『ディアブロ IV』の第2弾DLC『憎悪の帝王』の配信したBlizzard Entertainmentは、韓国・ソウルにてメディア向けイベントを開催しました。
イベントでは本作のアソシエイト・ゲームディレクターのZaven Haroutunian氏とDirector, Blizzard Publishing APAC North のAlex Hong氏が登壇し、第2弾DLCについてと、4月28日から5月17日まで韓国で開催される「キッチン・ディアブロ」についても説明がありました。


今回はその様子についてお伝えします。
新しい要素と懐かしい要素を合わせた新しい体験
登壇したアソシエイトゲームディレクターのジャデン・ハルティニア氏は、本作について「これは“徴収の時代”の物語における頂点であり、単なる拡張ではなくプレイ体験そのものを進化させる転機になる」と説明しました。
物語はメフィストの影響が世界へ広がり、“憎悪”が人々の選択を歪めていく過程を描きます。「これはエスカレーションではなく“結果の物語”である」という言葉が象徴するように、プレイヤーの選択がもたらす帰結に強く焦点が当てられています。
また、新クラスとして「パラディン」と「ウォーロック」が登場します。信仰と規律を重んじるパラディンと、禁忌の力を操るウォーロックは思想的には対極にありながら、「サンクチュアリを守る」という共通の目的を持つ存在として描かれています。
この“物語とテーマの深化”については、質疑応答でも掘り下げられました。開発チームは「コアテーマへの集中」を最も重視したポイントとして挙げ、天界と地獄、プライムエビルとホラドリム、そしてプレイヤーとリリスの関係性を軸に据えたと説明しています。シリーズ第4作目かつ2つ目の拡張として、世界観を意味ある形で前進させることが意識されている点が印象的でした。

ゲームシステム面では、シリーズ最大級とも言える変更が行われます。スキルツリーは全面的に再設計され、レベル上限は70、スキルポイントは83へと調整されました。この変更についても質疑応答で言及され、従来レジェンダリー特性が担っていた「ビルド解放」と「強化」の役割を分離し、カスタマイズ性をスキルツリー側に移したことが理由だと説明されています。これにより、特定のダンジョンに依存せずビルドを構築できる自由度が生まれました。
また、装備依存については「減少ではなく改善」と位置付けられています。ユニークやミシック装備の重要性は維持しつつ、装備が揃う前からビルドを開始できる設計へと進化しています。
さらに、プレイヤー自身がエンドコンテンツを設計できる新システム「Warplans」が導入されます。好きなコンテンツを選び、順番を組み立て、自分だけの攻略ルートを構築できるこの仕組みは、今後のゲーム全体の基盤として継続的に発展していく予定であると語られました。

シリーズファンにはおなじみの「ホラドリムキューブ」も復活し、アイテムカスタマイズの幅が大きく広がります。加えて新装備「タリスマン」の導入により、セット効果と装備の自由度が両立され、ビルド構築の可能性はさらに拡張されています。タリスマンについては「強力でありながらカスタマイズ性を損なわない」設計が意識されており、数値的な強化にとどまらずゲームプレイそのものに変化をもたらす点が特徴です。
エンドコンテンツの一つである「反響する憎悪」では、ウェーブ制で無限に続く戦闘と時間経過による難易度上昇が組み合わされ、プレイヤーの限界を試す設計となっています。

一方で、こうした高難度コンテンツとは対照的に「釣り」という要素も新たに追加されます。質疑応答では導入理由について「単純に楽しいから」と語られつつ、収集やトレードといった要素を含むディアブロらしい設計であることが明かされました。戦闘の合間に訪れる“静”として、プレイヤー体験に新たなリズムをもたらす存在になりそうです。
シーズン運営についても言及があり、拡張直後の「Season of Reckoning」では新要素にフォーカスしつつ、その後は従来のシーズン形式へと戻る方針が示されました。シーズン数自体は固定せず、その時々で最適な運営を行う柔軟な姿勢が取られています。
韓国のバーを『ディアブロ IV』の世界に染め上げる「キッチン・ディアブロ」
今回の会場であるレストラン「デビルズドアセントラルシティ店 」では、ディアブロIVの世界観のインテリアで装飾し、ディアブロIVをイメージしたコラボレーションメニューを提供する「キッチン・ディアブロ」を4月28日から開催しています。









このレストランで提供されるコラボメニューは韓国でインフルエンサー兼シェフのスンウ・ダッド氏によって開発されたメニューで、 サンクチュアリの食材で作った地獄の料理だそうです。

ここで食べられるコラボメニューはパティと甘く調理されたスペアリブをクランベリーソースを塗ったバンズで挟んだハンバーガー「Feast in Hell」(29500ウォン)、
メフィストのシルエットがプリントされた薄いクッキー生地の下には、スパイシーなマヨネーズソースで味付けされたペパロニピザが隠されている「Mep(izza)hist」(23000ウォン)、揚げたキューブ型のパンに生クリームやフルーツ、キャラメリゼされたクルミが入ったデザート「Doradric cubread」(18000ウォン)が提供されています。

実際に試食させてもらったところハンバーガーはスペアリブやパティは美味しいが、パンズにかかっているソースや付け合わせの野菜の中に潜んでいる青唐辛子がふいに口の中に軽いジャブのような辛さを体験できます。

またピザはマヨネーズソースが辛さもあり刺激的な味わいでしたが、一緒に渡されるタバスコ スコーピオンソースをかけると口の中が地獄の業火で焼かれたような痛みを伴う辛さを味わうことができました。


ホラドリムキューブをイメージしたスイーツは、上記2種のフードと対照的にかなり甘さが際立ち、サンクチュアリの癒しのような印象でした。

また、ドリンクもコラボドリンクが1種類あり、リリスの血を彷彿とさせるような真っ赤なドリンクが販売されています。ハイビスカスとイチゴのノンアルコールスパークリングカクテルということで甘酸っぱく、リリスの誘惑のように虜になる人や刺激的に感じる人もいる魅惑のドリンクとなっています。

このレストランは時間予約をすればフードは予約の必要はなく注文可能とのことです。
5月17日までの3週間ではありますが、ゴールデンウイーク等で渡韓される方はぜひ立ち寄って見てください。
過去に登場したものにさらなる進化を加える
『ディアブロ IV』のアソシエイト・ゲームディレクターであるZaven Haroutunian氏に第2弾DLCについてインタビューすることができましたので、紹介します。

―― 『ディアブロ IV』では、リリスの喪失の悲しみや、メフィストの執念など、悪魔たちに感情移入できる描写が強く描かれてきました。一方で、悪魔は本来危険な存在であり、その力に近づいた者は破滅していくという側面もあります。
今回の拡張で登場するウォーロックは、まさに悪魔の力を利用するクラスですが、この「力を求める代償」というテーマは、ウォーロックやプレイヤーにどのように表現されているのでしょうか。
Haroutunian氏: システム面ではウォーロックに大きなコストはありませんが、物語上では明確な代償が存在します。彼らは自分たちの運命を受け入れており、最終的にどうなるかも理解しています。
悪魔の力による侵食をできる限り抑えようとはしますが、最終的には自らの魂を代償として支払うことになるのです。
それでも彼らは、その犠牲がサンクチュアリを守ることにつながると信じています。つまり、自らの命と引き換えに世界を守る――それがウォーロックという存在の本質です。
ハッピーエンドにならないことを理解した上で、それでも他者のために戦う。そうした覚悟を持ったクラスとして描かれています。
――ウォーロックはメディアやインフルエンサー向けに先行公開されていますが、反応はいかがでしたか。また、パラディンとの反応の違いや印象的な点があれば教えてください。
Haroutunian氏: 現時点では実際のプレイヤーの声はまだ多くありませんが、メディアやインフルエンサーからの評価は非常に好意的でした。正式にプレイできる日を私たちも楽しみにしています。
コミュニティの反応として印象的だったのは、新クラスを歓迎する雰囲気です。パラディンの発表時には、多くのファンが強い期待を持って盛り上がりましたし、ウォーロック発表時には、今度は別の層が大きく盛り上がりました。
それぞれのファン同士が互いに祝福し合うような、とても温かい空気があったのが印象的でした。
―― 久しぶりの登場となるパラディンですが、『ディアブロ IV』においてどのように再構築されたのでしょうか。
Haroutunian氏: パラディンの開発は非常に大きな挑戦でした。長年愛されてきたクラスであり、プレイヤーの中には強いイメージや期待があります。
その象徴の一つが「オーラ」です。『ディアブロ IV』ではこれまでオーラ系のアビリティが存在しなかったため、パーティプレイにおける役割や他クラスとの相乗効果を慎重に設計しました。
また、過去作の要素をそのまま持ち込むだけでなく、『ディアブロ IV』に合わせた進化も必要でした。ハンマー系スキルやジールといった象徴的な要素を取り入れつつ、盾投げなどの要素も融合しています。
さらに、本作独自の特徴として槍を導入し、新たな戦闘スタイルも加えています。
―― タリスマンを導入した理由と、どのように遊んでほしいかを教えてください。
Haroutunian氏: 過去作にあったチャームの要素を現代的に再構築したいという思いがありました。インベントリを圧迫する仕組みではなく、専用UIで扱える形が望まれていたため、それを実現しています。
タリスマンには二つの狙いがあります。一つはキャラクター成長の新しい軸を提供すること。もう一つはセットボーナスの自由度を高めることです。
装備と切り離すことで、ビルドの幅を広げつつ、より柔軟なカスタマイズを可能にしました。

―― ウォーロックはネクロマンサーやソーサラーとも共通点がありますが、どのように差別化していますか。また、開発チームのお気に入りの悪魔や未採用案があれば教えてください。
Haroutunian氏: ウォーロックは「悪魔の扱い方」が大きな違いです。ネクロマンサーがスケルトンを維持して戦うのに対し、ウォーロックは悪魔を使い捨てることで自身を強化します。
また、魔法も単なる攻撃ではなく、敵の行動を制御するなど、より支配的な性質を持っています。
開発過程では多くの悪魔が追加されていき、結果的にボツ案はほとんどありません。ただ一つ、小さな悪魔が肩に付き、プレイヤーのスキルをコピーする案がありましたが、雰囲気に合わないという理由で採用されませんでした。
―― 釣り要素について、今後の展開や狙いを教えてください。
Haroutunian氏: 釣りスポットはあえてマップに表示していません。プレイヤー自身が探索し、コミュニティで情報を共有していく体験を重視しています。
ディアブロは緊張感のあるゲームですが、その中でリラックスできる要素として初めて導入しました。まずはプレイヤーの反応を見て、今後の展開を検討していきたいと考えています。
―― 最後に、今回の拡張で特に印象に残っていることと、日本のコミュニティへのメッセージをお願いします。
Haroutunian氏: 開発初期に各チームのリーダーが集まり、アイデアを共有した際、「ブリザードの名に恥じないクオリティにしよう」と全員が同じ思いを口にしました。その瞬間、チームが一つになったと感じました。
日本のコミュニティについては、非常に情熱的で活気があると感じています。過去作でも大きな支えとなってくれた存在です。 今回の拡張でも、皆さんが新たなサンクチュアリでどのように冒険するのかを見るのを楽しみにしています。













