マダガスカルの開発者だからこそ作れたアクションADV『Kalanoro』―伝説の生き物から乗合バスまで、故郷への愛が詰まった冒険の舞台裏【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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マダガスカルの開発者だからこそ作れたアクションADV『Kalanoro』―伝説の生き物から乗合バスまで、故郷への愛が詰まった冒険の舞台裏【インタビュー】

PS Storeで25%オフセール中!マダガスカルのゲーム開発事情も訊きました。

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マダガスカルの開発者だからこそ作れたアクションADV『Kalanoro』―伝説の生き物から乗合バスまで、故郷への愛が詰まった冒険の舞台裏【インタビュー】
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アフリカ南東部に位置する島国・マダガスカル。独特の生態系や文化で知られるこの国から、ひとつのアクションアドベンチャーゲームが生まれました。

それが、マダガスカルのインディースタジオRed Raketa Studioが手掛けた『Kalanoro(カラノロ)』です。

本作は、マダガスカルの民間伝承に登場する不思議な存在「カラノロ」をモチーフにしたアクションアドベンチャー。主人公のカラケリーは、ある予言をきっかけに世界を救う使命を背負うことになり、キツネザルの音楽仲間たちとバンドを結成しながら、ファンタジー世界「レムリア」を冒険していきます。

ゲームにはマダガスカルの文化や風景、音楽がふんだんに取り入れられているほか、ユーモラスなキャラクターたちや、バンド運営とアクションを組み合わせた独特のゲームプレイも特徴です。

2026年9月24日に発売された本作ですが、そもそもマダガスカルでは、どのようなゲーム文化が育まれているのでしょうか。そして、同国の開発者たちは何を考え、どのような環境でゲームを制作しているのでしょうか。

今回、開発を手掛けたRed Raketa Studioにメールインタビューを実施。『Kalanoro』誕生の裏側からマダガスカルのゲーム事情まで、さまざまなお話を伺いました。

「隣人がカラノロを飼っている」と信じていた!?伝承から生まれた主人公

――まず、Red Raketa Studioについて教えてください。

Red Raketa Studio:私たちは2021年に設立された、マダガスカルのインディーゲームスタジオです。

プログラミングやゲームデザイン、アート、コンテンツ制作など、異なるバックグラウンドを持ったメンバーが、共通の「ゲームへの愛」によって集まりました。

当初はわずか3人でスタートしましたが、『Kalanoro』の開発中に徐々に規模を拡大し、最終的には8名のコアメンバーからなるチームへと成長しました。実は、メンバーの多くにとって本作が初めて手掛けるビデオゲームでもあり、本当に大きな冒険の連続でした。

また、コアメンバーだけでなく、アニメーションや3D制作、コンセプトアート、UI、サウンドデザイン、音楽などの分野で、約10名のマダガスカル人クリエイターやフリーランスの友人たちにも協力してもらいました。

私たちは全員、「マダガスカルから世界へ向けて、記憶に残るゲームを生み出したい」という共通の目標を持っています。

――『Kalanoro』という題材には、どのようにたどり着いたのでしょうか? マダガスカルの伝承に登場する「カラノロ」が現地でどのような存在として語られているのか、そしてゲームの主人公としてどのように再解釈したのかを教えてください。

Red Raketa Studio:マダガスカルの民間伝承において、カラノロは一般的に、小柄で毛深く、どこか神秘的な存在として語られています。

彼らは森や不思議な力、時には幸運とも結び付けられています。物語によっては人助けをする存在だったり、いたずら好きだったり、少し不気味な存在として描かれることもあります。いわば、マダガスカル版の毛むくじゃらなレプラコーンのような存在ですね!

実は、私たちがカラノロに魅了された背景には面白いエピソードがあるんです。

共同創設者でナラティブデザイナーでもあるDinaは、長い間「隣人がカラノロを飼っている」と本気で信じていました。彼女は、この不思議な生き物に夢中だったのです!

私たちは、この伝承上の存在に大きな魅力を感じ、本作のファンタジーアドベンチャーの出発点としました。ただし、伝承をそのまま忠実にゲーム化するのではなく、創作上の自由も大切にしたいと考えました。

そうして誕生したのが、明るく好奇心旺盛で、少しおっちょこちょいな主人公・カラケリーです。

彼女はいつだって故郷の外の世界を見てみたいと夢見ていました。しかし、まさか少々あやしい予言によって、突然世界を救う使命を背負わされることになるとは思ってもいなかったでしょう!

私たちはカラノロという伝承の持つ魅力や精神を残しつつも、独自の個性やユーモア、愛嬌を持ったキャラクターを作りたいと考えました。たとえプレイヤーがカラノロという存在を知らなくても、自然に共感し、親しみを感じられる主人公にしたかったのです。

――本作には、マダガスカルの暮らしや文化、土地ならではのユーモアも反映されているのでしょうか? 現地のプレイヤーだからこそ気づくような要素があれば教えてください。

Red Raketa Studio:もちろんです! 私たちは、マダガスカル文化が『Kalanoro』の世界に自然に溶け込むようにしたいと考えていました。

そのため、マダガスカルのプレイヤーなら気づいて思わず笑顔になるような、小さな要素をたくさん盛り込んでいます。

最も分かりやすい例のひとつが「タクシー・ブルース(乗合バス)」です。これはマダガスカルの日常生活でおなじみの交通手段ですが、本作では主人公たちのバンドツアーバスとして登場します!

また、レムリアの世界には、もっとさりげない文化的な要素も数多く散りばめられています。

各地の環境はマダガスカルの多様な景観や植生から着想を得ており、バオバブやラヴィナラ、ラケタ・メナ(ウチワサボテン)といった植物が登場します。

島の各地域に見られる建築様式や伝統衣装、色鮮やかな「ランバオアニ(lambahoany)」をはじめとする織物のデザインも参考にしています。

食文化もまた、私たちの故郷らしさを感じられる要素のひとつです! プレイヤーは、キツネザルの音楽仲間たちのために、ラヴィトトやコバ、メナケリーといったマダガスカルの料理やお菓子を作ることができます。

さらに、文章や会話、キャラクター名の中にまで数多くのローカルネタを忍ばせています。

例えば、謎めいた運転手兼ガイドの「ミリー・クレマン(Mille-Clément)」という名前は、世代を超えて愛されているマダガスカルの著名なアーティスト、Mily Clémentへのオマージュです。

こうしたネタは、マダガスカルのプレイヤーなら思わずニヤリとしてしまうかもしれません!

私たちは、こうした要素を文化の誇張やステレオタイプとしてではなく、マダガスカル文化への敬意と祝福として描きたいと考えていました。

レムリアは私たちが創り上げたファンタジー世界ですが、その中には私たちにとって親しみ深いものがたくさん詰まっています。そして海外のプレイヤーにとっても、新たな発見を楽しめる世界になれば嬉しいですね。

マダガスカルではどんなゲームが人気?現地の開発事情も聞いた

――マダガスカルの人々は、普段どのようにビデオゲームを楽しんでいるのでしょうか? 人気のタイトルやジャンル、ゲームコミュニティについて教えてください。

Red Raketa Studio:マダガスカルには、非常に情熱的で多様性に富んだゲームコミュニティがあります。スマートフォン、PC、家庭用ゲーム機など、さまざまなプラットフォームで多くの人々がゲームを楽しんでいます。

モバイルゲームは特に人気が高く、『Free Fire』や『PUBG Mobile』、『Mobile Legends』などを通じて、多くのプレイヤーがつながっています。

一方で、PCやコンソール向けゲームにも熱心なコミュニティが存在しています。

『EA Sports FC』や『eFootball』などのサッカーゲーム、『鉄拳』のような格闘ゲーム、さらには『Dota 2』や『League of Legends』といった競技性の高いタイトルも人気を集めています。

人々はさまざまな形でゲームを楽しんでいます。自宅でプレイする人もいれば、ゲーム施設に友人たちと集まったり、地域の大会やイベントに参加したりする人もいます。

インターネットカフェやゲームスペースは長年にわたり、プレイヤー同士が集まり、競い合い、共通の情熱を分かち合う場となってきました。

現在ではオンラインコミュニティやSNS、配信プラットフォームも、人々を結び付ける重要な役割を果たしています。

私たちが特に嬉しく思っているのは、そうしたゲームへの情熱が、より多くのイベントや大会、プレイヤー同士の交流機会の増加につながっていることです。

マダガスカルのゲームコミュニティは非常に活気にあふれており、私たちはその成長をいつも喜ばしく見守っています。

――では、マダガスカルのゲーム開発シーンは現在どのような状況にあるのでしょうか? 開発者同士のつながりや、制作環境についてもお聞かせください。

Red Raketa Studio:マダガスカルのゲーム開発シーンは、現在も比較的小規模で、国際的にはあまり知られていないかもしれません。しかし、その歴史自体は決して新しいものではなく、長年にわたって活動が続けられてきました。

正式に設立されたゲームスタジオはまだ数えるほどしかありませんが、その一方で、個人開発者やフリーランス、小規模チームが独自のプロジェクトに取り組んでいます。

中には別の仕事と並行しながらゲーム開発を続けている人も少なくありません。そのため、現在活動している開発者の正確な人数や、一般的なスタジオの規模を示すのは難しい状況です。

長年にわたり、多くのマダガスカルのゲームクリエイターは、独学やオンライン教材、開発者同士の知識共有を通じて技術を身につけてきました。

また、地域コミュニティやワークショップ、ゲームジャムは、開発者たちが交流し、アイデアを共有し、作品をテストし、協力の機会を見つけるための重要な場となっています。

さらに近年では、ゲーム開発に特化した教育プログラムも登場し始めており、次世代のクリエイターにとって非常に心強い動きだと感じています。

もちろん、資金調達や開発機材、インフラ整備など、依然として多くの課題が残されています。

しかし、私たちが何よりも励まされるのは、ゲームを作りたいという純粋な情熱と、地域のゲーム業界を発展させたいという強い意志を持った人々の創造力です。

マダガスカルには素晴らしいクリエイティブな可能性が秘められています。

私たちは今後、より多くのマダガスカルの開発者やスタジオが、自分たちならではのゲームや物語を世界中のプレイヤーへ届けてくれることを心から願っています。

――『Kalanoro』の発売後、プレイヤーからはどのような反響がありましたか? また、開発チームが予想していなかった反応はありましたか?

Red Raketa Studio:それはなかなか難しい質問ですね。というのも、プレイヤーは『Kalanoro』のさまざまな部分に魅力を感じてくれているからです!

アクションやプラットフォームアクションを楽しんでいる人もいれば、ユーモアやキャラクター、音楽を特に気に入っている人もいます。

また、難易度やゲームのテンポについても、プレイヤーごとに受け取り方がかなり異なることに気づいています。

私たちが特に嬉しく思っているのは、サウンドトラックがとても好評であることです!

TwitchやYouTubeでプレイヤーの配信を見ていると、ゲーム内のラジオ楽曲に本当にノリノリになっている様子が伝わってきます。なかでも「Lemuria Banana」は特に人気のある楽曲になっています。

そして、プレイヤーが「えっ、本当にビーチサンダルで敵を叩けるの!?」と気づく瞬間を見るのも、何度見ても楽しいですね。

しかも、叩くだけでなく、敵に向かって投げることまでできるんです!

さらに、私たちにとって特に心温まる驚きだったのは、『Kalanoro』をきっかけにマダガスカルそのものへ興味を持ってくれるプレイヤーがいたことです。

マダガスカルの風景や文化についてもっと知りたいと言ってくれたり、いつか実際に訪れてみたいと話してくれたりする人もいました。

また、ゲーム内に登場するマダガスカル料理を見て、お腹が空いてしまったという声も少なくありません!

こうした反応を見ることは、私たちにとってとても特別で、大きな意味を持っています。

結局のところ、プレイヤーがカラケリーとその小さなバンド仲間たちとの冒険を楽しみ、音楽を気に入ってくれて、そしてマダガスカルについて少しでも興味を持ってくれたなら、それだけで私たちにとっては本当に嬉しいことなのです!

「マダガスカルの文化や伝承に興味を持ってもらえたなら、本当に特別なこと」

――最後に、プレイヤーの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

Red Raketa Studio:私たちは、自分たちの初めての作品が世界中のプレイヤーの皆さんに届いていることを、心から嬉しく思っています。特に、この冒険が始まった場所や環境を思うと、その喜びはひとしおです。

まず何よりも、皆さんがレムリアの世界を探検し、個性豊かなキャラクターたちと出会い、そこで巻き起こる楽しくてにぎやかな出来事の数々を存分に楽しんでくださることを願っています。

そして、『Kalanoro』を通じて、マダガスカルやその文化、伝承、音楽に少しでも興味を持っていただけたなら、私たちは本当に特別なことを成し遂げられたと感じます。

私たちの大切な『Kalanoro』を皆さんのもとへ迎え入れてくださり、本当にありがとうございます!

――ありがとうございました!

『Kalanoro(カラノロ)』は、PC(Steam)/PS5/ニンテンドースイッチ向けに発売中。PS Storeでは、11月20日23時59分まで25%オフ 2,227円のセールを開催しています。

《みお》

Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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