個人サークル是々然々は、『柘榴団地』をPC(Steam / BOOTH)向けに2025年12月11日にリリースしました。本記事では、プレイレポートをお届けします。

本作にはセンシティブな表現が多く登場します。苦手な方はご注意ください。
10日間に渡る不気味なアパートでの労働
アパートの日勤警備員の求人情報を見つけた主人公「玄岩」は柘榴団地と呼ばれる団地にて働くことになります。勤務時間は8時~18時、契約期間は10日間。この仕事には4つのルールがあります。1.住人には必ず挨拶すること。2.来客には必ず来客リストに本名を記載してもらうこと。3.15時には必ずアパート内を巡回すること。4.白装束の女には絶対に声をかけないこと。これらのルールを守りながら住民との交流を深めたり、警備員として従事します。
業務内容は至極単純。来客対応、トラブルの問い合わせ、巡回と監視です。アパートを訪れた来客にリストへ本名を記載してもらったり、監視カメラを確認しトラブルの対応などに追われます。



個性豊かな住民や来客たち
アパートに住まう住民たちも個性抜群。仲睦まじい親子や、柔和な笑みが親しみやすい青年、明らかに人間ではない住民もちらほらといます。住民もそれ以外のキャラクターたちも非常に良質な立ち絵が用意されており、きっとあなたの好きなキャラクターもいるはずです。時折起きるイベントスチルもとても作りこまれていて、作者の“癖”を感じます。




それぞれの住民は秘密や闇を抱えており、業務を通じて会話を交わすことで見えてくる事実もあるでしょう。
業務規則では住民とのコミュニケーションを取ることを控えるようにされているので、勤労態度を評価されたいのであれば真面目に業務をこなすこともまた一つの方法かもしれません。
本作は全13種類のマルチエンドに対応しており、画面左下に表示されているポイントなどによって分岐します。住民の悩みに対応したり親身になって交流を重ねることで上昇する「救済」、管理会社の指示に忠実に従い、マニュアル通りに仕事を進めることで上昇する「秩序」、そして人ならざる者たちの機嫌を損ねたりすることで上昇する「霊障」の3つの項目が存在します。霊障の数値は画面の表示にも影響を与え、高くなりすぎると視界にノイズがかかったり、ゲームオーバーになってしまうこともあります。

筆者は執筆時点で1つのエンディングにしか到達できていませんが、他のエンドも非常に気になります。白装束の女の正体やこの団地に潜む謎に迫ることが真エンディングへ到達するきっかけになるのではないでしょうか。
リリース直後なこともあり、進行不能にはならないもののキャラクター立ち絵が出続けるバグなども発生した点には注意が必要です。今後のアップデートによる修正を待ちましょう。
総評としては、非常にクオリティの高いテキストと魅力的なキャラクターが登場するとてもオススメのホラーアドベンチャーとなっています。冒頭に述べた通り、センシティブな内容が多く含まれるので万人受けする作品ではないかもしれませんが、筆者としては2025年リリースのゲームの中でも5本の指に入る作品だと感じました。











