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水没した都市を再建しよう!物理演算の利いた街づくりシム『崩壊都市』プレイレポ

支柱がなければ、建物は崩れる

連載・特集 プレイレポート
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巨大な生き物の背中や、ビーバーが主人公と、街づくりシミュレーションゲームにもさまざまなフレーバーのタイトルが出てきました。

今回紹介するのは『崩壊都市』(All Will Fall)というゲーム。水没した都市を舞台にしたオーソドックスな体験に、物理演算がピリッと利いた良作でした。

伸ばした橋は支えねば!水没した都市を生き残るサバイバル系街づくり

本作は終末後の世界を舞台に、生き残った人間たちがサバイブしていくさまを助ける街づくりシミュレーションです。

世界のほとんどが水没しているため、天辺しか見えなくなってしまったような建物に縋り、残った物資に齧りついて生活しています。

最初は漂流してきた木材やガラクタを集め、バラックを建てたりドラム缶に火を焚いたりするくらいしかできることはありませんが、そのうちキノコを栽培できるようになったり、新しい技術を研究できるようになったりします。

どこぞのビーバーのように回し車を使って発電したりと、徐々に文明を取り戻していき、どんどん発展していくのが面白いですね。

とはいえ、この辺までは至って普通のシミュレーションゲームです。本作の肝は物理演算にあります。

舞台が水没した都市であるため、人間たちを新しい土地(数メートル先の別の建物に過ぎませんが)に移したかったら、木の橋を架けるしかありません。

しかし、橋というものは常に重さがかかっているもの。単に一方向に伸ばしただけでは、真ん中でポキッと折れてしまいます

本作の建造物はすべて素材強度張力荷重などが計算されており、調子に乗ってポンポンと上に積み重ねていくとすぐにブッ潰れてしまいます

とはいえ、そこはゲームなので、乗せた瞬間は警告が出るだけであり、しばらくのあいだは耐えてくれます。そのあいだに支柱を差し込んだり、重さが逃げるような構造を作ってあげたりしましょう。

この仕様自体もそこまで珍しいものではありませんが、本作は辺り一面水没しており、大地に触れることは叶わず、固いコンクリートの床面もほとんどありません。

そんな舞台でさまざまな施設を建てていかなければなりませんから、そりゃもうどこに何を建てるかでいちいち悩まされるわけです。世界はまっさらにグレートリセットされたというのに、まだ人類は渋谷か新宿の都市開発みたいなことをしているのだ……。

加えて、定期的に潮の満ち引きが起き、建物が水没したり、これまで行けなかったところに行けるようになったりします。

この要素がさらにゲーム性を足しており、ただ単に建物を線形に増やしていくだけでなく、定期的にお引越ししならないんですね。

正直、ゲーム終盤は作業感があるので、特定の建物以外は位置を変えなくてもいいようにしてほしいなと思いましたが、発想としては悪くないギミックかと思います。

もちろん、サバイバルシムとしての出来もばっちりで、筆者が最初のマップを12時間ほど遊んだ限りでは、割と終盤までリソース管理に悩まされました。

漂流民をどの役職に就かせるかといった指揮官らしいロールプレイから、突如として起こるイベントに振り回されるお決まりの展開まで、飽きさせない工夫が随所に盛り込まれています。

建物全体が錆びついているビジュアルや、ストーリーを用いずにポストアポカリプスを表現している点など、デザインに美学を感じましたUIもわかりやすく、遊んでいて詰まることはなかったです。

しかしながら、いくつかの欠点も見受けられました。

ひとつは、崩壊を抑えるための足組みの判定がわからず、むやみやたらに支柱をくっつけがちなところです。この点はせめてチュートリアルで理想の組み方を教えてくれればよかったのですが、筆者のような建築の門外漢にとっては、どこにどういう柱が必要なのかはあまり掴めませんでした(一応、完成後は支持梁がどこなのか表示する機能はあります)。

また、こちらはかなり大きな問題ですが、翻訳が間に合っておらず、半分ほどのテキストが英語のままなのが残念です。こちらはリリース前ビルドでプレイしたゆえの問題かもしれません。

そのほかにも、カメラの速度が元に戻ってしまう、長時間起動していると挙動がおかしくなって施設が機能を果たさなくなるなど、大小いくつかのバグにも遭遇しました。

わかりやすい欠点こそあれど、すでに傑作が大量に生み出されている街づくり&サバイバルシムにおいて、新たな注目作となるポテンシャルを充分に秘めた作品だと感じました。

『崩壊都市』はPC(Steam)にて配信中です。

ライター:各務都心

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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