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苦痛から撃ち合いのイロハを学ぶ、XCOMライク特濃ミリタリー味。SFタクティカルRPG『MENACE』【早期アクセスプレイレポ】

Hooded Horse新作のタクティカルRPGのプレイレポをお届け。

連載・特集 プレイレポート
苦痛から撃ち合いのイロハを学ぶ、XCOMライク特濃ミリタリー味。SFタクティカルRPG『MENACE』【早期アクセスプレイレポ】
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Hooded Horseは、2025年2月5日より、ミリタリーSF調のタクティカルRPG『MENACE』の早期アクセスを開始します。新感覚のXCOMライクとして、先行リリースのデモ版で注目を集めたタイトルです。本稿はプレス向けのプレレビューバージョンでプレイレポートをお届けします。

先に周辺状況を説明します。早期アクセスは1年の予定で、コミュニティのフィードバックを参考にしたコンテンツの追加を予告しましています。開発元はOverhype Studiosで、マニア人気を集めた中世ファンタジー調タクティカルRPG『Battle Brothers』のメーカーです。発売元はHooded Horse。日本語圏でのストラテジージャンルの販売実績に定評があります。本作は多言語対応に加え3Dビジュアルやトレイラーにも力を入れ、広い層へ届けようとしています。

本稿の執筆にあたり、約20時間プレイしました。数度リスタートし、やっとブートキャンプを卒業できたところです。シネマティックトレイラーで登場した敵対存在「メナス」とは遭遇できず、ゲーム進捗のテンポに難があると感じましたが――撃ち合いのイロハを学ぶのに忙しく、時間を忘れて楽しめました。

突撃銃や自動小銃などの銃声が鳴り響く戦場では、士気をくじかれ反撃どころか立ち上がることさえできません。スモークグレネードを携行せず遮蔽物に身を隠せない分隊は死に至ります。迫撃砲は分隊を吹き飛ばし、対物ライフルは装甲車を撃ち抜きます。XCOMライクの有識者でも、ミリタリー色が濃い本作では新兵の心構えで挑む必要があります。

そうした戦闘教練を新兵の命と引き替えに得るという点は、はっきり言って不快です。チュートリアルで教えてくれよ! と悪態をついてしまいました。しかし、学ばなければ死ぬしかありません。不真面目になることも退屈することもない、シビアな戦闘難度ならではの緊張感があります。

『MENACE』はXCOMライクの様式でミリタリー調を表現しました。本作では撃たれることそのものが脅威です。戦闘パートの雰囲気をミリタリー映画で例えるなら「ネイビー・シールズ」よりも「ウォーフェア 戦場最前線」に近いでしょう。超一流の特殊部隊が念密なブリーフィングを通じて作戦を図るのではなく、唐突に攻撃を受けて身動きがとれない「制圧状態」に陥り、兵士が平時のパフォーマンスを発揮できなくなるのです。

本作タイトルの由来は作中の敵対存在「メナス」ですが、戦場を支配するルールこと「脅威」のダブルミーニングだと思いました。その脅威を煽るのが、采配のミスを罰する仕組みです。戦闘パートのユニットは分隊で、分隊長と兵士8名の構成です。ここでの兵士は分隊のHPとほぼ同義で撃たれると負傷します。欠員を埋める新兵の補充は限られており、分隊はHPを回復できないまま次の戦いに挑むこととなります。終わりの見えない作戦で部隊が消耗していく様子が、脅威を強く感じました。

『MENACE』の概要はミリタリーSFの傭兵稼業です。しかしプレイヤーの部隊は最初から傭兵ではなく、地球議会共和国の軍隊でした。辺境の地ウェイバック星系を治安回復すべく派遣された完全装備の軽巡洋艦は、ワープゲートで謎の事故に見舞われ、艦は中破し僅かな生存者を残すのみとなります。

イントロでゲームクリア条件を明示しませんが、プレイヤーこと司令官は軍人であり責務を果たそうとします。逃亡はありません。星系が平和になるまで戦い抜くか、全滅するかです。星系を支配する3つの勢力から救援要請を受けて部隊を戦場に投じます。分隊長を雇用し、昇進でスキルを与え、戦利品で武器を揃え、次の戦いに備えつづけるのです。

このようなイントロで小規模部隊の戦闘と成長を繰り返すRPGとなりました。以下は戦闘パートを紹介します。

戦闘パートはブリーフィングから始まります。プレイヤーは分隊単位で操作します。兵站ポイント上限が戦闘に投入可能な戦力です。ヒーローにあたる分隊長と、分隊長につける兵士数と装備で1分隊の兵站ポイントが決まります。分隊数を増やすために分隊の兵士数や装備を減らす、という調整で戦力を配分でき楽しく悩めます。

戦場は自軍・敵軍が1手番ごとに交代するターン制です。四角マスで遮蔽物を活用した銃撃戦、というXCOMライクの様式になります。戦場の特徴は、屋外で開けた場所が多いこと。マップを探索して目標達成を目指すため、遮蔽物がない場所を横切る必要もあります。全力移動した先で敵を視界に捕らえてしまうと、次は敵の手番なので被弾してしまいます。何度も、そうした恐ろしい目にあうでしょう。

戦闘後はおまちかねの成長です。戦闘報酬で昇進ポイントと戦利品を得ます。昇進ポイントは経験点と同義で、分隊長のスキル習得に用います。戦利品はそのまま装備しても良く、ブラックマーケットで物々交換し装備を買うも良し。昇進ポイントと戦利品を配分し、部隊の短所を補い長所を伸ばす、計画的な成長を味わえます。

以上のブリーフィング・戦場・報酬の流れで任務となります。1作戦は3~4つの任務からなり、作戦達成で軍艦パーツを入手します。軍艦パーツは部隊全体の強化で、負傷兵の回復数増加や、ブリーフィング時の索敵性能向上、戦闘中の迫撃要請などで部隊をバックアップします。こうした部隊強化と張り合うかのように、次の作戦は敵勢力が増大します。

序盤の作戦はエイリアン野生生物や海賊の撃退といった軽めの難度ですが、ゲーム中盤で現地勢力の反乱軍を鎮圧する作戦が加わります。高性能の武器を扱い、練度も高いので負傷者の続出は免れません。HP=兵士のストックが少ないので被害を抑えたいのにです。いかにして被害を避けるか。その手法を知るには戦闘で失敗するしかありません。手ひどくやられる強烈な不快感をもって忘れようがない戦闘教練となる、ブートキャンプ式カリキュラムが本作の醍醐味となります。

本作は自軍・敵軍の戦力差こそアンフェアですが、銃弾を受けると人は死ぬルールはフェアです。シビアすぎる戦闘難度の背景に強固な戦闘メカニクスがあります。困惑し不平をこぼしたくなる戦場から明快な鉄則が見えてくると、オンリーワンの魅力に気付くでしょう。

まずは制圧効果です。攻撃されたことの士気減少と、隊員数=HPの減少による最大士気の減少で、アクションポイントの減少や制御不能といったデバフが入ります。オーバーウォッチがない本作は、初撃で士気をくじき無力化することで脅威を取り除きます。

1手番交代のターン制ゆえ、複数の脅威に同時対応しづらいのが面白いです。誰かが攻撃を受けなくてはいけない、という時に装甲が役立ちます。武器には装甲貫通力があり、装甲が厚い重歩兵アーマーや車両であれば小火器を受けても被害が少なくなります。

制圧効果と装甲を使い、銃弾を受ける準備が整います。車両は遮蔽物の代わりになる。屈めば被弾率を軽減できる。ダメージと命中率の距離で減衰する。こうした「棒立ちするよりマシ」なテクニックを駆使することで、本作ならではの位置取りが生まれます。

恨めしいことに、そのテクニックは敵軍に活用されて初めて気付きます。こちらの攻撃が効果を発揮しない。敵から手痛い初撃をもらう。その苦い経験で撃ち合いのイロハを学ぶのです。初期装備では活用しにくいものの、装備を購入する頃には意識できます。部隊の成長とプレイヤーの経験がマッチし、プレイングスキルが上達する手ごたえを感じ取れました。

『MENACE』はお手つきを厳しく咎めます。しかし、学ぼうとするゲーマーを無下に扱うことはありません。ミリタリー映画「フルメタルジャケット」のハートマン軍曹を彷彿とさせる、憎むからこそ学べるゲームです。

早期アクセス版の不満点は、UIと演出の不足です。UI面ではステータス種類を示すアイコンがなくデータを読みづらい点と、戦闘中のミニマップがない点、敵の現在装甲ポイントを確認しづらい点で困ります。演出面は本稿スクリーンショットに映える戦闘パートが1枚もないように、キルカメラ演出がなく攻撃の成果・被弾の損害が印象に残りにくいです。それらで、失策を自責しづらいと感じました。

製品版では任務種類や装備品の追加、キャラクターイベントやストーリーの実装を予定しています。ここに、先にあげたUIと演出の強化が入れば、本作の肝となる部分――不快な体験を通じて戦闘教練を得る楽しみがもっと輝くと思います。もちろん、本稿で興味を持った方には早期アクセス版の時点で十分に味わえると請け合いましょう。戦力差はアンフェアでもルールはフェアな高難度ストラテジーを求めるゲーマーならば、『MENACE』はあなたのための銃です。

ライター:野村光,編集:みお

ライター/宇宙とSFとストラテジーと格ゲーが好きです。 野村光

ゲームレビュアー。2014年に商業誌デビューし、11年かけてレビュー・インプレッションを200本執筆。オールタイムインベストは『New Space Order』。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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