2025年9月25日から28日まで千葉・幕張メッセで開催された、世界有数の規模を誇るゲームイベント「東京ゲームショウ2025」。出展社数・出展小間数ともに東京ゲームショウ史上最大級の規模となる会場内では、さまざまな展示やイベントで大いに賑わっていました。
ポーランドのゲーム開発スタジオPixelated Milkのブースでは、2026年Q1にPC(Steam/GOG.com)向けにリリース予定のRPG『SacriFire』が展示されていました。
本作は『ベイグラントストーリー』『ゼノギアス』などの作品にインスパイアされたJRPG作品。神と悪魔が争う世界の中で司祭となった主人公・エゼキエルが、仲間とともに壮大な冒険を繰り広げる中で、信仰の揺らぎについて直面するストーリーが展開されていくようです。
ピクセルアートと3Dが融合したグラフィック、リアルタイムとターン制の要素を併せ持つ戦闘などが大きな特徴。また、本作のBGMには『ヴァルキリープロファイル』『テイルズ』シリーズなど、数々の名曲を生み出した桜庭統氏が参加しています。本稿では『SacriFire』ブースレポート&インタビューをお届けします!
ピクセル&3Dアートが美しい!
今回の試遊ではゲームの冒頭部をプレイすることができました。物語は主人公・エゼキエルが正式な司祭となるための儀式を受ける教会のシーンから始まり、仲間との会話やマップの移動など、いくつかの場面を体験することができました。
なにより心惹かれるのはそのグラフィックで、背景はもちろん、マップ内のNPCの挙動や雰囲気も緻密に描かれています。90年代の日本のRPGを意識しているという通り、移動や会話などはオーソドックスなスタイルで、日本語にも対応しているので、とても遊びやすいゲームという印象です。

残念ながら特徴のある戦闘シーンまではたどり着かなかったのですが、導入部ではしっかりした世界観の説明、キャラクターたちの個性が見える会話シーンが展開されました。公開されているトレイラーでは、本作の美しいグラフィックで登場するインパクト抜群の敵との戦闘も紹介されているので、こちらも要チェックです!
『SacriFire』は“ヒーローもの”ではない

今回ブースでインタビューに応じてくれたのは、同社のマーケティング担当のKrzysztof Paplinski氏。同社が過去にリリースしてきた『Regalia: Of Men and Monarchs』では『ファイナルファンタジータクティクス』にインスパイアされているなど、日本のゲームへの深い想いも語っていただきました。
――まずデベロッパーPixelated Milkと『SacriFire』について教えて下さい。
Krzysztof Paplinski氏(以下Paplinski氏):Pixelated Milkはポーランドのワルシャワを拠点とする小規模デベロッパーです。『SacriFire』はスタジオの3作目の作品で、これまで『Regalia: Of Men and Monarchs』『WARSAW』というゲームをリリースしています。
『SacriFire』は設立およそ10年になる同社の中でも、かなりスケールの大きい作品です。手書きのピクセルアートと3Dを融合させた2.5Dグラフィックも大きな特徴で、さまざまな点で伝統的なスタイルと最新技術を組み合わせたゲームを目指しています。
ストーリーとしては主人公のエゼキエルが、正式な司祭となるためのアセンションの最中にトラブルが発生します。そこからエゼキエルは“なんのために戦っているのか”、“信仰しているものは正しいのか”など、悩みながら冒険と戦いを進めていくことになります。

――リアルタイムとターン制の要素を持つ特徴的な戦闘について教えて下さい。
Paplinski氏:まず基本的なルールなのですが、戦闘では自分が移動すると、相手も移動するというものがあります。自分が動かない限りは敵も攻撃してこないので、じっくりと考えながら戦術を練ることもできます。
この戦闘システムはおよそ2年かけて練り上げてきたものです。行動にはポイントが必要になるので、回避に専念するような戦い方を目指したり、従来通りに攻撃や魔法を駆使したり、自分のスタイルを目指すこともできます。また、行動を開始したあとはコンボを発生させることもできますよ。

――先程の紹介やSteamストアページでの説明で主人公の悩みを感じさせる内容になりそうです。ストーリーのポイントを教えて下さい。
Paplinski氏:あまり話すと少しネタバレになってしまうかも知れませんね(笑)
最初にお伝えしたいこととして『SacriFire』は、典型的な“ヒーロー物語”ではないということがあります。単純にヒーローが強くなって正義の味方として活躍する、という物語にはならないかも知れませんね。
――ストーリー的な分岐はあるのでしょうか?
Paplinski氏:いえ、ストーリーの分岐やマルチエンディングなどはなく、一本のストーリーを楽しんでもらう作品です。

――桜庭統氏の起用には驚きましたが、どのようなオファーがあったのでしょうか?
Paplinski氏:『Regalia: Of Men and Monarchs』でBGMを依頼したG4F Recordsに今回もお願いしたんです。そこで弊社の社長が「絶対に桜庭統氏を起用したい!」というリクエストをして実現しました。
――近年は海外製の「JRPG」というジャンルが定着化しつつありますね。
Paplinski氏:海外では元々日本のRPGにインスパイアされた作品としてJRPGという名称を使うことが増えていますね。我々も日本製じゃないのに「J」RPGと呼んでいいのかな、という思いはあります。
ただ弊社のあるポーランドでRPGといえば『ウィッチャー』があるので、ジャンルとしての意味合いが強すぎるんです(笑)。なので『SacriFire』のようなスタイルのゲームはJRPGジャンルとして紹介できればと思います。

――『SacriFire』リリースまでの展開や計画を教えて下さい。体験版なども配信する予定でしょうか?
Paplinski氏:2025年内にプレイテストの実施や体験版の配信を実施する予定です。細かい時期などはまだ明かせませんが、是非とも今後の発表をお待ち下さい。
――日本語対応していることで、日本からも注目されていると思います。最後に読者の方へのメッセージをお願いします!
Paplinski氏:『SacriFire』は、これまで日本のRPGやさまざまなJRPG作品をプレイした人はもちろん、未体験の人でもきっと満足できるような作品になっていると思います。
2025年に配信予定の体験版だけでなく、今後もPVや新情報を続々発表していく予定なので、日本の皆様も楽しみにお待ち下さい!

『SacriFire』はPC(Steam/GOG.com)向けに2026年Q1リリース予定。その後はPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けの展開も予定しています。












