
Valveは11月4日、Steamで配信を予定している開発者向けに「リリース前のレビュープロセスに関するアップデート」と題したアナウンスを公開しました。ゲームのレビュー(審査)の提出増加にともなう審査の遅れを解消し、より迅速にプロセスを進めるための施策を伝えています。
再審査の多発を受け改善へ、スクリーンショットについては規制を緩和
Steamでゲームをリリースする前には、ゲームの「販売ページ一式(説明文やジャンル、スクリーンショットやトレイラー)」と「ビルド(ゲーム本体の実行ファイル一式)」の2点で、Valveのレビューチームによるチェックを受ける必要があります。
Steamのアナウンスによれば、この数か月でストアページやゲームビルドの審査申請が大幅に増加。多くの開発者から、審査結果を受け取るまでに予想以上の時間がかかることが大きなストレスになっているという意見が出た、とのことです。
これまでは通常3~5営業日以内でのレビューを目標にしているものの、現在は最大12営業日ほどかかっています。主な原因は、再審査が必要となるゲームが多いことにあるとし、初回の審査で完了できるようにするための改善の第一歩であると、Steam側は説明しています。
リリースチェックリストには、以下の項目が新たに追加されています。
Steam経由でゲームを5分以上実行していること
必要な共通再頒布可能パッケージ(DirectXやVisual C++など)を確認すること
実績が正しく設定されていること
Steamクラウドセーブが正しく機能すること
ゲームプレイのスクリーンショットを5枚以上用意し、カテゴリーを指定すること
1点目の「Steam経由でゲームを5分以上実行していること」については、「信じられないかもしれませんが、Steam上で一度もプレイされたことのないビルドをレビューすることがあります」とValveは理由を説明。
開発側が実行ファイルを直接起動して正常に動作したとしても、Steam経由でインストールしてプレイするユーザーの基本的な手順(起動オプションやデポ設定など)を見落としている可能性があるため、審査提出には過去7日以内(※最後のビルドが7日より前の場合は最終アップロード以降)にSteam経由で5分以上プレイした記録が必須となりました。
5点目の「ゲームプレイのスクリーンショットが5枚以上あること」に関しては、従来のルールが緩和されたと言えるでしょう。
2016年のアップデートでは、ストアへの“実際のスクリーンショット”以外の画像の掲載を制限する方針を発表。ストアの「スクリーンショット」として指定されている部分に、実際のゲームプレイ画像ではなく、コンセプトアートやプリレンダ画像、各種受賞の画像、商品説明などを置くことはユーザーがゲーム内容を理解する妨げになる、としていました。
今回のアップデートではコンセプトアート、ゲーム内のシネマティックシーンのスクリーンショットも、正しいカテゴリを指定しアップロードすれば使用可能となります。こういった画像が制限されていることになっていたものの、実際には守られていないことも多かったようで、緩和されたのだと思われます。
レビューのチェックリスト更新は、あくまで開発者側の確認不足による再審査を減らすことが目的です。しかし、審査申請の増加が続くのであれば、開発者側の対応だけで遅延を解消できるとは限りません。
生成AIの普及によってゲームの制作・公開が容易になり、Steamだけでなくitch.ioなどゲーム配信プラットフォームには日々、大量の新規タイトルが投稿されています。
中にはSNSで話題を生んだ作品のクローンゲームが、一夜にして複数本登録されるプラットフォームもある状況です。今回のアップデートは生成AIを使用したゲームへの直接的な対策ではありません。
しかし、審査する側の負担が増していて普通のゲームの審査まで遅延しているような現状を考えると、今後は審査体制そのもののさらなる見直しも必要になってくるのかもしれません。









