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『叢 -MURAKUMO-』と、その素晴らしいメカデザインや音楽を振り返る【オリーさんのロボゲーコラム】

初見の印象を大きく変えたのは、作りこまれたゲームデザインの力。

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『叢 -MURAKUMO-』と、その素晴らしいメカデザインや音楽を振り返る【オリーさんのロボゲーコラム】
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先日、『アーマード・コア』シリーズへの独自の視点からの言及をきっかけに、多くの日本人から「ロボゲー・ロボアニメ詳しすぎな外国人」として知られるようになったオリー・バーダー氏。実は、氏はゲームやアニメを中心として日本サブカルを海外に長年伝えてきた記者であり、様々なタイトルにかかわってきたゲームクリエイターでした。


弊誌の取材に対して、そんな氏がこぼした最近の悩みと言えば「ロボゲーを作らせてくれるスタジオが見つからない!」ということなのだそう。そこで、本稿では、氏の文章を通じて、氏のもつ「ロボゲー・ロボアニメ」への視点や美学の一端をお伝えしていきたいと思います。


初代Xbox向けの初期タイトルのひとつであり、私自身もこのコンソール向けに最初に購入したゲームのひとつが『叢 -MURAKUMO-』でした。また、このゲームには私にとって少し不思議な縁もあります。

先週の『メタルウルフカオス』についての記事に続き、今回も同じ流れで、初代Xbox向けにフロム・ソフトウェアが手がけた別のメカゲームを取り上げたいと思います。

『叢 -MURAKUMO-』は少し変わったタイプのメカゲームで、その大きな特徴は、さまざまなミッションの中で敵メカを都市中で「追跡」することにありました。

また、本作ではスピードと機動力が重視されており、対峙する敵は地表すれすれを高速で移動することが多く、手強い相手となっていました。

ただし、ゲームの主な内容は高速で移動する単体の敵との戦闘が中心だったため、やや単調に感じられる面もありました。加えて、メカが高速飛行できることもあって、本作は地上での追跡戦に重点を置くよりも、むしろフライトコンバットゲームとしての方向性を目指していたようにも感じられました。

やや噛み合わなかった発売時期

日本では『叢 -MURAKUMO-』はXboxの発売時期に近いタイミングでリリースされ、『Halo』初作と並んで数少ないローンチ期のタイトルのひとつでした。

当時、まだ日本ではファーストパーソン・シューティングゲームは(特にコンソールにおいて)それほど大きな存在ではなかったため、『Halo』は海外ほどの爆発的な影響力を持たず、その一方で『叢 -MURAKUMO-』のような作品のほうが比較的受け入れられていたように思います。

その翌年、『叢 -MURAKUMO-』は海外でもユービーアイソフトから『Murakumo: Renegade Mech Pursuit』というタイトルで販売されました。しかし、本作はその作品性を正しく理解されることがあまりありませんでした。むしろ他のシュータージャンルのタイトルと直接比較されることが多く、その結果、特に海外のファンやゲームメディアからは厳しい評価を受けることになりました。

また、本作が目指していたゲーム内容が比較的シンプルだったことも、海外では批判の対象となりがちでした。

こうしたメカゲームに共通する問題として、当時はその着想源となった数多くのメカアニメが日本国外では広く視聴できなかったことが挙げられます。そのため、本作が何を表現しようとしていたのかを理解するための文化的な文脈そのものが、海外には存在していなかったのです。

少し不思議な出来事

私自身はこのゲームをとても楽しみ、すべての要素を解放するまでやり込み、完全にクリアしました。

さらに、今振り返っても自分らしくないことをひとつしました。それは、このゲームの攻略ガイドを書いたことです。

海外で最大級のゲーム攻略サイトのひとつにGameFAQsがありますが、本作の発売から間もなくして、私はこのゲーム唯一の公式ではない英語版攻略ガイドを執筆しました。そこでは、すべてのミッションでSSランクを獲得する方法や、隠された要素の解放方法などを解説しています。

私は普段、ゲームの攻略ガイドを書くようなことはまったくしません。そして現在に至るまで、攻略ガイドを書いたゲームはこれだけです。なぜ自分がそんなことをしようと思ったのかは今でもよく分かりませんが、そのガイドは今も残っており、利用したい人は誰でも読むことができます。

素晴らしい音楽とメカデザイン

このゲームで私が心から気に入っていた要素は二つあります。それは、素晴らしくファンキーな音楽と、優れたメカデザインです。

音楽については、本当に印象的なギター主体の楽曲が数多く収録されており、そのどれもが非常に魅力的でした。残念だったのは、ゲームのスタッフロールに楽曲の作曲者や演奏者の記載がなかったことです。音楽の完成度を考えると、この点はいまなお気になっています。

また、音楽に関してもうひとつ興味深かったのは、本作の初期CMでDo As Infinityの楽曲が使用されていたことです。実際、このゲームがきっかけで私は彼らの音楽を初めて知りました。そしてCMで使われていた「Under The Sun」は、今でも私のお気に入りの一曲です。

そしてメカデザインですが、どの機体も洗練されていて美しく、見ているだけでも楽しめるものでした。なお、公式のスタッフロールでは別の人物がメカデザイン担当として記載されていますが、実際には(画集などでの言及をもとにすれば)柳瀬敬之氏がデザインを手がけたように思われます。

いずれにせよ、本作のメカデザインは本当に素晴らしく、後に『Another Century's Episode』で新たな活躍の場を得たことをうれしく思っています。

『Another Century’s Episode』への参戦

数年後にPlayStation 2向けとして初代『Another Century’s Episode』が発売された際、『叢 -MURAKUMO-』に登場したクラウドブレイカーの機体のひとつが参戦しました。

『Another Century’s Episode』シリーズは、より自由度の高いゲーム性を持ち、飛行戦闘も大幅に強化されていたため、『叢 -MURAKUMO-』のメカはそこでようやく本来あるべき姿を得たように感じられました。

私は初代Xbox版における追跡主体の戦闘も楽しんでいましたが、そのゲーム性にはやや制約が多く、機体自体はもっとさまざまなことができるはずだと感じていました。

そのため、『Another Century’s Episode』で『叢 -MURAKUMO-』の主役機が自在に飛び回る姿を見たとき、ようやくこのメカが本来意図されていた活躍をしているように思えたのです。

もちろん私は、クラウドブレイカーの機体を徹底的に強化し、多くのミッションで愛用しました。この機体はゲーム内のさまざまな任務にうまく対応できる性能を備えており、非常に使い勝手の良い存在でした。

やや不当な評価を受けた作品

総じて言えば、『叢 -MURAKUMO-』は海外ではあまり高く評価されていません。しかし私は、もしゲームシステムがさらに発展し、飛行戦闘の要素がより強化されていたならば、本作は大きな可能性を秘めた楽しい作品だったと思っています。

また、『Another Century’s Episode』でこのメカが非常にうまく機能していたことを考えると、初代Xbox版が目指していた方向性には確かな手応えがあったようにも感じられます。ただ、何らかの理由で、その可能性をさらに発展させたり掘り下げたりすることはできませんでした。

私は今でも、日本で発売された際に付属していた小冊子の設定資料集を持っています。そこにはメカの詳細なデザイン画が収録されており、私はそれらをじっくり眺めるのがとても好きでした。

私にとって本作は、素晴らしいメカデザインと実にファンキーな音楽、そして自分が攻略ガイドを書くことになったという思い出とともに記憶に残っています。そのため、海外ではあまり評価されていない作品ではありますが、私は今でもこのゲームをとても懐かしく、そして愛着を持って振り返っています。


オリー氏とともに「ロボゲー」を作ることに興味のあるスタジオや団体は、この記事の末尾にある氏のプロフィールから個別に問い合わせていただけますと幸いです。

ライター:オリー・バーダー,編集:Akira Horie》




ライター/ゲームデザイナーであり、Forbes の寄稿者、そしてどうやら「日本のメカ専門家」。 オリー・バーダー

オリー・バーダーは、日本のゲーム業界やポップカルチャー全般を取材・執筆しており、日本のクリエイターへの数多くのインタビューも行っています。また、メカ系ゲーム専門サイト「Mecha Damashii」を創設し、パブリッシングおよび開発の両分野において、20年以上にわたるゲーム業界での豊富な経験を有しています。

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Akira Horie

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