皆さんは「八尺様」という怪異をご存知でしょうか?インターネットの掲示板発祥とされる有名な日本の妖怪です。
その名の通り、外見は身長が約8尺(約240cm)ある長身の女性で、大きな帽子にワンピース姿で「ぽぽぽ」という独特の音を発しながら現れ、魅入られた子供や若者をどこかへ連れ去ってしまう、という都市伝説が基になっています。

そんな八尺様は、おそらく最初期は妖怪然とした恐ろしい姿だったのでしょうが、元々インターネットミームということもあり、自由に二次創作された結果、近年では「色々デカい美人妖怪」というイメージも定着しているみたいです。
というわけで、Fukachi Worldが手がけ2026年7月30日にSteamで配信された、一風変わったハートフルホラーゲーム『八尺様がいた夏休み』のプレイレポートをお届けします。なお、本稿の制作にあたっては開発元よりSteamキーの提供を受けています。
操作方法、オプション、配信規定など

本作は、キーボード&マウスおよびコントローラーに対応しています。筆者はSteamコンでプレイしましたが、操作感は悪くないものの、弱い人は画面酔いしてしまう可能性があるので、「ゲームプレイ」項目からマウス/コントローラー感度を下げておくと良いと思います。
オプションは、ビデオやグラフィックなどの画質、言語やコントロールなどゲームプレイ全般に関するもの、オーディオをそれぞれ設定可能です。

特にグラフィックに関するものは、各種アップスケーリング方法やフレームレート、ライティングやテクスチャまでこと細かくカスタマイズできます。フォトリアルで美麗な田舎町が舞台なので、没入感を高めるためにも拘っておきたいところですね。
また、Steamストアページによると、本作における実況や動画配信の規定は「大歓迎」で、可能であれば概要欄にストアページのURLを貼って欲しいとのことです。
◆“長身美女”八尺様との「怖くてやさしい」夏休みを体験

本作は一人称視点の短編ホラーアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、父の都合で田舎に住むことになり、祖父の家へ預けられた主人公の少年「さく」を操作し、その地にすまう怪異である「八尺様」との「怖いけれど、心温まる」ひと夏の交流を追体験していくことになります。

物語は少年「さく」が、父の実家である「鬼伏村(きぶせむら)」にやって来る場面から始まります。どうやら、さまざまな大人の事情(父の女性関係)があり、この田舎町に一時的に預けられた模様。
基本操作は、WASD/スティックで歩行移動、シフト/右スティック長押しでダッシュ、E/Aボタンでインタラクト、F/Xボタンでライト点灯、というオーソドックスかつシンプルな手触りです。

この「鬼伏村」は、気味の悪い名前とは裏腹に、普通に住宅があり、学校があり、田畑がある、まさに我々がイメージするような、「理想的な田舎の風景」が広がっています。グラフィックはリアルで非常に綺麗なので、臨場感はたっぷりです。

さて、田舎の実家といえば「ちょっと頑固そうなお爺さん」が大抵いるものです。ここにも、少し口の悪いさくの祖父が待ち構えており、「ガキは連れてくるなと言ったはずじゃ」なんて悪態をつかれてしまいます。
孫ってのは可愛いモンだと思うのですが…田舎暮らしの幸先はかなり悪そうです。


祖父の家は中々の広さ。色々と調べて見たいとこですが、爺さんに何を言われるかわかりません。大人しくしていると、父が突然「用事ができた」とだけ言い残し、去ってしまいます。


戸惑いながらも、お腹が減って冷蔵庫にあったスイカを切って食べます。ひとりぼっちになったさくが悲嘆にくれていると、外の方から「ぽぽぽ」という声が聞こえてきて……。

声の方角から現れたのは、身長2メートルを余裕で超えていそうな大柄な女性。明らかに普通の人間とは思えませんが、真っ白な帽子とワンピース、そして何より、凜とした黒髪に映える端正な姿に思わずドキドキしてしまいますね……!

今のは誰だったんだろうと外に出て確かめようとするさく。ついでにお爺さんから野菜を買ってきて欲しいと頼まれ行くことに。
本作は基本的にストーリー主導のゲームプレイで、自由にあれこれできる訳ではありませんが、逆に物語に集中できるし、ゲームとして動線が分かりやすい設計となっています。


野菜売り場は家から少し離れた場所にあります。外の世界はオープンワールドではないものの、ほどよい広さを探索することができます。
青い空、白い雲。ポツンと佇むカーブミラー、キラキラ光る穏やかな小川、そしてセミの声……フォトリアルで美麗なグラフィックのおかげで、心地よい夏の自然や風景を存分に感じられるのがメチャクチャ良いですね。これだけでも本作を遊ぶ価値があると思います。

とはいえ本作は、あくまでホラーゲームです。村の掲示板には、行方不明になった「山本大輔」という少年の捜索情報のチラシが貼ってあり、なんとも言えない不穏な空気が流れています。鬼伏村に伝わる「八尺様」の伝承とこの事件、何か関連があるのでしょうか。

そしてもっと奇妙なのは、学校のグラウンド付近に置いていあるお地蔵さん。よく見ると、首が曲がっています。さくが触れようと瞬間……。

「ぽぽぽ」という声が再び聞こえ、振り返ってみるとあの八尺様が目の前に!!

すると、八尺様はまるで子供をあやすようにさくを持ち上げ、やわらかい表情で微笑んでいます。それは、妖怪に遭遇し「怖い」と感じたというより、むしろ「淡い恋心」を抱いたと言ったほうが正しいかもしれません。
そして、スベスベの白い肌に綺麗で大きな瞳、スッと高い鼻、艶のある唇など、彼女は間近でみると本当に美人で、アイドルやってても不思議ではないレベルです。
また、胸元からこぼれそうなくらいデカい「アレ」も素晴らしく、八尺様は主人公だけでなく、大きな紳士たちをも魅了してしまいそうです。


どうやらさくは、八尺様に気に入られてしまったようです。たとえば、突然現れた八尺様のキレイな唇を怖がることなく無邪気に触れると、顔を真っ赤にして照れる姿を見せてくれたり、恐ろしい妖怪にもかかわらず、見守るようにいつもそばにいてくれます。
本作は、こんな風に少年と妖怪のさまざまな交流を通じてひと夏の体験を描いているのが骨子の一つで、いわゆる「おねショタ」的なフェチズムに満ちているのが大きな特徴であり、大変素晴らしい点です。


もちろんフェチ的な要素だけではありません。
父に置いていかれ、祖父や近所の人間に「ヨソ者」扱いされて寂しい思いをしているさくと同様に、村人から畏怖され忌避される八尺様の、不器用ながらもさくと接して遊ぼうとする姿は、とても優しさと切なさを感じるハートウォームなものでした。


また、村人たちは子供たちを攫う八尺様のことを快く思っておらず、出来れば封印したいと考えています。こうした状況下での神主や娘の「ひまり」との出会いは、物語をより複雑で深みのあるものにしていました。
果たして八尺様は良い妖怪なのか、悪い妖怪なのか。さく(プレイヤー)の揺れ動く心情や、人間模様にも注目したいところです。



一方で八尺様とのチェイスや隠れんぼなど、ハラハラする緊張感のあるミニゲームがあり、ホラー成分もしっかりと存在します。本作は、この物語としてのハートフルな部分と、ホラーゲームとしてのバランスがちょうどいい塩梅だと思いました。


一回のプレイ時間は約60分~90分くらいと、カジュアルに遊べるのが良い点です。また、作中の選択肢によって複数のエンディングが用意されているので、リプレイ性にも期待できます。
本作は、前述の通りシンプルな操作性とゲーム性なので、八尺様ファンや、ホラーゲーム初心者、サクッと遊びたい人には特におすすめできます。
『八尺様がいた夏休み』は、8月13日まで20%オフの960円でSteamにて配信中です。












