていきたいとも考えています。

――怖くもありましたが、かなり興味をそそられる世界でもありました。

荒堀氏:登場する敵もただ怖いだけではなく、よく見ると生活の痕跡みたいなものが感じられるような要素も入れて、細部までこだわりながら作っています。裏設定なので気づいてもらえるかどうか分かりませんが、ぜひ考察して自分なりの結論に辿り着いてもらえると嬉しいです。

――体験版の範疇では決してたくさんのセリフが出てくる訳ではなかったのですが、ちょっとしたテキストでも深読みして怖がってしまいました。

荒堀氏:そうした楽しみ方をしていただけるのも嬉しいです。皆さんそうであって欲しいですね(笑)。

――音響もかなりムードを盛り上げていて、何気ないシーンでもビクビクできましたね。

荒堀氏:音響監督である齋藤淳生氏のおかげですね。『零』シリーズの音響を作ってきたノウハウも活かされているかなと思います。

展示会での試遊は外音が気になってしまうことも少なくないが、ハイドブースは良好なオーディオ環境が用意されており、非常に怖かった。

――歩いていると遠くからピチャピチャと水が滴るような音がする場面があって、何も起こらないのに非常にドキドキしました。

荒堀氏:なるほど、水ですか。分かりました、伝えておきますね。現在は完成目前の開発の追い込み期間で、最後にグッとクオリティが上がる段階なので、さらに良いものになると思います。

――不用意な発言をしてしまったかもしれません(笑)。今回、名作フリーゲームである『青鬼』の流れを汲むホラーゲームが生まれた経緯は、どのようなものだったのでしょうか。

荒堀氏:長谷川(プロデューサー/アートディレクターの長谷川仁氏)と色々な企画を作っては売り込みをかけていたのですが、ホラーを作りたいと思っていたのでホラーの企画が多かったんです。その中でLiTMUSさんにピンと来ていただけたことをきっかけに、今回の作品へと繋がっています。

――荒堀さんの中で『青鬼』という作品はどんな印象でしょうか。

荒堀氏:「バランスが良いゲーム」だなと。閉鎖空間の表現ではトップビュー型の2Dゲームが最適で、3Dにするとものすごく広く見えてしまって迷路のように感じられることもあれば、移動速度の関係で逆に狭く感じてしまうことも起こりえます。いろんな人に閉鎖空間を提案するための媒体として、完成されているなと思いました。

もちろん3Dにすることも不可能ではないと思いますが、よほど研究しないと『青鬼』という大きな柱を表現することは難しいと思いますし、折角の魅力が同ジャンルの作品の中に溶けてしまうとも考えられます。

そこで本作は2Dの中でも横スクロールでも『青鬼』が成立するのではないか、ということで現在のシステムにチャレンジしました。トップビューだと難しいような細かな表現、例えば「物が落ちただけで怖い」「扉を叩かれただけで怖い」という細かな怖がらせ方や雰囲気の怖さは、横スクロールの方が得意だろうなと考えています。

――見えている範囲がとても狭い怖さもありますし、主人公の「ひまり」ちゃんの移動も絶妙ですね。どうしても早く逃げたくなって走らせてしまうのですが、そうすると転けてしまって、また勝手にビックリしてしまいます。

荒堀氏:ひまりについては、プレイキャラクターを愛してほしいという考えから「守ってあげたくなるような可愛さ」にしてほしいと要望して作ってもらいました。なので、モーションひとつにもすごくこだわっています。

――本作ではひまりやその友人という年齢層の低いキャラクターたちが登場しますが、だからこそ表現できることもあるのでしょうか。

荒堀氏:大人になると感受性の枠が狭まってしまい、「このキャラはこういう風に行動するだろう」と予測が決まってしまうシーンはありますよね。それに対してひまりはまだ12歳なので、子供ならではの行動になるよう考えました。

友達も何人か出てきますが、集まるたびに「どうやって脱出するか」を話し合う「ひみつ会議」が開かれるのも本作の特徴です。

実は『禁足地 -青鬼の窟-』の登場人物たちはいずれも苦しい境遇にあって、大人になることについてあまり考えられないような子供たちなんです。それでもひまりやこまりが頑張ってくれている姿を見て、自分たちも怖いと言っているだけではいけないと感じ始める、という成長のお話という側面もあるので、物語も楽しんでいただきたいですね。

――日本人形のこまりさんはデモの範囲では主人公を導いてくれる存在なのですが、既に公開されているPVの最後でとても恐ろしいことを言っていますよね……。

荒堀氏:そこはプレイして確かめてみてください(笑)。エンディングも何パターンか用意しています。私は嫌な終わり方を見るとスカッとするタイプなので、『影牢2』ではどのエンディングも救いのない終わり方になっていましたが、今回はほとんどそうした要素はありませんので。

――ありがとうございます。では、最後に読者にメッセージをお願いいたします。

荒堀『禁足地 -青鬼の窟-』はホラーではありますが、怖いだけではない魅力があり、年齢層が低い方にも遊んでいただきたいのでそこまで酷い表現もありません。ぜひたくさんの人に楽しんでいただきたいですね。

――『青鬼』はゲーム実況でも大きなブームになりましたので、「当時実況を見ていたな」という方にも遊んで欲しいですね。

荒堀本作でも実況配信はどんどんやっていただきたいですね。“配信しやすい”魅力については、LiTMUSさんの助言も受けながら作っています。

――ホラーは自分でプレイしてから他人事のような気持ちで配信を見るのも楽しいですよね。

荒堀そうですね。ゲームを作るときはかねがね思うのですが、せっかく貴重な人生の時間を費やして遊ぶものですから、その結果残る感情を大事にしてほしいなと考えています。それで感受性を広げて、いろんなゲームの遊び方を楽しんでいただければと思います。

――楽しみにしています。ありがとうございました!

今夏リリースに向け絶賛開発中。プレゼントキャンペーンも!

プレイ直後ということもあって筆者が大変怖がっており、残念ながら皆さんにご紹介はできませんが荒堀氏が幼少期に経験した恐ろしい(?)エピソードなども披露いただくという、非常にディープなインタビューとなりました。

荒堀氏に加え、プロデューサーとアートディレクターに『零』シリーズを手掛けた長谷川仁氏、サウンドエフェクトには同シリーズの音響を担当した齋藤淳生氏も参加する豪華クリエイター陣集結の和風ホラーアドベンチャー『禁足地~青鬼の窟~』は、ニンテンドースイッチとPC向けに開発中。

リリース時期については「ホラーなので、夏のうちに出せるよう一生懸命動いています」と2025年夏に予定されています。リリースに向けフォローとリポストで製品版Steamキーが当たるプレゼントキャンペーンも公式Xで展開されているので、気になった方はぜひ参加してみてください。

©HYDE,Inc. / LiTMUS / noprops



青鬼 元始編(1) (角川コミックス・エース)
¥574
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ハル飯田,編集:八羽汰わちは



ライター/よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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編集/多趣味オタク 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Spark編集部員、デスク担当。特技はヒトカラ12時間。

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