1984年、Atariよりアーケードゲーム『マーブルマッドネス』が発売されました。ビー玉を転がして目的地へと進むゲームであり、筐体にくっついたトラックボールを急いで動かし、独特な慣性を制御しなければならず、なかなかユニークな作品です。なお、のちにPlayStationを成功に導くことになる天才マーク・サーニーが作っています。
そんな『マーブルマッドネス』に強い影響を受けたインディーゲームが登場しました。その名も『Marble's Marbles』。レトロな名作とほぼ同じプレイフィールではありますが、独自の解釈や調整が加わったレベルデザインは必見です。

慎重かつ大胆に……ビー玉を転がせ!
本作は『マーブルマッドネス』とほぼ同じく、クォータービューのマップで出口までボールを転がすことが目的のゲームです。ボールが物陰に隠れたときにカメラを90度傾ける以外は、コントローラーの左スティックしか使わないため、誰でもすぐ遊ぶことができるでしょう。

本作を開発したJames Oliverは、前作『Mighty Marbles』でもビー玉を転がすデザインのゲームを制作しましたが、本作ではグラフィックスタイルを一新して、より『マーブルマッドネス』に近い雰囲気になっています(『Mighty Marbles』のほうは台そのものを動かしてビー玉を運ぶオモチャみたいなデザインのゲームでした)。
そのため、プレイフィールもかなり近く、オマージュ的な位置付けの作品ではありますが、ステージギミックなどを始め、細かい点で元ネタとは差別化を図っています。
まずゲームは4つのワールドで構成されています。神聖なモニュメントが乱立する遺跡『SKY TEMPLE』、昔懐かしの土管がある『8 BIT HEIGHTS』、おどろおどろしい雰囲気の暗い坑道『THE DARK DUNGEON』、ピンボールを模した楽しいワールド『PINBALL PLAYFIELDS』です。

これらのワールドには5つのレベルがあります(『PINBALL PLAYFIELDS』のラスト2面だけ通常プレイではアンロックされなかったので、なにかシークレットがあるかもしれません)。
レベルにはアワーグラス(砂時計)が収集物として置かれており、取ることで制限時間がプラスされます。クリア時はアワーグラスの取得状況、落下(死亡)回数、制限時間を加味され、金銀銅の星が付与されます。すべて金を取るのはなかなかハードで、やりごたえがあります。特に落下ゼロが難しい!

ワールドやレベルごとに用意されている仕掛けはどれも面白く、デザインセンスが光ります。傾くブロックや動く床はもちろんのこと、回転する歯車、制限時間内に通らないといけない壁、近づくと吹き飛ばされるエアーなど、一見してわかるけれど面白い仕掛けが盛りだくさんです。

『コロコロカービィ』や『スーパーモンキーボール』で見たようなものもあり(開発者が直接影響を受けたかはわかりませんが)さまざまなジャンルの作品から拾ってきているように感じました。
それでいながら、あまりに難しいギミックはなく、集中して練習すれば高評価を取ることができる程度に抑えられているのも良かったです。

サウンドやグラフィックもちょうどよく、レトロ感と現代風を良い塩梅でミックスしています。特に落下時に男の声で「ワァーッ」と叫ぶのがなんとも気が抜けててたまりません。
レベルをクリアするごとにマーブルが増えていくのも楽しく、決して派手ではないけれど奥ゆかしいレトロゲーム的な感動がちゃんと担保されています。
見た目通りソリッドな作りであり、何十時間も遊ぶほどのゲームではありませんが、たまに起動して遊ぶにはちょうどいいタイトルです。この手のジャンルのゲームは時折発売され、ある程度話題になりますが、そんなマーブルゲーム史に載せておくべき一本であると思いました。
タイトル:『Marble's Marbles』
対応機種:Steam
記事におけるプレイ機種:Steam
発売日:2025年1月8日
著者プレイ時間:4時間
サブスク配信有無:なし
価格:920円(2025年1月22日まで782円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
クラシックなビー玉転がしに、現代的な仕掛けがブレンドされたゲームスパ!











