
昨今、1つのゲームタイトルをジャンル分けする際、分類の仕方は非常に多様化してきています。例えば『VALORANT』であれば、単なる「FPS」だけでなく、「爆破系FPS」「ヒーローシューター」「タクティカルシューター」「e-sportsゲーム」等、人によって様々な呼び方をしています。当記事の本題となるアリーナ系FPSも、上記と同じように細分化されたゲームのジャンルの1つです。
筆者は1vs1のゲームモードを中心に、2017年頃まで『Quake Live』をプレイ。『Quake Champions』では2020年~2024年に行われた「QCJP 年末調整王決定戦」にて、5年連続優勝を果たしました。
この記事では、昔から存在しているアリーナ系FPSというジャンルのざっくりとした定義と、他の対戦FPSとの違い、アリーナ系ならではの魅力、筆者がおすすめできるアリーナ系FPSタイトル等をご紹介します。

そもそもアリーナ系FPSってなに?
アリーナ系FPSの代表作といえば、『Quake』シリーズや『Unreal Tournament』シリーズを指すことが多いです。英語圏では“ArenaFPS”や“AFPS”と呼ばれているため、この記事では便宜上、アリーナ系FPSを以下“AFPS”と呼びます。
Arenaは日本語で「闘技場」を意味するので、AFPSと言われたら狭い闘技場で戦う光景をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。ゲームが開始すると、プレイヤー達は狭く入り組んだ闘技場のようなマップに放り込まれます。
ゲームのルールは「制限時間内により多くの他プレイヤーを倒すこと」という単純明快なものです。しかし、開始と同時に他プレイヤーとの戦闘に向かうのは得策ではありません。なぜなら多くの場合、プレイヤーが所持している初期武器は非常に非力な武器だからです。
そのため、戦闘前の準備として、マップに予め配置されてある強力な武器、弾薬、アーマー等を確保して態勢を整えるといったフェーズをとることが賢いでしょう。準備が整ったら早速他プレイヤーをキルしに向かいます。強力な武器とアーマーをもってして行う戦闘は、端から見れば「戦い」というよりも「一方的な殺戮」に近いかもしれません。

他のFPSとどう違うの? AFPS独自の魅力って?
AFPSの大きな特徴として、プレイヤーは殺されても即座に復活できる、という点が挙げられます。爆破系FPSであれば、殺されればラウンド終了時まで観戦して待つ必要があり、バトロワ系FPSであれば、味方が蘇生してくれるのを待つか、あるいはゲーム自体を抜けて次の試合のマッチングを待たなければいけません。
この点を鑑みると、AFPSでは「敵と遭遇して撃ち合い、倒されてしまったら直ちにマップ内のどこかにリスポーンし、敵と再遭遇して撃ち合う」というようなルーティーンとなっています。そういった短いスパンで発生し続ける銃撃戦により、プレイヤーはたとえ撃ち負けたとしても、シューターの大本の醍醐味ともいえる「敵を狙って撃つ」ことの快楽性を他FPSよりも存分に味わうことができるのです。
2つ目の特徴として、AFPSではプレイヤーが多数の武器を扱えます。例えば『Apex Legends』では武器の所持は2丁までしか不可能ですが、例えば『Quake』シリーズの最新作である『Quake Champions』では同時に8種類の武器の所持が可能。武器はそれぞれユニークな性能を持っており、近距離特化のショットガンとロケットランチャー、遠距離特化のレールガン、といった具合に個性があります。
そのため、「敵を見つけたらマシンガンを連射しながら接近し、十分近づいてからロケットランチャーに持ち替えて爆殺する」といったアグレッシブなプレイスタイルが確立できます。もちろん遠距離からチクチクする戦い方が好きなら、弾薬が持つ限りレールガンだけを撃ち続けてキルを取ることもできます。

また、AFPSにありがちな特徴として、世界観がどことなくSFチックであることが挙げられます。扱える銃器も、「プラズマガン」や「レールガン」等、近未来らしい雰囲気が漂っています。
Time to Kill(TTK)のおはなし
後述することは人によって好みが分かれる部分だと思いますが、『Quake』等のAFPSでは基本的に、Time to Kill(撃ち合いが始まってから決着が着くまでの時間)が長いです。対して、『CS2』や『VALORANT』といったゲームでは、Time to Kill(以下TTK)が非常に短く設定されています。そのためこれらのタイトルでは、時折次のような事象が起こります。
接敵したが、敵プレイヤーの初撃があまりに速く一瞬で頭を撃ち抜かれてしまい、こちらは一発も撃ち返せることなく死亡
味方の位置を把握するためほんの一瞬ミニマップを見た刹那に接敵してしまい、反応速度が遅れて頭を撃ち抜かれ即死
味方の報告VCに気をとられている内に接敵してしまい、コンマ1秒単位で反応が遅れただけで撃ち抜かれて死亡

上記の状況は、プレイヤー自身の能力や、ミスによって引き起こされたものだと言われてしまえばそれまでですが、特にカジュアルに対戦FPSを遊んでいる層にとっては、時に理不尽に思えたりしないでしょうか。対して、TTKが長めに設定されているAFPSでは上述のようなシチュエーションは起こりにくく、思いがけないタイミングで奇襲をかけられたとしても、反撃する余裕は十分に与えられます。また、戦った結果倒されてしまったとしても、イコール負けではありません。
接敵して撃ち合った結果、敵に大ダメージを与えたがそれでも倒されてしまった。
即座にマップ内にリスポーンし、先ほどダメージを与えた敵を探し走り回る。
敵が回復しきる前に見つけ出し、再度撃ち合いが発生し、結果的に倒し切ることができた。
このように、長めのTTKに死んでも即復活できるシステムが融合し、キルの取得に繋がりやすいのです。AFPSでは、上述のように「転んでもただでは起きない」精神が重要です。

具体的にどのタイトルがオススメ?何人くらいいれば遊べるの?
AFPSでは、おなじみのデスマッチモードの他に、1対1で遊べるDuelモードが用意されていることが多いです。よって、想定されるプレイヤー人数は2~8人程度となります。また、不足した人数分を埋めるためにBOT機能が用意されているタイトルも数多くあります。
『Quake Champions』は、『Quake』シリーズの最新作にあたり、Steamにて基本プレイ無料で配信中です。プレイヤーは個性ある16種類のキャラクターから1体を選択しプレイが可能。伝統的なデスマッチ、チームデスマッチモードに加え、10種類以上のゲームモードが実装されています。BOT機能も完備。
『Reflex Arena』は、定価980円でSteamにて配信中。バニーホップを主体としたスピーディな戦闘が特徴的です。『Quake』シリーズから継承されたMAPや武器があり、Steamのワークショップ文化も盛んです。
『STRAFTAT』は、Steamで基本プレイ無料で配信中。膨大な数のMAPが存在し、スライディングや壁蹴りを実装しています。使用可能な武器は銃、ロケットランチャー、近接武器、地雷など多彩。AFPSとしてはTTKが短いのも特徴です。
『HYPER DEMON PVP』は、Steamにて無料でプレイ可能です。1対1のゲームモードのみが存在し、マップもたった1つで、これまでのAFPSとは一線を画した戦闘ができます。プレイヤー同士が常に向き合った状態で戦闘を行い、射撃、シールド、ダッシュを駆使して戦い抜きます。ネットコードが比較的優秀で、Pingが高い環境でもある程度快適なプレイができます。

『Quake』等のAFPSタイトルを遊んでみたいけど、「なんとなく難しそう……」「FPS上級者ばかりが遊んでる」といったイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、BOT機能が実装されているタイトルも豊富で、BOTと遊んだり、仲の良いフレンドと一緒に遊んでみると、案外楽しいものですよ。












