2026年8月、ドイツ・ケルンで開催された「gamescom 2026」。会場にて、Eschatology Entertainmentが開発する新作FPS『ガンズ・オブ・エスカトン』を試遊してきました。
本作は、終末を迎えつつあるアメリカを舞台にした一人称視点のソウルライクFPSです。砂埃の舞う荒野やガンマン、リボルバーといった西部劇らしいモチーフに、怪物やオカルトといった異質な要素を組み合わせた「終末西部劇」が展開されます。開発はEschatology Entertainment、パブリッシャーは4Divinityです。
今回用意されていたのは、gamescom向けに本作の主要なシステムを凝縮した特別デモ。チュートリアルからスタートし、敵のひしめく村を抜け、最後にはボス戦まで体験できました。
頭を撃てばいいわけじゃない!敵によって「正しい撃ち方」が違う
本作の戦闘を特徴付けているのが、敵ごとに設定された「Sequence Points(シークエンスポイント)」です。プレイヤーが持つ手描きの「Cherokee Codex」には敵の行動や弱点、身体構造などの情報が記されており、それを手掛かりに相手を攻略していきます。
たとえばチュートリアルで登場した敵なら「脚→頭」。指定されたポイントを正しい順番で撃つことで、その後の攻撃へ追加ダメージが乗っていきます。開発スタッフからも、「たくさん撃ってほしいのではなく、少ない射撃を非常に正確に撃ってほしい」と説明されました。

逆に言えば、Codexに記された攻略法を無視して適当に撃っていると、敵を倒すのがかなり面倒です。しかし、この面倒臭さが意外にも戦闘を退屈させません。同じような人型の敵であっても、ライフルを持った相手なら「左脚→左腕→頭」、頭部を覆われた敵なら脚を順番に狙うなど、ひとりひとり対処法が異なるからです。後者についてスタッフは、「頭を撃つことが解決策ではないと示すため」に用意した敵だと説明していました。
筆者は、ソウルライクと一人称シューターを組み合わせた作品では、敵の攻撃を避けて反撃の隙を待つ時間が少々間延びして感じられることがあります。しかし本作では、その間にも「次はどこを撃つのか」「どの敵から処理するのか」を考え続ける必要があります。それぞれの敵に異なる“解法”を用意することで、慎重な戦闘を単なる待ち時間にしていないのです。

開発スタッフ自身も、本作について「見た目はシューターですが、まず第一にソウルライク」と説明していました。普通のシューターのように大量の弾丸を撃ち続けるのではなく、撃つ前に考えることが重要だといいます。また敵の攻撃にはパリィも可能で、一部の飛び道具すら弾くことができます。
さらにデモには、起動しておけば死亡時の復活地点となるキャンプファイアも登場。このあたりも、単に高難度なFPSというだけではなく、ソウルライクの文法をかなり意識して作られていることがわかります。
一発撃って、一発ずつ弾込め。19世紀銃器の「不便さ」が格好いい
今回筆者が主に使用したのはリボルバーです。gamescom版では複数の戦闘スタイルを短時間で試せるようアーキタイプが用意されており、その中から2丁のリボルバーを扱う「Sheriff」を選択しました。
なお、このアーキタイプはデモ向けの仕様。製品版では特定のクラスに縛られるわけではなく、各キャラクターで多数の能力を解放し、それらを組み合わせて自分なりの戦い方を作れるとのことです。今回のSheriffには、弾切れ状態でパリィに成功するとリボルバーへ弾丸を補充する能力などが用意されていました。
銃そのものの取り扱いにも強いこだわりがあります。開発スタッフによると、本作に登場する武器には19世紀に実在した銃器のリファレンスがあり、撃つ前に撃鉄を起こす必要があるならゲーム内でもその操作が必要になるなど、当時の銃器の仕組みを戦闘に取り入れているとのことです。

もちろん、リロードも現代のFPSのように一瞬では終わりません。今回使用したリボルバーでは、シリンダーへ一発ずつ弾丸を込めていきます。敵が迫っている中、カチャ、カチャと一発ずつ装填していくのはなかなか怖いものがあります。
しかし開発スタッフは、このリロードの遅さを欠点として隠そうとしているわけではありません。「だからリロードがこんなに長い。そして私たちはそこが好きなんです」と話しており、ゲーム全体のテンポそのものを、ゆっくり装填してゆっくり撃つ19世紀銃器の性質を中心に構築していると説明していました。
リロード中でもパリィは可能なので、「安全な場所まで逃げて装填が終わるのを待つ」だけではありません。リボルバーへ弾を込めながら敵の攻撃にも対処し、装填できた一発をどこへ撃つのか考える必要があります。西部劇テイストの荒涼とした世界で、扱いにくいリボルバーを握って一発ずつ怪物を仕留めていく。この少々泥臭い戦い方が単純に格好いいのです。
製品版では20種類以上の19世紀銃器が登場予定で、アクティブ・パッシブ能力やカスタム弾丸、タリスマン、防具などを組み合わせたビルド要素も用意されています。また、敵に応じて異なる弾丸を選び、リボルバーのシリンダーそのものを「消耗品の列」あるいは「戦闘計画のタイムライン」のように扱うシステムも公式に紹介されています。
今回のデモではそこまで深い弾薬管理には触れませんでしたが、「次に撃つ一発」を重視する本作との相性は良さそうです。
「強いから難しい」だけじゃない。“正しい手順”を見抜くギミックボス戦
デモの最後には、巨大な目玉のようなボスが待ち受けていました。空中に浮いた目玉の周囲に、いくつもの円環が重なったような異様な姿をしています。

ここでも通常の敵と同様、「どこへ撃ってもいい」わけではありません。攻略法は、円環上に配置されたポイントを外側から順番に撃っていき、最後に中央の目玉を撃つというもの。一度正しい場所を撃けば次のポイントへ進み、これを繰り返すことでダメージを与えていきます。
つまり、ただ頑張って攻撃し続ければそのうち倒せるボスではなく、まず「どうやって倒すのか」そのものを理解する必要があるギミックボスです。
このボスの面白さは、単純に攻撃を避けて撃ち続けるだけでは勝ちにくいところにあります。まず攻略手順を理解し、そのうえで実際に狙いを定め、攻撃をかわしながら順番どおりに撃ち抜く必要があります。解法の理解と、その実行力の両方が問われるボス戦でした。
とはいえ、仕掛けがわかれば簡単というわけでもありません。ボスは攻撃中もこちらへ容赦なく攻撃してきます。パリィ可能な攻撃に加えて、ダッシュで避けなければならない大技もあり、それらをかわしながら小さなポイントへ照準を合わせ、さらに決められた順番で撃ち抜く必要があります。
つまりここでは、ギミックを理解する頭、FPSとしてのエイム力、そしてアクションゲームとして攻撃を回避する力が同時に試されます。狙うことに夢中になれば攻撃を受け、回避ばかりしていればシークエンスを進められない。難しいのですが、かなりやりごたえがあり、「次こそは」と思わせてくれるボス戦でした。

筆者も最初の挑戦ではあと一歩というところで敗北。その際スタッフから、途中でリロード速度の遅いリボルバーへ持ち替えていたため、装填している間にボスへ回復する時間を与えてしまっていたと指摘されました。再挑戦ではそこにも気を配り、なんとか撃破できました。
Codexを開いて、一発ずつ弾を込める。その“面倒臭さ”が面白い
今回のデモは戦闘中心でしたが、本編では探索や物語にもかなり力が入れられているとのこと。開発スタッフによれば、多数のクエストが存在し、世界や物語を深く探索することで、ボス戦に異なる解決方法を見つけられる場合もあるそうです。さらに、終末を迎えようとしている世界をどう救うのかについても、異なる方法を発見できると説明していました。
今回のデモでも、敵がひしめく村は必ずすべての敵を倒さなければならない場所ではなく、そのまま抜けてボスへ向かうことも可能でした。戦闘で敵を「どう倒すのか」だけでなく、「そもそもどう問題を解決するのか」という部分にも選択肢を持たせようとしているようです。

一発撃つたびに撃鉄を操作し、弾がなくなれば一発ずつ装填する。そのうえ、Codexを確認して敵ごとの正しい攻略法まで考えなければならない。本作は、とにかく“面倒臭い”FPSです。
しかし筆者としては、その面倒臭さこそがかなり面白く感じられました。Codex通りに撃たなければ敵の処理には苦労する一方で、ひとりひとり違う攻略法が用意されていることで、「また同じ敵を撃っている」という感覚になりにくい。ソウルライク的な慎重さをFPSへ持ち込みながらも、ただ敵の隙ができるのを待つゲームにはしていません。
敵の弱点を調べ、攻撃をかわし、一発ずつ弾を込め、その一発を正しい場所へ撃ち込む。そしてボスでは、そもそも「どう倒せばいいのか」というギミックまで見抜かなければならない。
撃ちまくれないからこそ、撃つことが面白い。短い試遊ながら、『ガンズ・オブ・エスカトン』にはそんな明確な個性を感じました。
『ガンズ・オブ・エスカトン』はPC(Steam)/PS5/XBOX Series X|S向けに開発中。Steamでは2026年発売予定とされており、ソロプレイに加えてCo-opでストーリー全編を進行できるほか、PvP要素も予定されています。









