「逃げ若」で一躍脚光の北条時行も登場!発売迫る史上最大規模のグランドストラテジー『Europa Universalis V』プレイレポ【TGS2025】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「逃げ若」で一躍脚光の北条時行も登場!発売迫る史上最大規模のグランドストラテジー『Europa Universalis V』プレイレポ【TGS2025】

2025年11月5日に発売が迫るグランドストラテジーシリーズ最新作『Europa Universalis V』のプレイレポをお届けします。

連載・特集 プレイレポート
『Europa Universalis V』
  • 『Europa Universalis V』
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2025年11月5日発売予定のグランドストラテジーゲーム『Europa Universalis V』。全世界を舞台とし、中世後期から近代初頭までの約500年間を描くシリーズ最新作です。前作『Europa Universalis IV』が発売されたのは2013年。シリーズファンにとっては実に12年ぶりとなる待望の新作です。

本作は非常に野心的な作品として開発が進められています。史実に基づく膨大なデータが収められているだけでなく、同社の『Crusader Kings III』や『Victoria 3』といった作品のシステムを積極的に取り入れ、これまでの集大成とも言うべき作品に仕上がっています。

約1ヶ月後の発売に向けて、いやが上にも期待が高まる本作。今回「東京ゲームショウ2025」の会場で試遊する機会を得ましたので、簡単なプレイレポートをお届けします。今回のプレイでは、コンテンツの充実度が分かりやすい地域ということで、土地勘のある日本を中心にチェックしました。

緻密に再現された南北朝時代の日本に驚嘆

本作の開始年代は中世後期の1337年。ヨーロッパで黒死病が流行する少し前にあたります。この頃、日本では鎌倉幕府が滅亡。まさに南北朝時代が幕を開けたところです。南北朝時代については、漫画やアニメが人気の「逃げ上手の若君」でご存じの方も多いのではないでしょうか。

ゲーム開始時に選択できる「おすすめ国家」はオスマンやカスティーリャなどヨーロッパ周辺の国に限られます。しかし、本作でプレイできるのは当時の世界に存在したあらゆる国家。ヨーロッパ以外の国家も自由に選択可能です。

選択可能な国家の中には日本も含まれています。一見すると、マップ上には足利幕府しか存在しないように見えますが、設定を変えると日本各地の勢力が出現し、プレイ国家として選択できるようになります。後醍醐天皇率いる南朝でプレイすることすら可能でした。ただし、開発者によれば、小規模勢力によるプレイは難易度が高く、上級者向けとのことです。

「逃げ上手の若君」こと北条時行は独立勢力でこそありませんが、南朝の一員としてしっかりゲームに登場していました。

「逃げ若」の面影はないが、紛れもなく北条時行その人。発売後に見た目を変更するModが登場するかも?

驚いたのは、その設定の細かさです。父親として北条高時が設定されているだけでなく、初代執権まで辿れる北条家の家系図までもが収録されていました。人物データに関しては『Crusader Kings III』に匹敵すると言っても過言ではありません。

歴史上の人物がここまで細かく設定されている本作ですが、プレイヤーが操作するのは特定の人物や一族ではなく、「国家の意志」とでも呼ぶべきものです。戦争や反乱で現在の統治者やその一族が滅びたとしても、プレイヤーは同じ国家を引き継いでプレイを続けることになります。

日本のマップもこれまでのどのシリーズ作品より詳細で、いったいどうやって調べたのかと不思議に思うほど当時の地名が事細かに設定されていました。

房総半島南部の「安房」が「阿波」と表記されているなど、怪しい部分も存在する。

それ以外の要素、例えば宗教上の「聖地」も想像を超える豊富さで、日本の聖地のリストは数画面では収まらないほどです。

日本語ローカライズの不安も払拭

ここまで本作の優れた要素を中心に紹介してきましたが、現在のバージョンは日本語の翻訳に不自然な部分があることにお気づきの方がいるかもしれません。例えば、一部のテキストは不自然な場所で唐突に改行されています。

1行目を見ると、作品名の途中で唐突に改行されている。日本語と外国語では改行の扱いが異なるためだ。

これは日本語ローカライズによくある問題で、空白のある場所で改行する外国語と、そうでない日本語の違いが原因です。同席した開発者にそれを説明したところ、この問題はすでに把握しており、すでに修正を始めているとの回答が返ってきました。

また、日付に「月」の文字が2個重なって表示されている問題についても指摘したところ、その場で画面写真を撮影し、すぐに担当者に連絡するので問題ないと請け合ってくれました。

中央上部の日付をよく見ると、「月」の文字が重なって「4月月」と表示されている。

実は、この「月月」問題は過去に別作品の有志翻訳で苦労した経験があったのですが、この開発者は日本語ローカライズで起きる問題に詳しく、即座に原因を言い当ててしまいました。日本語にも堪能な人物だったので、現在ローカライズに不安がある箇所もいずれ修正されるのではないかと筆者は楽観視しています。


『Europa Universalis V』はPC(Steam)向けに2025年11月5日発売予定です。

ライター:FUN,編集:Akira Horie》

ライター/遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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