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取扱説明書に残された“前の持ち主”のメモ、その正体は…? 秘密だらけのレトロアクションローグライク『Dungeon Lurker』【試遊&インタビュー】

ローグライクでありながらマップは全て手作り、なぜ自動生成に頼らないのか?

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取扱説明書に残された“前の持ち主”のメモ、その正体は…? 秘密だらけのレトロアクションローグライク『Dungeon Lurker』【試遊&インタビュー】
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2026年8月26日(水)~30日(日)にかけて、ドイツ・ケルンで世界最大のゲームイベント「gamescom 2026」が開催されました。

会場には「Indie Arena Booth」という、世界各国から集まった数百規模のインディータイトルが一堂に会するエリアが登場。インディーゲーム好きにとって見逃せないブースとなっていました。

今回は、その一角で13AM Gamesが開発を手掛ける『Dungeon Lurker』の試遊を体験。13AM Gamesは、Steamで“非常に好評”の評価を獲得している『Runbow』や『Dawn of the Monsters』の開発元です。ブースではレトロゲームに影響を受けた作品なだけあって、アーケード筐体を模したブースでプレイすることができました。

『Dungeon Lurker』は、呪われたダンジョンの奥深くへと足を踏み入れ、自らの過去にまつわる秘密を暴いていくレトロ調のアクションローグライク。「Eclipse 32」という架空のレトロコンソールを模した3Dグラフィックとダークな世界観が特徴となっています。

本稿では、そんな『Dungeon Lurker』のプレイレポートとインタビューをお届けします。

古典的なベルトスクロールに、説明書を使ったメタ演出を組み合わせて物語を駆動させる

『Dungeon Lurker』は『ゴールデンアックス』『ファイナルファイト』のような古典的なベルトスクロールアクションゲームの影響を感じる作りです。操作もシンプルで、通常攻撃・タメ攻撃・回避・防御・ジャンプに加え、ガードしながらボタンを押すことで発動できる魔法などのスキルを割り振ることができます。

もちろん、ジャンプと攻撃を組み合わせることでジャンプ攻撃が発生するなど、これらの行動を組み合わせることでより強力な一撃を放つことも可能です。

ゲーム開始地点には、早速立派な石像のようなものが佇んでいます。話しかけるとスキルや武器を強化してくれる存在で、このスキル強化はステージ開始時に3つの選択肢から選ぶ形式。表示される候補はランごとにランダムのようです。強化の内容はどれもオーソドックスなもので、剣や盾の性能アップのほか、自分の行動に特別な効果を付与するもの(例えばジャンプの着地時に衝撃波が発生する、など)が用意されていました。

そして本作の大きな特徴のひとつが「取扱説明書」の存在です。マニュアルには、操作方法や敵モンスターの特徴、魔法・スキルの説明が一通り記載されているのですが、それだけに留まりません。前の持ち主が書き込んだと思われる手書きのメモが随所に残されているのが最大の特徴です。

例えば、ダンジョンのマップページには「Short cut!!(近道!!)」という走り書きとともに、フロアを一段飛ばせるルートが矢印で示されていたり、敵モンスターの説明欄には、体の一部を丸で囲んで「弱点」が書き加えられていたりと、まるで本当に誰かが遊んだ形跡が残るゲーム機を譲り受けたかのような体験をすることができます。

マニュアルによれば、本作の目的はダンジョンの最深部へたどり着き、囚われた「兄弟」を救出すること。ダンジョンは全15フロアで構成された迷路状の構造で、初回の挑戦で最深部に到達することはできないものの、忍耐と経験を積み重ねればいずれ必ず攻略できる、と書かれていました。

各フロアの合間には、マップに潜む3人のキャラクターとも遭遇できるようです。新たな能力を授けてくれる「プリースト」、新しい呪文を教え、習得済みの呪文をアップグレード・入れ替えできる「魔女」、そして手持ちの金貨で回復・バフ効果のあるトニックを購入できる「スカベンジャー」。これらのキャラクターから得られる恩恵を組み合わせることで、プレイヤーごとに異なる強化ルートを描けそうな設計になっています。

こうした「ゲーム内ゲーム」という構造こそが本作の核心と言えそうです。ベルトスクロールアクションそのものを楽しむのはもちろん、マニュアルというメタ的な装置を通じて、その外側にある物語(前の持ち主は誰なのか、なぜこのゲームに取り憑いているのか)が、プレイの進行とともにだんだんと明らかになっていく作りになっています。このようなストーリーテリングの手法は、近年のインディーゲームで言えば『TUNIC』を彷彿とさせるものがあります。

なんと言っても、このゲームはゲーム画面のルックが超クール。架空のレトロコンソール「Eclipse 32」を模した3Dグラフィックと256色のビジュアルは、単なる懐古趣味に留まらない独自の存在感を放っており、グールやゴブリンといった敵とのリアルタイム戦闘や、隠し要素の発見といった王道の魅力とあわせて、非常に完成度の高い試遊体験でした。

プレイヤーの選択が重要だから、マップは自動生成にしない

──このゲームにはどんなバックストーリーがあるのでしょうか?

アレックス・ラシュディ(13AM Games):このゲームは元々、今のプレイヤーの前に別の誰かが所有していたものであり、その人物はすでに亡くなっています。そして彼は、このゲームのマニュアルにメモを書き残しています。プレイヤーがゲームを進めていくと、その前の所有者の幽霊がゲームに「取り憑く」ようになります

──前の所有者はゲームにどのような影響を与えていきますか。

ラシュディ:ゲームをプレイして深く進めば進むほど、ゲームはよりバグや心霊現象に侵されていきます。時にはゲーム自体がグリッチしたり、幽霊のアバターが実際に現れてプレイヤーを攻撃してきたりするかもしれません。

──1990年代のレトロなビジュアルスタイルは、どのようにして生まれたのですか?

ラシュディ:私は昔からレトロゲームが大好きでした。そしてこのゲームは、私の子供時代のゲームにインスパイアされています。そのため、市場にある他のピクセルアートのゲームとは少し違った見た目のピクセルアート作品を作りたかったんです。

──なぜ手作りの、自動生成ではないレベルデザインにこだわったのですか?

ラシュディ:私はアーケードゲームの大ファンなんです。プレイヤーには、自分がいるステージが記憶に残り、探索しやすいと感じてほしいと思っています。プロシージャル生成(自動生成)されたレベルだと、時々ランダムすぎると感じてしまうことがあります

プレイヤーには「どのレベルに行きたいか」を意識的に選択してほしいんです。例えば、回復アイテムがあるレベルに行くか、あるいは装備できる魔法がある高難易度のレベルに行くか、といった具合ですね。

──なぜ、ゲームと一緒にマニュアル(取扱説明書)を作ろうと思ったのですか?そして、そのマニュアルを使ってストーリーを語ろうとした理由を教えてください。

ラシュディ:プレイヤーに「誰かがゲームをプレイしている」というメタ的な感覚を本当に味わってほしかったからです。そして、そのゲーム自体にも物語があります。

このマニュアルは、ゲームの操作方法やシステムを学べる「取扱説明書」として機能する一方で、ゲーム内の多くの秘密を解き明かす鍵にもなります。なぜなら、このマニュアルは前の所有者のものであり、彼らがメモや落書きを書き残しているからです。つまり、マニュアルはゲームの物語の一部なんです。

「私の前にこのゲームを所有していたのは誰なのか? そして、なぜ彼らは私に取り憑いているのか?」という謎を解き明かすためのものですね。

──最後に、日本のプレイヤーに注目してほしいポイントは何ですか?

ラシュディ:日本のプレイヤーの皆さんには、瞬間瞬間の戦闘やレベルデザインに注目してもらい、できるだけ多くの秘密を見つけようと挑戦してほしいです。このゲームには、ゲームプレイの設計や物語など、至る所に多くの秘密が隠されています。プレイヤーがこのゲームに深くのめり込み、ゲームの世界についてできる限り多くのことを学んでくれることを心から願っています。


『Dungeon Lurker』はPC(Steam)向けにリリース予定。日本語への対応も予定されています。

《タナカハルカ》

気さく タナカハルカ

インディーゲームデベロッパー・よんとんトマチンのメンバー(ヤムニャン学園)として『ふりかけ☆スペイシー』を開発。著書『海外ゲーム音楽ガイドブック ビデオゲームからたどる古今東西の音楽』『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』。寄稿『ユリイカ2025年12月臨時増刊号 総特集=大貫妙子』『DAWN N°2』など。毎週新高円寺で会える。

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