2025年12月2日、スティングはSteamで早期アクセス中のボードゲーム型RPG『Viractal(ヴィラクタル)』について、「悪魔のささやきキャンペーン」と称して50%オフのセールを行うことを発表しました。
公式ではマルチプレイが推されていますが……ソロプレイでも出来の良いデッキ構築型ローグライク+ボードゲームです


まずは本作の背景を説明しましょう。見知らぬ部屋で目覚めたプレイヤー。そこには「ゲームマスター」を自称する不思議なポスターと、「ヴィラクタル」と呼ばれるボードゲームが置かれていました。このゲームは3つのコマを動かして、規定期間内にクエストを達成することが目的のボードゲームです。1人で3つのコマを動かしてもいいし、3人が1人1つずつコマを担当してもいい。オンライン・オフラインプレイでワイワイ言いながら遊ぶなり、ソロでじっくり遊ぶなり、どちらの遊び方にも本作は対応しています。

本記事では、1人プレイでコマ3つを使用するソロプレイの様子をメインで紹介します。なお、ソロプレイでも扱うコマ1つ・2つでのプレイは可能ですが、本ゲームの難易度は3つのコマが協力するプレイが前提となっているため、ソロでコマ1つ・2つのプレイは推奨できません。大人しく3つ使いましょう。

初期状態では、勇者・戦士・魔法使いの3つのコマが用意されています。この3人で、ゲームマスターが用意するクエストに挑みましょう。


ゲームボードに現れるのは、巨大なドラゴンが鎮座した広大なジオラマ。ここがキャラクターたちの冒険の舞台です。なお、生成されるマップは毎ゲームごとに変わります。


毎ターン開始時にダイスを振り、各コマがそのターンに移動できるマス目が決定します。なお移動ダイスは1~2といった極端に低い目は基本的に出ないようになっており、移動でストレスを感じることはほぼありません。

ボード上には宝箱やキャラクターのステータスを向上させる石碑などが置かれており、そのマスに足を踏み入れたコマを強化します。マルチプレイでは奪い合いになるかもしれませんが、ソロプレイではうまくバランスを取って回収していきましょう。


マップ上の敵シンボルと接触すると戦闘になります。戦闘の際にはマップ上のコマの位置がどれだけ離れていようと、すべてのコマが戦闘に参加します。本作における戦闘は各種デッキ構築型ローグライクに近いものになっており、各キャラクターの行動順が来るたびに3枚の手札から1枚を使用し、敵を攻撃したりシールドで身を守ったりします。

カードによっては上部に必要なコストが明記されていることがあります。これは戦闘中画面右下に溜まっていく「ウィル」シンボルのコストが必要なカードで、全4種のウィルはカードの使用により溜まっていきます(最大8個まで保持、それ以上溜まると古いものから削除)。ウィルの蓄積はすべてのコマで共通のリソースなので、強力なカードの発動に必要なコストをどう溜めるか(例えば他のコマで使うウィルを考えてスキルを使っていくか、あるいは自分のことだけ考えてウィルを使っていくか)はマルチプレイでも、ソロプレイでも重要になります。


戦闘が終了し、レベルアップするとコマごとのデッキに新たなカードを3択から追加します。デッキ構築型ローグライクではもはやお馴染みの光景ですが、ここでも他のコマとの連携を意識したカードをピックしていくか、それとも自分の操るコマのデッキを強化することを重視してカードをピックするかはプレイヤーの判断に任されています。


本作には「ゲームマスター」がいる……と冒頭で説明した通り、町や村ではさまざまなNPCからクエストを依頼されることがあります。こうしたサブクエストはテーブルトークRPG風味でもあり、実に楽しいです。

サブクエストの敵たちは強力で、時にはやられてしまうこともあるかもしれませんが、ステージボス戦までの日数を消費することで復活して戦闘を継続できます。但し日数を消費した分、ダイスを回して宝箱を得たり戦闘を重ねたりで成長する機会を失っている点にはご注意を。


そしてステージの制限日数が経過すると、いよいよステージボスのドラゴンがその姿を現します!ドラゴンは非常に強力で、生半可な強化では勝てません。HPを削れば削るほど強力な攻撃を繰り出してくるようになるので、各コマの所持アイテムやデッキ内容がしっかりした対策が取れているかが重要となります。


今回の冒険ではHPを100以下まで削ったものの、ドラゴンに勝利することはできませんでした。しかしながら冒険で得た「ソウル」は蓄積され、そのソウルを使って新キャラクターや特殊イベントマスをアンロックして以降の冒険を有利にすることはできます。冒険の蓄積は、決して無駄になることはないのです。

……とまあ、こんな具合で紹介してきた本作。公式がマルチプレイとすごろく要素を推しているため、気付いていない人も多いかと思いますが、本作は「ソロプレイ向けデッキ構築型ローグライク+ストラテジー」としても、かなり高い完成度を誇ります。
ただデッキ構築型ローグライクとしての欠点としては、1プレイに2時間ほどかかってしまう点でしょうか。1プレイが長いので他のデッキ構築型ローグライクのように空いた時間に1プレイ……というのは難しいです。

なおオンラインマルチプレイではこっそり他のプレイヤーの確率をいじって不利にすることにより自分の報酬が増えるという「悪魔のささやき」機能が実装されており、これが今回の割引キャンペーンの由来とのことです。
『ヴィラクタル』は、PC(Steam)にて1,980円(12月9日まで990円)で早期アクセス中です。無料デモ版も用意されています。











