【GC 14】『World of Tanks』の未来を語るWargamingのCEO Victor Kislyi氏インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【GC 14】『World of Tanks』の未来を語るWargamingのCEO Victor Kislyi氏インタビュー

期待の新作『World of Warships』などを開発、運営するWargaming.net。ドイツはケルンで開催されたGamescom 2014にて同社のCEO Victor Kislyi氏のメディア合同インタビューが行われたので、同社の今後の展望やゲームのアップデートについて訊いてきました。

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オンライン戦車ゲーム『World of Tanks』や、リリースが待たれる期待の新作『World of Warships』などを開発、運営するWargaming.net。ドイツはケルンで開催されたGamescom 2014にて同社のCEO Victor Kislyi氏のメディア合同インタビューが行われました。Game*Sparkでもすでに何度かインタビューを行っているVictor Kislyi氏。日本支部が設立されて1年が経ち、Wargaming.netのアカウント数が1億を突破するなど躍進を繰り広げる同社の今後の展望やゲームのアップデートについて訊いてきました。

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まず初めにVictor Kislyi氏に現在の状況を語っていただきました。

Victor Kislyi氏:
先日4周年記念イベントを行った『World of Tanks』では、全世界で延べ9000万人の人がインストールしています。また、直近10か月で様々なゲームをリリースしました。ロシア、欧州、中国でローンチしている『World of Warplanes』。2月には『World of Tanks Xbox 360 Edition』、一番最近では『World of Tanks Blitz』のiOS版がリリースされ、Android版についても鋭意開発中です。様々な機種に対応するようにテストしています。

また日本支部ができて1年が経過し、その間にも様々なタイトルがリリースされました。その中でも『World of Tanks Blitz』は世界でも高いダウンロード数となっており、日本の市場でも大切にして育てていきたいと思っています。また、今回初の一般公開となった『World of Warships』ですが、私個人としては日本の方々にとても楽しんでいただけるゲームだと思っています。現在アルファ段階なので様々な調整が行われていますが、今後さらに史実的にリアルにしたり、ゲームの動作やプレイなどが早くそして楽しくなるように改良を進めていきます。アルファ段階ではありますが、年末には多くの方々にテストして貰える状態で公開しようと思っています。

もちろんこれだけでなく、様々なプロジェクトが進んでおり、プロトタイプが出来上がっていますが、プロトタイプですので公開するには早くそれが面白くなければ、ボツになる可能性もあるので、もう少し完成度が高まってくれば皆様お伝えできると思います。


――Wargaming.netのアカウント数が1億人を突破しましたが、そのことに関して率直な感想をお願いします。

Victor Kislyi氏:
確かに1億人という数字はとても大きな数字となっていますが、もちろん全てのプレイヤーが常にプレイしつづけているわけではなく、去る人もいれば、新しく入っている人も、戻ってくる人もいます。ただやはりこの数字は十分誇れるものだと思いますし、まだこれが始まったばかりだと思っています。今後もどんどん数字が伸びて、人も増えていくと思います。

――これだけ受け入れられているのはなぜだと思いますか?

Victor Kislyi氏:
大きい部分としては、子供だけでなく、青年や大人の方々。全ての方々に向けたゲーム設定やゲーム作りをしていることが大きいと思います。例えばですが、史実を取り入れ、そういったものに興味を持っている人にも対応できるようにゲームを作り、なおかつ時間のない人でもプレイできるように短い時間で楽しめるように出来ているのが大きな要因の一つだと思っています。

――日本支社が設立されて1年になりますが。その手ごたえは如何でしょうか?

Victor Kislyi氏:
日本支社ができたことによる一番大きな成功の一つは去年の東京ゲームショーだと思います。東京ゲームショーはとても素晴らしく大成功だと思います。こうした大成功の一つが日本支社を作ったことによって得られた手ごたえの一つだともいます。

また個人的な感想ではあるのですが、私の中で思っているものの一つとしてはバンダイビジュアルのアニメ「ガールズ & パンツァー」ととてもいい関係を築けたのは本当に大きい功績の一つだと思っています。そしていい関係を気づいたことにより、世界で最も大きい三つをカバーできたと思います。一つ目が「アニメ」、二つ目が「戦車」、そして三つ目が「女の子」(笑)。この三つが合わさり、とても素晴らしい状況になってると思います。

――『World of Warships』で一番好きな艦船はなんですか?

Victor Kislyi氏:
戦艦ビスマルクと戦艦ヤマトです。もちろんゲームを全部プレイしていないので、そこまで詳しくはありませんし、ビスマルクもまだ登場していないのですが。もともと艦船が好きなので、ゲームがリリースされた暁には時間をたっぷり注ぎ込んで、大和を取得し、そのあとにビスマルクに行くことを予定しています。

――今『World of Tanks』でメインでやってるアップデートは何ですか?

Victor Kislyi氏:
まずは技術的な革新に注力しています。その中の一つとしてHDの高画質な戦車を増やすアップデートを多めにしています。また、新しい物理エンジンも導入していっています。以前実装されたヒストリカルバトルが一度取り下げました。それは間違った進め方をして失敗したと取られてしまうかもしれませんが、いったん取り下げることによってより良いものとして後日登場させる予定です。

また、ワルシャワでも発表させていただきましたが、e-Sportsに大きく力を入れています。例えばTwitchのストリーミングモードなどのツールを使って一般の人でもプロのような配信を行ったりすることができます。

そして、最近のアップデートで実装されたStrong Holdという拠点モード。こちらが大きなアップデートの一つとなっています。これはクラン戦に新しく追加されたモードです。今までは通常のランダム戦を遊ぶ人と、クラン戦を遊ぶ突き詰めたプレイヤーの二種類しかいませんでした。Strong Holdがその中間に入っていくモードで、クランで協力して拠点を大きくしていくものとなっています。

このモードはスマートフォンアプリの農業ゲームのようなものではなく、全く違ったものになっています。他のクランと戦闘して資材を集めることにより、拠点を大きくしていくことができます。今は拠点を大きくすることしかできませんが、将来的には攻防戦を行うことができます。また、育てるだけでなく資源を消費することでクラン員に様々な恩恵を与えることもできます。まだ未実装ではありますが、地雷原や空爆、砲撃など戦場で要請できるようになる予定です。


――開発状況にかなり詳しいですが、ゲーム開発には手を出したりしてますか?

Victor Kislyi氏:
長いことゲームを遊んできているので、各タイトル時間の許す限りゲームの研究をしたりしています。開発に自分の意見やコメント、どうしたらよくなるかと言った改善案を出したりすることもあります。私が出したとても大事な意見としては、日本の戦車を実装することでした。あまり資料が残って居なかったので難しかったのですが、無理矢理でも資料を探して来いと命令し、導入したのが現在の日本戦車です。

――最近のアップデートでは1対1の対戦が増えた(駆逐戦車の隠蔽ボーナスの消失や一本道での正面戦闘など)印象なのですが、これからのアップデートはその方向に向かっていくのですか?

Victor Kislyi氏:
Wargamingのコンセプトとして、常に面と面が向っての戦闘するというのはトレンドとはずれるのですが、プレイヤーの要望として隠れて攻撃するキャンピング形式のような形よりも、白熱した戦いがしたいという声が多かったので、そういったシステムの調整や、マップの修正が多くなるアップデートになっています。多くのプレイヤーの意見を取り入れて満足していただけるように日々努力しています。

――今後のビジョンをお聞きしてもいいですか?

Victor Kislyi氏:
とても簡単で、とても難しいことですが。マトリクスの一つとして『World of Tanks』や『World of Warplanes』など全てのタイトルで成功しなければなりません。今現在プラットフォームも様々なものがあり、PCやコンソールではXbox、コンソールでは契約もあり今現在Xboxのみとなっていますが、将来的にはPSでリリースされる可能性もないとは言えません。

そしてこのマトリクスの上にあるのが各地域で、日本はもちろんのこと。欧州やロシア、ベラルーシなど世界中の様々な国と地域が含まれています。マトリクスの中には、戦車やコンシューマ、地域やビジネスなどいろいろ含まれていますが、これら全てが大切なものと思っています。

これらが全てうまくいけばWargamingの成長も止まらないので、常に成長していくことが約束されるはずです。そしてこれらの考えのさらに上にあるのが、e-Sportsです。Twitchで何百万人という人間がみるe-Sportsとなることを目指しています。またモバイル関しても大きなe-Sportsの計画をしています。

――ありがとうございました。

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Wargamingの方針としても貴重な話しを聞くことができた今回のインタビュー。クリス・テイラー氏のGas Powered Gamesで開発しているという新作タイトルの新しい情報はありませんが、何らかのモバイルプロジェクトや、次なるタイトルが開発されているのは間違いなさそうです。日本が大好きと語るVictor Kislyi氏。次は東京ゲームショーでお会いできるだろうと語っていました。
《水京》
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