陰鬱世界×爽快アクション!?高速パルクールで「リミナル都市」を駆け抜ける一人称ACT『VHOLUME』デモ版プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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陰鬱世界×爽快アクション!?高速パルクールで「リミナル都市」を駆け抜ける一人称ACT『VHOLUME』デモ版プレイレポ

ディストピアな都市を舞台にした、メランコリックな一人称視点のパルクールアドベンチャーゲーム。

連載・特集 プレイレポート
陰鬱世界×爽快アクション!?高速パルクールで「リミナル都市」を駆け抜ける一人称ACT『VHOLUME』デモ版プレイレポ
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今回はNathan Grange、Léonard Lemaitreらが手掛けるラン&アクション『VHOLUME(ボリューム)』デモ版(Steam)のプレイレポートをお届けします。

◆陰鬱なリミナルシティを爽快パルクールで走り抜け!

本作は、一人称視点のパルクール・アドベンチャーゲームです。全てを支配する「省(Ministry)」に統治された廃墟のような都市を舞台に、プレイヤーは主人公のロバートを操作し、官僚制度という名の過酷な全体主義に、パルクールアクションを駆使し立ち向かっていく、というストーリーです。

オプション画面

まずゲームモードは、デモ版ではシングルプレイヤーのみ対応していますが、マルチプレイヤーモードの項目があるため(現時点ではロックされている)、おそらく製品版では利用可能になるのかもしれません。

また、本作はキーボード&マウスおよびコントローラーに対応。今回はXboxコントローラーを使用していますが、操作感や反応はとても良く快適にプレイできました。
しかし残念ながら、現時点で日本語字幕/インターフェイスには未対応です。とはいえ、非言語的なゲームなので特に気にせず最後まで遊べるのでご安心を。

ゲームオプションは、全般のサウンド、カメラの感度やFOV、画質の解像度など、ゲームプレイに関するさまざま項目をしっかりカスタマイズ可能です。

では本編スタート。ゲームの舞台は、いわゆる「ブルータリズム様式」によって構築された巨大な建造物が立ち並ぶ世界なのですが、コンクリートの土っぽい風味や汚れから感じる無機質さ、周囲に誰ひとりいない孤独さと不気味さなどが、独特のメランコリックな雰囲気を漂わせています。

また、静謐なアンビエントのBGMが非常に心地よく、物悲しい哀愁をさらに際立たせており、「いつまでもここにいたい」と思わせる没入感があります。俗に言う「リミナルスペース」が好きなプレイヤーにはとことん刺さる環境だと思います。

本作は、自由で爽快なパルクールアクションが一番の魅力です。左スティックで前後左右移動、スティックを倒すとダッシュ、右スティックでカメラ視点の移動。RTでジャンプ、LTでスライディングが基本操作となります。

スライディング

そして、それらの操作を組み合わせて多彩なパルクールアクションを行います。

たとえば、途切れた足場にはダッシュしてジャンプ移動したり、少し離れた場所にはスライディングして勢いをつけた状態で跳躍する、といった具合です。

また、ジャンプ後に壁に張り付けばそのまま「ウォールラン」で長距離移動できたり、壁を垂直に登って行くことも可能。このように、プレイヤーは走る、跳ぶ、登る、滑るといった動きを駆使して、迷宮のような街を駆け抜けていくのです。

画像だけではわかりにくいですが、操作中はスピード感があってプレイフィールは非常に爽快です。各アクションの連携がとてもスムーズで、ついついコントローラーをぐりぐり動かしたくなる気持ちよさがありました。

開発元によると、本作はパルクールACTの金字塔『ミラーズエッジ』シリーズにインスパイアされているとのことですが、ミラーズエッジのような人体工学に基づいたリアルな挙動ではなく、(良い意味で)『Ghostrunner-ゴーストランナー』っぽい軽快なアクションに近いのかな、と筆者は感じました

基本的に時間制限や決まったコースなどはなく、エリア内で行けない場所はありません。つまり、どこへ向かうのもプレイヤーの自由です。

メランコリーな都市風景を一望できる

なので、ひたすら壁を登攀して高所を目指し、不気味なブルータリズム都市の景色を眺めるのも良し、気になる場所を設定してパルクールアクションで行ってみるのも良し、とさまざまな楽しみかたがあるのも本作のグッドポイントです。

とはいえ、いちおうステージをクリアするためのゴール地点は存在します。そこへたどり着くために、最適なルートやショートカットを見つけ出し、クリアタイムを競うスピードラン要素も楽しみのひとつです

一見単純なつくりに見えますが、より高くジャンプできるスプリングが設置してあったり、スライディング距離を伸ばしてくれる排気口みたいなオブジェクトがあったりと、ステージギミックが豊富にあり、これらを上手く活用すれば、クリアタイムを短縮できるかもしれませんね。

無事ゴールに辿り着くと、次のステージがアンロックされます。早速入ってみましょう。

ステージ2は「CONNAPTS MAP」という場所で、SF作家フィリップ・K・ディックが「condominium(分譲マンション)」と「apartment(アパート)」を組み合わせて作った造語であり、主にサイバーパンクなどのSF作品に登場する近未来的な集合住宅を指します

ファーストステージの比較的明るい雰囲気とはガラッと変わり、こちらは時間帯的には夜で、暗闇と薄霧が支配する冷たくダークなステージ構造になっており、全体主義が覆っているという世界観がより際立っています。

この妖しさとホラー感のある雰囲気が最高に素敵!と思いながらステージを駆け抜けたのでした…。

ちなみに、デモ版ではこれら2つのマップのみが実装されており、1時間もあればすべてクリアできます。製品版の追加マップも楽しみですね。

◆メランコリックな世界観がたまらない期待作

本作を手がけたLéonard Lemaitre氏は、2022年に『BABBDI』という不気味で巨大なブルータリズム様式の建造物に覆われた地区から脱出することを目指す、一人称視点の探索ADVも制作しています。

『BABBDI』

『BABBDI』は、執筆時点でSteamレビュー総数が7,829件で、その独特な世界観と完成度から「圧倒的に好評」となっている作品です。

広大なマップを自由に歩き回り、風変わりな住人たちと会話をしたり、隠されたアイテムを見つけたりしながら進める、戦闘のない探索特化のメカニクスや、低解像度で少し不気味なグラフィックと、孤独感を煽るサウンドデザインなど、今作『VHOLUME』とはゲームデザインこそ異なりますが、氏の「廃墟」や「ブルータリズム建築」へのこだわりが感じられるので、こちらも是非プレイして欲しいと思います。


本作は、リミナルスペース系や廃墟といった要素が好きなプレイヤーには、必ず心を掴まれる素晴らしい雰囲気の作品です。

パルクールゲームといえばどことなく陽気なイメージがありますが、それを逆手に取ったような「陰鬱」で「メランコリック」な視座を提示したのが斬新でしたし、それだけでなく、爽快感のあるアクションなどしっかりとしたゲームプレイの組み合わせは、本当に新感覚で面白く、製品版への期待が高まりました。

『VHOLUME』はSteamにて、現在デモ版が無料配信中です。

  • タイトル:『VHOLUME』

  • 対応機種:Windows PC(Steam)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 著者プレイ時間:3時間



日本のブルータリズム建築 (TWO VIRGINS)
¥5,232
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:DOOMKID,編集:みお

ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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