
筆者はアクワイアの手がける『侍』シリーズが大好きです。これまでGame*Sparkでもほぼすべてのシリーズ作品を紹介しており、特に2025年6月に『侍道3』『侍道4』Steam版の日本語サポートが行われた際には、両作の紹介記事だけでなく『侍道2』の魅力を伝えつつ、全シリーズ作品の移植を切望する記事を執筆しました。
本記事では『侍道2』の記事末尾でも取り上げている、2005年1月1日に発売されたプレイステーション2向けアクションゲーム『サムライウエスタン 活劇侍道』の魅力を紹介していきたいと思います!





サムライ、西部劇の時代に現る
『サムライウエスタン 活劇侍道』の舞台となるのは19世紀のアメリカ西部。ゴールドラッシュの狂騒が一段落して大陸横断鉄道が開設した時代、今では荒くれ者たちが支配しているかつての開拓の地に、ひとりの侍が訪れるところから物語は始まります。
彼の名前は桐生豪次郎。刀一本で複数のガンマンにも勝利できるほどの剣の達人であり、侍の“心”を捨ててアメリカに渡った兄・乱堂を倒すために単身渡米した豪次郎は、恐怖の支配者・ゴールドバーグによって支配されている町でのさまざまな人々との出会いや戦いを通じて、自身の“侍道”の物語を体験していきます。




本作品はシリーズの中でもナンバリングではない外伝的な立ち位置の作品であり、アクション要素に特化しているのが大きな特徴。マップを自由に移動していくアドベンチャー要素はなく、各ステージごとに敵を倒すなどの目的を達成していくスタイルで、ステージとともにストーリーも進行していきます。
もちろん『侍道』シリーズの刀や装飾品などの蒐集要素も満載で、敵を倒した際にドロップするコインを集めることで刀を強化可能。クリア後には新たなモードも登場し、やりこみ要素も満載です。



弾を避け、弾き返し、全てを斬るサムライ


各ステージではマップ内を移動しながら、次々と登場する敵を倒していくのが目的です。敵は拳銃やマシンガン、ショットガンなどを操るガンマンや、ナイフや爆弾を使ってくる相手なども登場し、豪次郎の前に立ちはだかります。飛び交う銃弾の中で生き残るためには、侍としての神技とも言える刀使いが重要です。

豪次郎はスライド移動する「かわし」、刀で受け止める「弾き」で敵の銃弾を避けることができるほか、タイミング良く銃弾を斬ることで相手に「打ち返し」することができます。さらに、敵の攻撃があたる直前に「かわし」をすることで、素早い移動と強力な攻撃を出す「かすり」などのテクニックも使用可能です。

そしてゲージを貯めて発動する必殺の「達人の境地」では、一定時間無敵状態になるだけでなく、雑魚敵を一撃で倒すことができます。発動中は敵の位置に自動的に移動する専用の斬りアクションとなり、タイミング良くボタンを押すことでゲージを回復しながら次々と斬っていきます。
「達人の境地」は雑魚敵を一気に倒せるだけでなく、無敵を活かしてボス戦で有利に立ち回ることもできます。また、ステージ内で敵を倒せば体力回復や達人ゲージ回復、移動速度アップなどのアイテムもドロップします。基本的に敵は大勢いますし、銃は当然強いので、体力回復しなければ簡単に倒されてしまいますよ。





ゲームの操作に慣れ、豪次郎や刀のレベルやステータスが上がってくれば、銃弾をかいくぐりバッサバッサと切り倒す豪快無比なアクションも不可能ではありません。ただしボスはそれぞれ固有のアクションなどもあり、ある程度攻略方法を探していく必要もあります。





やりこみ要素もたっぷり!こだわり装備を見つけよう
ゲーム内で入手できる刀には、上段や下段、居合などの構えが設定されています。構えによって強力な溜め攻撃の性能が異なるほか、一部の構えは戦闘システムも少し異なります。筆者は2段ジャンプが可能になる片手構えの武器を愛用しますが、どの武器もそれぞれの個性と強みがあります。
装飾品は頭や背中などに付けられるもので、お面や番傘などの和風のものから、南国っぽい鳥や棺桶、西部劇らしい帽子や縄など多彩なものが用意されています。装備時は角度や場所などもカスタムできるほか、裏技で大きくすることも可能。もちろんムービーでも見た目が変わります。





装備品はステージでハイスコアを出したり、侍レベルをアップさせることで入手可能。本編をクリアすれば新たな難易度ハードがアンロックされます。また、各ステージで特殊ルールを導入する「ORE-RULE(俺ルール)」などもあり、特定の条件を満たせば隠しステージも登場し、さらなる装備品も入手できます。
お気に入りの刀を見つけたら、ひたすら敵を倒してコインを集めて強化すれば最強の愛刀の誕生です。難易度が低くてもコインは出現しますし、比較的狭いマップで大量の敵が登場するステージもありますよ。ステータスが攻略難易度にある程度直結するゲームでもあるので、どんどん己を鍛えていきましょう。




そしてシリーズおなじみとも言えるキャラ変更もあります。ゲーム内では「手配書」を入手すれば作中のキャラで遊べますし、なんと『侍』『侍道2』のディスクを読み込ませることで、両作のキャラクターも使えるのです!もちろんチンピラもいるので、チンピラがアメリカで大暴れもできますよ。






西部の侍の生き様を見よ!
西部開拓時代で刀一本で戦い抜くという、刀vs銃というアクションを存分に楽しめる本作。アクションとしてだけでなく、アメリカ西部に突如として現れたサムライ・豪次郎を取り巻く個性豊かなキャラクターたちの物語も必見です。
寡黙ながら侍としての矜持を貫き通す豪次郎と、刀を捨てた兄・乱堂の間にある確執。豪次郎にアドバイスする謎めいたガンマン・ラルフ、そして荒れ果てた町で孤児院を経営するアンネ、うっかり者ながら正義感の強い保安官・ドナルドなどの協力者だけでなく、敵対するゴールドバーグの部下も曲者揃いです。




各ステージ前には、それらのキャラクターたちのモノローグと会話シーンが入るほか、ボス戦やイベント戦前にもカットシーンが入って物語を盛り上げます。「義」によって動く豪次郎は、困っている人々を助け、外道を成敗し、まさしく侍としての“生き様”を魅せていくのです。
物語の後半では敵の拠点にサムライが単身乗り込む“お約束”のシーンも。ゲーム内では、豪次郎と乱堂以外のキャラクターは英語圏のキャストを採用していて、ネイティブな英会話が展開されます。豪次郎も必要な時は英語で喋りますが、己の矜持を見せつける場面では日本語。細かいながら嬉しい演出ですね!





そして本作のBGMは必聴です!口笛が印象的なメインテーマをはじめ、ステージ内やリザルトなども名曲揃いで、特にラスボス戦で流れるBGMはシリーズファンなら絶対に心が震えるでしょう。




ちなみに保安官のドナルドはアフロヘアーで、どこかで見たような顔付きをしています。これももちろん、ファン向けの嬉しい要素ですね。






『サムライウエスタン 活劇侍道』はシリーズ外伝的な作品であり、従来の自由に行動するタイプのアクションアドベンチャーではなくアクション性に特化しています。ひとりの侍が異国で銃を相手に戦うというコンセプトとアクションは実にわかりやすく、映画のような“お約束”を詰め込んだストーリーもとても魅力的です。
一方でゲームとしての難易度は少し高く、回避アクションに慣れるまでは「ノーマル」の難易度でも簡単に倒されてしまいます。また、一部の複雑な構造のマップでは、爆弾使いやスナイパーなどの敵からこちらの対処できない位置から一方的に攻撃されることもあります。スコアはダメージ量でマイナスがあるので、理不尽に感じられる場面も少なくありません。


もちろん刀を活かしたアクションは爽快なもので、敵を一気に倒す「達人の境地」などのシステムも用意されています。ステータス強化やアイテム蒐集などのやりこみ要素もあり、それぞれの要素は複雑でないので、じっくりプレイすればどんどん遊びやすくなるゲームです。『侍』『侍道2』とあわせてこちらも移植されればいいなあと願います。BGMを聞いて欲しい……!

※UPDATE(2026/1/3 19:19):記事初出時、見出しにてPS3と対応ハードを編集部側で誤って記載しておりました。お詫び申し上げます。


















