
2026年8月8日、浜松町にて「東京ゲームダンジョン13」が開催されました。
本記事では、出展タイトルから『魔王城のミラテン』のプレイレポートと開発者インタビューをお届けします。
落ちこぼれ天使の居候先は…なんと魔王城!?ドット絵で描かれる世界で送る愛おしい修行の日々
『魔王城のミラテン』は、天界からやってきた天使見習いの少女「ミラ」を一人前の天使へと育てる育成シミュレーションゲームです。本作はGB互換機専用ソフトとして制作され、ブースでは実際にプレイできるパッケージ版のサンプルも展示されていました。
最果ての地にひっそりと佇む魔王城に、突如大きな星が墜落してくるところから物語は始まります。騒ぎを聞きつけた城の面々が現場へと駆けつけると、星の中から現れたのは小さな羽と光輪をもつ少女ミラでした。彼女は天界で勉強に励んでいたものの、かなりの落ちこぼれ。見かねた神様から「地上で1年間修行してきなさい」と命じられ、星に乗って飛ばされてきたのでした。

本来であれば敵対関係にあるはずの魔王城の住民たちですが、困り果てつつもミラを追い返すわけにはいきません。こうして「働かざる者食うべからず」の精神のもと、魔王城での異色すぎる1年間の修行生活が幕を開けます。

1年間に相当する全48週の間、スケジューリングを行いながらミラのパラメータを伸ばしていくというのが基本の流れ。今回の試遊では序盤の10週をプレイしました。週ごとにバイトで資金を稼いだりレッスンを受けたりして知識や能力を磨きながら、城の住民たちと交流を深めたりしていきます。どのような育成方針をとるかによって、1年後に迎えるエンディングが多彩に変化していく仕組みです。エンディングは25種類用意されており、やり込み要素も充実しています。



実際にプレイすると、限られた時間の中でどの能力を重点的に伸ばすべきか悩む、育成シミュレーション特有の心地よい思考のループに引き込まれます。バイトに精を出しすぎてストレスが溜まるとミラの体調に影響してしまうため、ベッドで休んだり温泉に入るなどして適度な休養を与えるマネジメントも欠かせません。

本作の魅力は何といってもドット絵のグラフィック。どこか懐かしさを感じさせるレトロなピクセルアートでありながら、色彩は現代的で非常にポップに仕上げられています。アニメーションも細やかで、表情をころころと変えながら魔王城の中を駆け回るミラの姿は可愛らしさにあふれています。
育成シミュレーションゲームはメニュー画面での操作が多くなりがちですが、直感的なインターフェースによってストレスなくサクサクとスケジューリングを進めることができます。手探りで理想のパラメータに調整しながら、テンポよくプレイできるバランスが構築されていました。

ミラは無事に立派な天使になれるのか、それとも予想外の道を歩むことになるのか。育て方次第で変化する未来を見届けてみてはいかがでしょうか。

現代のプレイヤーにレトロゲームをどう届けるか?
ここからは、開発者であるディープブリザード氏へのインタビューをお届けします。
ーーまずは、自己紹介をお願いします。
ディープブリザード氏:インディーゲームサークルの「サイハテゲームス」の主催兼、唯一のサークルメンバーであるディープブリザードと申します。自分自身がインディーゲームというかGBが好きだったので、それを作るためのゲーム開発をしていました。ちょうど今年の7月末にちゃんとしたゲームサークルを作ろうということで「サイハテゲームス」を立ち上げました。立ち上げてすぐに今回この東京ゲームダンジョン13に参加したので、ものすごく緊張しています。
ーー改めて本作についてご紹介いただけますでしょうか?
ディープブリザード氏:『魔王城のミラテン』は、天界から降ってきた天使見習いのミラを魔王城で1年間育成するっていうゲームです。天使になれる可能性のある子が魔王城で1年間過ごして、プレイヤーがそこに関わることでどういうエンディングになるのかを楽しむ育成ゲームになっています。
ーーカートリッジで販売することになった経緯を教えてください。
ディープブリザード氏:GBをはじめ、そこから続くGBA、DS、3DSといった携帯ゲーム機が今でもすごく好きなので、いつか自分で作りたいなとか、そういうのに関われたらいいなと思ってたときに「GB Studio」っていうオーサリングソフトに出会いました。
「GB Studio」で作れることがわかったので、じゃあ作ってみようっていうところから始まりました。書き出したデータをROMカートリッジに焼き込めば物理版として作れるということで独学で勉強しながらなんとかやってみたら上手くできたので、それなら実際に作ってみようということになりました。
ーーあえてカートリッジとして出すことで苦労したことや良かったことはありますか?
ディープブリザード氏:量産しようとするとすごく時間がかかりますし、カートリッジのケースなども3Dプリンターを使ってオリジナルで作っているので、ちゃんと差込口に合うかどうかだったり、動作にエラーが出たみたいなトラブルもあったりなどして大変でした。ですが、実際に遊んでいただいた方からはすごく好評で、当時ゲームボーイをやっていた方がすごく楽しんで触ってくれてるのは作って良かったなと思います。
ーーキャラクターも魅力的ですが、こちらもお一人で描かれているのでしょうか?
ディープブリザード氏:はい。ゲーム部分が「GB Studio」っていうフリーで作れるもので作っているので、そこ以外で関わっているグラフィックだったり音楽だったり、ドット絵のマップだとかも全て私一人の力でやっています。本職がイラストレーターなので、イラスト部分は自分で全部作れるっていうのはある意味気楽というか、楽しく作れた点だと思います。
ーー特にこだわっている部分について教えてください。
ディープブリザード氏:『魔王城のミラテン』はエンディングの数が25種類あるんですが、グラフィックは全て描き下ろしてますし、それ以外にも町の中の人やイベントであったり、ゲームの中で勇者っていうキャラクターが毎月襲いに来るっていうイベントではVTuberの方にゲストで出ていただいたりしています。そのイラストも全部ご本人へ許可を得た上で作っているので、全部で60枚から70枚ぐらいイベントグラフィックは描いてるんです。これを一人でやり遂げたというのは、本作の中では見どころですね。

ーー実際にプレイされた方のリアクションはいかがでしたか?
ディープブリザード氏:「ゲームボーイなのにすごいグラフィックが綺麗」と言っていただけて、思わず「私が描きました!」と言いたくなるほど嬉しかったです。あとは、今の現行機のようにチュートリアルがすごく潤沢だったり、どう触ったらいいのかっていう指示をなかなか出しづらかったりする部分があるので改善できるようにしたいですね。概ね触った方からは遊びやすかったと言っていただけたのは良かったなと思います。
ーー確かに今は丁寧なチュートリアルがあるゲームがほとんどですが、だからこそ手探りで新しい発見を見つけていくシステムは当時のレトロゲームを思い出して懐かしい気持ちになりました。
ディープブリザード氏:当時は今みたいにオンラインマニュアルやチュートリアル画面がないので、紙の説明書とかを読むなどが多かったと思うんです。『魔王城のミラテン』でもデジタルデータではあるんですけどマニュアルを作ってゲーム内で不足してる説明とか補足はしてるんですが、せっかく遊んでもらうならゲーム内でのチュートリアルは潤沢にした方がいいのかなとは、今回初めて展示にしたときに感じた点ではありました。
私もレトロゲームが好きなので当時はこうだったよねというのは全然アリだと思うんですが、これから古い新しい関係なくピクセルゲームを遊びたいという人に、令和にある最新のすごいグラフィックのポリゴンのゲームと私のゲームを同じように遊んでもらえるような施策は取れたらなとも思っています。もちろんこの分からなさとかも楽しいよって言ってもらえるのは、それはそれで嬉しいんですけどね。
ーー最後に本作はどのようなユーザーに遊んでいただきたいですか?
ディープブリザード氏:当時ゲームボーイ遊んでいた方とかレトロゲームが好きだった方はもちろん、色々なゲームを気軽に触ってみたい方など、レトロゲームだから古臭いではなく、レトロゲームだけど令和の今遊んで楽しいゲームを目指して頑張って作っています。今遊んでるゲームが好きっていう人までちゃんと届けるような活動ができたらなと思います。
ーーありがとうございました!











