Gentle Troll Entertainmentは、ファンタジービジュアルノベル続編タイトル『タヴァントークストーリー:ドリームウォーカー』をPC(Steam)向けにリリースしました。
本作は、2024年6月に発売された『タヴァントーク』の36年前が舞台。D&Dにインスパイアされたファンタジー世界で、プレイヤーは海辺の酒場の経営者となり、やってくる客や冒険者に魔法のドリンクを提供していきます。その最良の一杯は、お客さんの運命をも変える可能性があるのです。

酒場の会話で集めた噂話を元にクエストを作り出す要素もあり、ファンタジー世界の酒場らしさを満喫できます。
個性豊かなキャラクターたちとの会話や、プレイヤー自身が判断するドリンク作り、分岐する結末など、前作の魅力を引き継ぎ、新しいスタンドアロンの作品です。
本稿では、そんな『タヴァントークストーリー:ドリームウォーカー』のプレイレポートをお届けしていきます!


心を震わす“最良の一杯”を
『タヴァントークストーリー:ドリームウォーカー』の物語は、主人公が経営する海辺の酒場「竜の夢床」のカウンターで展開していきます。ゲーム開始時にはまず、旧友のマリヤムが店を訪れ、会話の中で最初のドリンクである「船乗りの夢」を注文。
ドリンク作りは、専用の調合室で行います。棚にある「魔法薬」をマグに注いでいく形式で、魔法薬は筋力・魅力・捷力・知力・耐力の5つのパラメーターを上下させる効果を持っています。
ドリンクはレシピ通り作る必要があり、5回注ぐ中で正しい数値を作り上げなければなりません。






ドリンクが完成したら相手に提供していきます。最初のマリヤムは具体的なドリンク名で注文してくれましたが、多くのお客さんは今の気分に合わせた最良のドリンクを求めています。会話の中で、「勇気」「爽やか」などの重要な言葉は太字で表示されるので、ドリンク作りの際には参考にしていきましょう。
ゲームが進めば作れるドリンクのレシピも増え、さらに材料となる魔法薬も追加されていきます。
お客さんの要求はときにとても曖昧で、プレイヤーがしっかりと読み解かなくてはなりません。もちろん要求通りのドリンクを提供できれば喜んでくれるので、プロとして心を込めた調合に挑みましょう。




なお、注ぐ魔法薬を間違えた場合は上から一段ずつ捨てることも可能。
その際には主人公の店で暮らす可愛いハチの使い魔「ビーバグ船長」が間違えた魔法薬を吸ってくれるのですが、これがとても可愛い! 船長を撫でるコマンドもあり、Steam実績も用意されています。




個性豊かな冒険者たちの物語
竜の夢床を訪れる冒険者たちは、心のなかに複雑な事情を抱えています。ファンタジー世界らしく種族や出身世界なども多彩で、会話の中で専門的な用語なども多く飛び交います。メニュー画面では世界観や一部用語などの説明も参照できるので、必要に応じて確認しましょう。
ゲーム内に登場する冒険者たちは8人。ウォーロックや聖騎士、ローグ、ドルイドなど、さまざまな職業として、自分たちの矜持の中で生きています。
主人公は彼らとの会話の中で、ときには自分の意見を選ばなくてはなりません。会話の選択自体は物語を変化させるものではなく、自分の立場や設定を作るフレーバーに近いものです。




初対面だった冒険者たちも酒場で会話を交わしていくうちに、やがてその関係は大きく変化。
主人公は店から出られない人物ではあるのですが、その変化を感じ取り、何気ない会話や冒険の土産話を聞いていくことで、この世界で起きていることに対する「噂話」の断片を入手できます。
1日の終了後はその「噂話」の断片を組み合わせて、冒険者たちが受注するクエストを生成。例えば同じ地域で起きている異変、同じモンスターに関わる話などがあり、それらの中には何の役にも立たない情報も。クエスト作りのヒントも使えるので、ちょっとしたパズルのように楽しめます。




ストーリーが進めば、キャラクターの情報もアンロック。飄々としている者、厳格そうな者、夢を諦めきれない者……。それぞれのキャラクターに思わぬ一面が見られたり、テキストを読むのが楽しい作品です。日本語翻訳の質も高いですよ!




「クエスト」と「アプローチ」
製作したクエストは酒場の掲示板に貼り付けられ、それを見つけた冒険者たちが挑むことになります。このクエストづくりと受注は決して自由度が高いものではなく、あくまでストーリーを補助するものではありますが、プレイヤーにはやらねばならないことも。
冒険者たちはクエストによって、どのように解決するべきかを考え、主人公にその決断を迫ることがあります。
例えば事件に「策略を優先する」「正義の守り手である」という選択があれば、プレイヤーはそこで“解決策の属性に近い”魔法のドリンクを作り、冒険者に提供することになるのです。





提供したドリンクによる結果は後日、冒険者から土産話として聞くことができます。土産話の内容は驚くほど壮大だったり、予測できなかった展開だったり、冒険者たちの個性がより際立つようなものになっています。
主人公は冒険に同行できる立場ではないですが、彼らの無事を祈り、そして帰ってきて聞くという、独自の楽しさを味わえるのです。
そんな主人公がファンタジーの物語に挑む冒険者たちに介入する酒場・竜の夢床のカスタマイズも可能。背景にある小物は何種類かあるものから変更可能で、冒険者からプレゼントされることもあります。基本的に画面が変わらないゲームだからこそ、ちょっとした部分を変えられることも重要なのです。




なお、本作はDLCでデジタルサウンドトラックやアートブックだけでなく、装飾アイテムが増えるもの、TRPGのキャラクターシート、ミニシナリオ、アイテムなども用意されています。



『タヴァントークストーリー:ドリームウォーカー』は、いわゆる『VA-11 Hall-A』『コーヒートーク』などの作品に近いアドベンチャーゲームです。冒険者たちの話を聞き、その中で“最良の1杯”を提供することで物語を進めていく、穏やかにゆったりと楽しめる素晴らしい会話劇がそこにはあります。
前作『タヴァントーク』の過去を描く物語ではあるものの、本作から遊んでも十分に楽しめる内容です。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』にインスパイアされているという通り、世界観を含めてファンタジー要素は強く、専門用語も多いですが、ゲーム内の説明や会話の雰囲気でそれを飲み込み、酒場のマスターとしての仕事を果たしていきましょう。


重要な選択肢だけでなく、ちょっとした会話で家族のことや出身などの「自分のパーソナリティ」を選べるのが、個人的に嬉しい部分。
決して大きく物語に関わることではないのですが、あたかも自分自身がファンタジー世界の酒場で接客しているような、そんな気分に浸れるのです。


『タヴァントークストーリー:ドリームウォーカー』は、PC(Steam)向けに配信中。6月25日にはニンテンドースイッチ版もリリース予定です。













