気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Ells&Pills開発、PC向けに8月1日にリリースされたビル脱出サバイバルホラー『Ells Tales: Chairbound』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、プレイヤーがオフィスチェアに縛られ、10分の時限爆弾の脅威が迫る中、不安定な椅子に乗って廃ビルを下へと進みつつ脱出を目指すサバイバルホラー。椅子は物理シミュレーションによってリアルに動作し、前進や回転はできるものの、急停車できず、家具などにぶつかるとランダムな方向へ跳ね飛ばされるため、慎重な操作が求められます。日本語にも対応済み。
『Ells Tales: Chairbound』は、235円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Ells&Pills私は友人と二人で「Ells&Pills」という名前で、小さくてちょっと変わったゲームを開発しています。お気に入りのゲームを一つ選ぶのは難しいですが、強いて言えばFrictional Gamesの『SOMA』とAcid Wizard Studioの『Darkwood』ですね。Frictional Gamesは私たちにとって本当に大きなインスピレーションの源です。彼らは素晴らしい開発者たちであり、本当に驚くべきゲームを作っています!
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Ells&Pillsおそらく、本作で最もユニークな点は、物理演算を使った操作です。これによって、かなり没入感のあるゲーム体験が生まれると考えています。最初はプレイヤーも「うわ、これどうやって操作するの?」と思うかもしれませんが、5~15分もすればステージを楽しく転がり回ることでしょう。すごくクールですよね!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Ells&Pills一つ前の質問の後半もまとめてお答えします。信じがたいかもしれませんが、私たちは偶然にも、Mandragoraによるゲーム『SKYHILL』から影響を受けました。これは、高層ビルから降りていくという、とてもランダム性の高い難しいゲームです。そこで私たちは「じゃあ、自分たちも何階層もある建物を降りていくゲームを作ったらどうだろう?」と思ったのです。そして今に至ります!(笑)

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Ells&Pillsおそらく開発中で最も印象的だった瞬間は、「狂人」を追加したときです。彼は自信満々にものすごい勢いで主人公を追いかけてくるのです!(笑)不気味でありながらも面白く、プレイヤーの皆さんの動画や配信でも彼が登場する楽しいシーンがたくさんあります。
また、レイトレーシングを使ったグラフィックにもとても満足しています。ビジュアルは非常に美しく仕上がり、最適化もされています。DLSSなしでレイトレーシングを動かす場合、1920×1080の解像度でRTX 3060 TiまたはRTX 4060が必要です。純粋なハードウェアレイトレーシングを使ったのはこれが初めての経験でした(本作では新しいUnreal Engine 5のLumenシステムではなく、古いUnreal Engine 4を使用しています)。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Ells&Pillsこれまでにいただいた中で最も印象的なフィードバックは、ゲームをクリアするのに丸10時間かけたという方からのものでした。その方は「ようやくPCからこのゲームを削除できるよ」と言い、そして「このゲームが大嫌いで大好きだ」とも言ってくれました。本当に信じられないほどの忍耐力です!
また、本作の最後のメッセージに対して「誰にとっても本当に大切なことです」と感謝のメールもいただき、とても心を打たれました。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Ells&Pills過去2週間で、主な問題点や難点に対処しました。具体的には、椅子の安定性を調整して転倒しにくくしたこと、ゲームを少し分かりやすくし予測しやすくしたこと、そして非常にまれですが厄介なバグをいくつか修正しました。
次に必要なのは、本編クリア後に遊べる追加ゲームモードの実装です。このモードでは、プレイヤーがクリア後に気軽に遊んでストレス解消できるようにします。私たちのユーモラスなアイデアは好評だったので、こちらのような内容を入れる予定です。
全体として、本作はすでに完成しています。エンディングがオープンなので、将来的に続編を出す可能性もありますが、プレイヤーの皆さんに新しく楽しいチャレンジを提供できる良いアイデアを考える時間が必要です。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Ells&Pillsはい、もちろんです。人々が遊び、動画を作り、配信するなどできるように、私たちはこういったちょっと変わったゲームを作っているのです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Ells&Pillsとてもありきたりに聞こえるかもしれませんが、心から大きな感謝を伝えたいです!皆さんがいなければ、私たちのゲーム『Ells Tales: Egg』は成功を収めることはできませんでしたし、本作も同様です。
日本、韓国、中国など、アジアの国々のプレイヤーたちに温かく受け入れていただけたことを、とても嬉しく思っています。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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