Blizzard Entertainmentは4月28日、『ディアブロ IV』の第2弾DLC『憎悪の帝王』をリリースします。今回の拡張コンテンツでは、新たなストーリー、新クラス、新システム、エンドコンテンツが追加されるだけでなく、レベルキャップ引き上げやスキルツリー拡張といったゲーム全体に関わる恒久アップデートも実施されます。

『ディアブロ IV』は、悪魔リリスの血を分け与えられた放浪者が、その危うい力を逆手に取りながら、世界“サンクチュアリ”を守るために戦うアクションゲームです。シリーズの魅力であるハック&スラッシュの中毒性はもちろん、本作は日本語ボイスにも対応しており、キャラクターたちの苦悩や絶望がよりダイレクトに伝わってくる作品になっています。
今回の『憎悪の帝王』を先行プレイして強く感じたのは、本作が単なる追加コンテンツではなく、『ディアブロ IV』という作品そのものをさらに深くする拡張だということでした。
本記事では、そのその魅力も含めてプレイレポートをお届けします。記事執筆にあたっては、Blizzard Entertainmentより試遊環境の提供を受けています。
舞台は人類生誕の地「スコヴォス」へ
今回のDLCでは、物語の舞台が新たな土地「スコヴォス」へと移っていきます。今までの大陸からプレイヤーはロラスと共に人類生誕の地スコヴォスへ向かいます。「スコヴォス」は西部の火山地帯、東部の森林地域、その間に広がる陥没した大地、さらに数々の神殿や水浸しの岸辺を探索することになります。


実際に訪れてみると、「スコヴォス」は長い歴史と信仰の重みが刻まれており、これまでのサンクチュアリとはまた違った空気が漂っているように感じました。なかでも大きな都市であるテミスは住んでいる人々が自身の祖先に天使と悪魔双方がいるということを認識していて、それゆえの秩序と混沌が同時に全面に出てきているような印象を受けました。
今まで訪れてきた町の中でもひときわ騒がしく、人間が暮らす町という印象を強く感じられる場所でもあり、『ディアブロ』の世界観からは少し異質にも感じられるところという双方の印象を受けました。神聖さと不穏さが同居するこの土地は、今回の物語の空気感を象徴しているように感じられました。


『ディアブロ』という世界観をしっかり感じさせてくれる物語がプレーヤーを引き込む
『ディアブロ』といえば、敵を倒して装備を集め、さらに強い敵へ挑むハック&スラッシュの魅力が真っ先に思い浮かびます。もちろん、その快感は本作でも健在です。しかし『憎悪の帝王』でより強く印象に残ったのは、物語を見届けたくなるような演出です。
本編、第1弾DLC、そして今回の拡張へと進むにつれ、この世界を覆う絶望と喪失感はさらに色濃くなっています。世界を救うという大きな目的の裏側で、登場人物たちはそれぞれに後悔や痛みを抱えながら進んでおり、その感情の重さがプレイヤーにもじわじわと伝わってくるような演出にぐっと引き込まれて行く印象を受けました。


ハクスラ作品では、どうしても育成やビルド、ドロップ品に意識が向きがちです。しかし本作は、ムービーや会話のひとつひとつに見入ってしまうほど、物語の力が強いと感じました。新たな登場人物が加わることで、既存キャラクターの見え方や関係性にも新しい輪郭が生まれて、物語全体への理解もさらに深まっていくように感じました。
筆者自身、最初に遊んだ『ディアブロ II』は英語版だったため、当時は物語よりもハクスラの魅力に惹かれていました。しかし『ディアブロ III』以降、日本語でシリーズをプレイするようになり、『ディアブロ』の物語性に強く引き込まれるようになりました。そして『ディアブロ IV』と今回のDLCでは、その魅力がさらに大きくなった印象です。正直なところ、ここまで“続きが見たい”と思わされた『ディアブロ』は初めてでした。
新クラス「ウォーロック」と「パラディン」が追加
また第2弾DLCでは新クラスとして地獄の力を使う「ウォーロック」と聖戦士「パラディン」が追加されます。
「ウォーロック」は、腐敗の力で地獄をねじ曲げ、禁じられた儀式や錬金術、黒魔術によって悪魔を召喚して戦わせるクラスです。

戦闘スタイルとして「召喚」や魔法で戦うことを得意としています。スキルツリーには「業火」と「召喚」と「深淵」のシステムに分かれていました。「業火」は攻撃力に特化しており、「召喚」は地獄のクリーチャーを召喚し一時的に敵の注意をそらすということができるようになっていると感じました。




「パラディン」は、重装鎧をまとった聖戦士として描かれています。剣と盾を携え、聖なる光と誓いの力で前線を維持し、味方を守りながら敵を裁く、防御と制圧に優れたクラスです。
スキルとして誓約システムとなっていて「重装者」「狂信者」「断罪者」「門弟」の4つのシステムの組み合わせによってさまざまなビルドを組むことが可能。それぞれのシステムには「重装者」はパラディンの盾に重点を置き防御を攻撃力に変える、「門弟」は奥義として天使に変身することができるなど特徴的な要素があり、プレイヤーのプレイスタイルにあったスキルを選べます。




パラディンはウォーロックとは対照的なプレイ感が期待でき、クラス選択の幅は大きく広がりそう。またウォーロックは本作の主人公のリリスとの繋がりというところに通ずるような新クラスという印象があり、本作らしいクラスだと感じました。
新システムで楽しみが広がる
今回のDLCでは新機能「タリスマン」も実装されます。タリスマンは装備可能な進行・カスタマイズ要素で、ストーリー序盤にロラスから受け取ることで解放されます。以降はタリスマンに装着して効果を発動する「チャーム」がドロップするようになり、同じセットのチャームを複数装備することで、追加のセットボーナスも得られます。
単なる数値強化にとどまらず、どのチャームをどう組み合わせるかでビルドの個性が生まれそうなシステムであり、育成の奥行きをさらに押し広げる要素として期待できます。

また、今回のDLCで新アクティビティ「釣り」が登場します。今までなかったアクションとなっており、サブクエストからできるサブアクティビティとなっています。一度解放するとさまざまな水場や溶岩で釣りをすることができ、魚やアイテムを釣れます。
あまり『ディアブロ』の世界感とは印象が結びつきにくいアクションではありますが、レアな魚やアイテムが手に入ると、それが嬉しく何度も何度も釣りに興じてしまうこともあり、思わず時間を忘れて釣りを楽しんでしまいました。


エンドゲーム要素も拡充
『ディアブロ』では物語が終わった後エンドコンテンツを楽しむことができるようになっています。エンドコンテンツには奈落、獄炎軍団、ヘルタイド、ナイトメア・ダンジョン、ねぐらのボス、クラスト地下都市といったさまざまなコンテンツが用意されています。
今回の体験では奈落とヘルタイトを体験することができました。どちらも今までの『ディアブロ』にもあったコンテンツではありますが、今作では奈落に大きな変更が入りました。奈落のレベルとトーメントの上限が引き上げられることにより、挑戦できるティアが100まで引き上げられ、ドロップアイテムの中に豪華なものが増えるということです。より良いアイテムを求めて奈落に何度もチャレンジしたくなるアップデートが入る印象を受けました。





また、上記のエンドコンテンツを一か所からアクセスして選択することができる「作戦計画」が追加されます。「作戦計画」はこのDLCの物語を終盤までプレイすることで解放することができるようになっているそう。
そして新登場する「反響する憎悪」は、無限に押し寄せる敵と上昇し続ける難易度に挑む超レアイベントです。耐えれば耐えるほど報酬が良くなる構造は、やり込み派のプレイヤーにとって大きな魅力になりそうです。
DLCと同時に入る恒久アップデートにも注目
『憎悪の帝王』配信にあわせて、ゲーム全体にも恒久アップデートが入ります。スキルツリーのバリエーション追加、レベルキャップ70への引き上げ、トーメントティア12までの拡張が登場予定です。さらに、戦利品フィルター、マップオーバーレイ、ルート検索機能も追加予定です。
特にマップのオーバーレイは散策しながらストレス無くマップを確認することができるようになるため、ダンジョンやフィールド上などさまざまな場面で活躍すると感じました。

こうしたアップデートは、新DLCを遊ぶプレイヤーだけでなく、既存プレイヤーにとっても非常に大きな意味を持ちます。新コンテンツの追加だけでなく、日々のプレイ体験そのものを底上げしてくれる拡張になっている点は好印象でした。
今回の『憎悪の帝王』は、新クラスや新システムによってゲームとしての厚みを増しつつ、物語面ではこれまで以上に重厚で、先を追いたくなるドラマを描いていました。
ハック&スラッシュとしての快感を求める人にとっても、シリーズの物語を追い続けてきた人にとっても、このDLCは見逃せない内容です。サンクチュアリの絶望はまだ終わりません。むしろここから、さらに深く、さらに濃くなっていく。そう感じさせる拡張でした。















