なぜ“日中戦争”をFPSで描くのか?『The Defiant』開発者が語る、ゲームでは珍しい東アジア戦線への挑戦とこだわり【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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なぜ“日中戦争”をFPSで描くのか?『The Defiant』開発者が語る、ゲームでは珍しい東アジア戦線への挑戦とこだわり【インタビュー】

1930~40年代の中国を舞台にしたナラティブシューター『The Defiant』のゲームプロデューサーKong YuHeng氏にgamescom 2026にあわせてメールインタビューを実施。日中戦争という題材を選んだ理由や史実とゲーム性の両立、日本語ローカライズへのこだわりを聞いた。

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なぜ“日中戦争”をFPSで描くのか?『The Defiant』開発者が語る、ゲームでは珍しい東アジア戦線への挑戦とこだわり【インタビュー】
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第二次世界大戦を題材にしたFPSといえば、ノルマンディー上陸作戦やスターリングラード、北アフリカ戦線など、欧州を中心とした戦場が描かれることが多いジャンルです。

そんな中、これまでゲームでは比較的描かれる機会の少なかった日中戦争を扱う作品が『The Defiant』です。

本作は1930年代から1940年代の中国を舞台にしたストーリー重視のFPS。戦火に巻き込まれた人々の物語を描きつつ、大規模な銃撃戦だけでなく、ステルスや小規模な交戦なども盛り込まれています。

Game*Sparkではgamescom 2026にあわせ、本作のゲームプロデューサーを務めるKong YuHeng氏にメールインタビューを実施。なぜこの時代を舞台に選んだのか、史実とゲーム性をどのように両立させるのか、そして日本語ローカライズで重視していることなどを訊きました。

ゲームでは珍しい「日中戦争」を描く理由

――まず、日本の読者に向けて『The Defiant』がどのようなゲームなのか、簡単に紹介していただけますか?

Kong YuHeng氏(以下、Kong氏):『The Defiant』は、1930年代から1940年代の中国を舞台にした、一人称視点のナラティブシューターです。

没入感のある戦闘やリアルな環境、そしてさまざまな登場人物の物語を通じて、ゲームでは比較的描かれる機会の少なかった東アジアの戦場を、プレイヤーの皆さんにお見せしたいと考えています。

――第二次世界大戦を扱うゲームは多い一方、中国戦線を正面から描くFPSは非常に珍しいです。なぜこの舞台を選んだのでしょうか?

Kong氏:第二次世界大戦を題材にしたゲームは数多くありますが、中国戦線がゲームの中で描かれる機会は、これまで比較的限られていました。

中国にとって、この時代は非常に重要な歴史の一部であり、語る価値のある多くの物語があります。

『The Defiant』を通じて、海外のプレイヤーにもこうしたあまり馴染みのない視点に触れてもらうと同時に、従来の第二次世界大戦を題材としたシューターとは異なる体験を届けたいと考えています。

――『The Defiant』で特に描きたいのは、歴史的な戦闘そのものでしょうか。それとも、戦争の中で生きた人々の体験でしょうか?

Kong氏:私たちにとって、そのふたつは切り離されたものではありません。

歴史的背景が物語の土台となり、登場人物たちの経験によって、プレイヤーは実際にその世界へと入り込んでいきます。当時の時代背景を尊重しながら、登場人物、戦闘、環境を組み合わせることで、ひとつのまとまりある、没入感の高いゲーム体験を作りたいと考えています。

史実を「そのままコピーする」のではなく、ゲームとして成立させる

――開発にあたって、どのような史料や証言を参考にしていますか?また、実在した戦闘や場所をゲーム向けに再構成する際、どのような基準を設けていますか?

Kong氏:開発にあたっては、数多くの公開されている歴史資料や映像記録、関連する研究を参考にしています。また、現地での調査も実施しました。

ゲーム内の内容については、実際の時代背景や当時の環境のディテールを可能な限り尊重しています。

一方、レベルデザインやゲームプレイのテンポについては、ゲームとして楽しめるよう適切な調整も加えています。私たちが重視しているのは、歴史そのものを単純に再現することではなく、歴史的背景とゲーム体験を自然な形で融合させることです。

登場人物の物語も「FPSのゲームプレイ」の中で描く

――主人公や仲間たちは実在の人物をモデルにしているのでしょうか?また、大きな戦争の歴史だけでなく、個人の生活や家族、日常が戦争によって変化していく姿も描かれますか?

Kong氏:登場人物については、当時の歴史的背景やさまざまな資料を参考にしながら作っています。その時代に自然に存在していると感じられる人物にしたいと考えています。

特定の人物をモデルとして強調することよりも、それぞれのキャラクターがゲーム全体のストーリーや体験の中でどのような役割を果たすのかを重視しています。

そして『The Defiant』の核となるのは、あくまで一人称視点のシューターとしての体験です。登場人物たちの経験を、レベルや戦闘、環境を通じたストーリーテリングと組み合わせることで、ゲームを進めていく中で、プレイヤーが彼らやその世界について徐々に知っていけるようにしています。

大規模戦だけではない。ステルスや小規模戦も登場

――FPSとして、『The Defiant』ならではの体験はどこにあると考えていますか? 大規模戦だけでなく、ゲリラ戦や潜入、少人数での戦闘なども登場するのでしょうか?

Kong氏:『The Defiant』では、戦闘に多様性を持たせ、状況によってテンポが変化する体験を目指しています。

比較的大規模な正面戦闘だけではなく、ステルスや小規模な交戦、さまざまな環境での戦闘も登場します。プレイヤーは戦場の状況に応じて、自分の行動や戦い方を変えていく必要があります。そうした部分も、本作で実現したい中核的な体験のひとつです。

日本語版は「正確さ」と「自然な日本語」を両立

――日本語ローカライズでは、特に歴史用語や軍事用語を日本のプレイヤーにも自然に伝えるため、どのような点を重視していますか?

Kong氏:最も重視しているのは、厳密さと正確さです。

歴史用語や軍事用語については、関連する史料や専門的な資料をもとに調査・確認を行います。同時に、日本語として自然な表現になることも十分に考慮し、不自然な直訳は避けたいと考えています。正確さを維持しながら、日本のプレイヤーにもゲームの内容が自然かつ明確に伝わるローカライズを目指しています。

――最後に、日本のプレイヤーやGame*Spark読者へメッセージをお願いします。

Kong氏:日本のプレイヤー、そしてGame*Spark読者の皆さん、『The Defiant』に関心を持っていただき、本当にありがとうございます。

中国から生まれた作品として、私たちはひとつのゲームをしっかりと作り上げること、そしてこの土地とこの時代に根ざした物語を誠実に伝えること、その両方を大切にしています。

優れたゲームは言語や国境を越え、異なる場所に暮らすプレイヤーが過去を見つめ、これまで知らなかった物語に触れるきっかけになると信じています。

忘れられるべきではない物語があります。そして私たちは、それをより多くの人々に届けるための方法として、ゲームを選びました。

いつか『The Defiant』の世界で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。


『The Defiant』は、Steam向けに発売予定です。

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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《ライター:みお》

ライター/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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