
おにぎり、美味しいですよね。炊きたてのご飯に好きな具を入れたり、醤油や味噌を塗って焼きおにぎりにしたり。自分で作るだけでなく、コンビニやスーパーなどはもちろん、最近は専門店も増加傾向であるようです。米の高騰などもありますが、決して失われてほしくない文化だと思います。
Yagni Labは、新作経営シミュレーション『おにぎり屋さんシミュレーター』を、PC(Steam)向けに2025年9月5日リリースしました。プレイヤーは日本の街角にある、おにぎり屋さんの店主となって、お客さんに美味しいおにぎりを提供していきます。
ゲーム内では商品の発注や調理、レジ業務などをこなさなければなりません。店のレベルが上がると鮭や明太子などの具材が増えるだけでなく、飲み物やフライなども扱えるようになり、商売の幅はどんどん広がっていきます。限られたスペースと時間の中で、いかにして効率的な作業を行っていくかが商売のコツです。

本稿では『おにぎり屋さんシミュレーター』のプレイレポートをお届けしていきます!
おにぎり屋の一日が始まる
ゲーム内では最初に新人店主としての基礎を学ぶチュートリアルが始まります。本作はいわゆる経営シミュレーターとしての要素は薄く、初期状態でも店内に炊飯器や冷蔵庫など、最低限の設備は揃っています。チュートリアルでは食材や資材の発注後、届いたお米で実際におにぎりを作ってパッケージングし、開店するまでの流れを体験していきます。
まずは炊飯器に計量用のマスで米を入れ、水を入れて炊飯。炊きあがったご飯をおにぎりの型に入れて整形、そこに海苔を巻けばシンプルな「純米おにぎり」の完成です。完成したおにぎりは専用のパックに詰めることで商品化され、お客さんの要望に応じた商品を紙袋にいれることで販売します。





序盤は一種類しかおにぎりを作ることができないのですが、商売で店舗レベルを上げれば新しい食材を仕入れることができるようになります。おにぎりの具はごま塩や梅、明太子、鮭といった定番どころから、醤油の焼きおにぎりなどがあり、当然ながら具入り/焼きおにぎりの方が販売単価は高めです。
お客さんは最大3種類までオーダーするので、間違えずに提供しなくてはなりません。お客さんのオーダーが調理場でも見られる仕様なのが嬉しく、オーダーから怒るまでの待ち時間もそれなりに長いので、焦らずにしっかりと調理をこなしてお客さんを満足させることが大切です。




閉店後は足りない品の発注や補充などを行っていきましょう。本作は“余った商品は翌日に自動的に廃棄される”仕様で、基本的に掃除が必要ないのも大きな特徴。個人的には店主として持ち帰って食べているということにしています。




炭焼きの鮭が本当に美味しそう
ある程度店舗レベルを上げると七輪を使った料理が解放されます。焼きおにぎりは整形したおにぎりに醤油を塗ってから七輪で焼く必要があり、気をつけなければ焦げてしまいます。ゲーム内では、焼きおにぎりを作れるあたりからオーダー的にも本格的に忙しくなっていく印象です。
さらにレベルが上がれば「鮭おにぎり」も作れるようになります。鮭も七輪で焼く必要があるのですが、この焼き加減がとても美味しそう!焼きおにぎりもそうなのですが、料理を扱うゲームでしっかり美味しそうに見えるのは嬉しい要素ですね。筆者が鮭大好きなのもありますが、これだけでテンションが上がりますね。



ゲームの中盤以降はフライヤーでのフライ・天ぷら調理もできるようになります。揚げ物は完全に工程が別で、揚げ油や専用パックを準備する必要があります。また、油は調理していくと汚れていくので、定期的に入れ替えなければなりませんし、廃棄油は店舗裏のタンクまで運ばなければなりません。
揚げ物は優秀なサイドメニューなだけでなく、えび天ぷらは「天むす」の材料としても使用します。『おにぎり屋さんシミュレーター』では提供メニューの編集ができず、アンロックされた時点でお客さんがオーダーしてくる可能性もあるので、新しい料理ができるようになったら忘れずに材料や資材を発注しましょう。




ワンオペを乗り越える工夫を
『おにぎり屋さんシミュレーター』では従業員を雇うというシステムはなく、すべての作業をワンオペでこなさなければなりません。扱う商品が少なく、まだ店の人気も低い序盤は作業量的に特に問題ないのですが、揚げ物や飲み物も扱う中盤以降はオーダー数も増加するので、かなり忙しくなっていきます。
まず直面するのが「ご飯をどれだけ炊くか」という問題です。1個300円からのおにぎり屋は基本的に薄利多売であり、なるべく廃棄品を減らすことを考えなければなりません。しかし、ご飯を少なめに炊けば品切れの可能性もあり、オーダーをお断りしなければならないことも。当然ですが断ればお店の評価は落ちてしまいます。




ゲーム内での炊飯速度はかなり早いので、足りなくなったらすぐに炊くということもできるのですが、もちろんその間もお客さんはやってきます。店の人気や需要を考えながら適切な調理ラインを見極めることも重要です。手が回らなければお客さんを怒らせるだけでなく、提供できなかった大量のおにぎりが余ってしまう事態も……。



開店前は時間が経過しないので、調理に時間がかかる商品や人気商品は最初に用意しておくこともひとつのテクニックです。本作はワンオペ料理シミュレーターとしての側面が強い印象で、ゲーム中はほとんど料理とサーブで忙しいので、少しでも動線や時短の工夫を見つけ出しましょう。



具材やシステムの拡張があれば嬉しい

本作は7種類のおにぎりと3種類の飲み物、3種類の揚げ物が用意されています。ゲーム的には早い段階で天むす以外のおにぎりの種類は揃い、その後は揚げ物がアンロックされていく形式で、最後には店の人気をアップする「招き猫」が購入できるようになります。
しかし招き猫を買った時点でアンロックが終了してしまうので、目標がほぼなくなってしまいます。招き猫は“たくさん置けば売上がアップ”するという効果があるのですが、現時点ではお金を稼いでも招き猫の数を増やす以外に選択肢がありません。黙々と売上を伸ばしていくのもひとつの楽しみですが、やはり目標は欲しくなってしまいます。



おにぎり屋経営という、せっかくの題材なので欲を言えばもう少しおにぎりで使える具材の種類を増やして欲しいという思いがあります。また、これはゲームデザイン的な意図だとも思うのですが、経営部分の拡張性がほとんどないのも惜しく感じてしまいます。
シンプルな調理・経営シミュレーションとしては十分な面白さであり、店内の調理器具や町中の看板などの「それっぽさ」も楽しめる作品です。ゲーム内では初期費用やお客さんの待ち時間が変わる難易度設定もあるので、よりやり甲斐のある経営もできるのですが……。





『おにぎり屋さんシミュレーター』は、珍しい「おにぎり専門店」を題材にした作品で、ゲームプレイとしては調理と発注に比重が置かれています。色々なおにぎりやフライなどを作り、お客さんに提供していく中で、どれだけ適切な量を仕入れるのか、廃棄品を減らすために迅速な提供と調理を行っていくのかなど、経営面も考えなければなりません。
レベルアップしていくことで作れる料理の種類が増えていき、評判とともに売上もどんどん増加していくのはとても楽しいものです。調理ゲームとしてはシンプルながらしっかりと面白いのですが、わりと早めにアンロック要素が出揃ってしまい、やるべきことがなくなってしまう部分にもったいなさを感じてしまいます。


閉店後にはお馴染みの「蛍の光」が流れたり、町中に色々な日本らしい看板があったりと、その細かなこだわりやデザインはとても印象的です。リリース後すぐに不具合修正のアップデートを行うなど、更新が積極的なのも嬉しい部分。とにかく焼いた鮭が美味しそうなので、こちらは必見ですね!













