気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Devil's Dozen Games開発、PC向けに12月3日にリリースされたセミリアルタイムダンジョン探索RPG『Titans of the Past』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、一人称視点のセミリアルタイムダンジョン探索RPG。マス目のないFPSタイプの移動を採用している他、プレイヤーが動作を停止している間はゲーム内の時間も止まるのも大きな特徴。危険を感じた時にはじっくり考えて行動することが可能です。日本語にも対応済み。
『Titans of the Past』は、2,800円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Alexこんにちは!Alex Uslavtsevです。インディーとしても、またプロとしても活動しているゲーム開発者です。本作では、プロジェクトリーダー兼ゲームデザイナーを務めています。
一番好きなPCゲームは『Neverwinter Nights: Enhanced Edition』です。コミュニティによって作られた無限とも言える数のModによって、終わりのない冒険が楽しめること、そして「ダンジョンズ&ドラゴンズ」第3.5版ルールセットに基づく奥深いキャラクタービルドができる点がその理由です。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Alexまず第一に、本作は「自分が動いた時だけ時間が進む」システムを採用しています。本作をデザインする際、私たちはターン制でもグリッド制でもないダンジョンクローラーを作りたいと考えていました。そうすると選択肢はリアルタイムになりますが、4人パーティをリアルタイムで操作するのは非常に難しいですよね。そこで私は「パーティが動いた時にだけゲーム内時間が進む」システムをプロトタイプとして作ってみたのです。これにより非常に独特な感覚が生まれ、最終的にこの仕組みを正式に採用することになりました。
また、本作にはあらかじめ用意された35種類のクラスがあるだけでなく、ゲーム内で最も難しいチャレンジをクリアすることで「クラス生成システム」がアンロックされます。本作における、私のお気に入りの機能ですよ。この機能によって、ビルドの可能性はほぼ無限に広がるのです!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Alexインスピレーションを得た主な作品は、『マイト・アンド・マジックVI~VIII』と『Wizardry 8』です。私たちはこれらの作品の大ファンであり、さらに「ダンジョンズ&ドラゴンズ」からも大きな影響を受けています。その影響は、本作に登場する種族、クラス、魔法といった要素に色濃く反映されています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Alex私たちは、今のリードプログラマーと『Warhammer: Vermintide 2』を何十時間も一緒に遊んだあと、彼を採用することとしました。彼が「いつかゲームを作るのが夢なんだ」と話してくれて、そこからすべてが始まったのです。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Alex多くの人に楽しんでもらえるゲームを作ることができたと思っています。全体的な評価はとても良く、プレイヤーの皆さんには本作のコアとなるゲームプレイや街づくり、そして何よりも、個性的なパーティを構築できる奥深く複雑なRPGシステムを気に入ってもらえました。
建設的な批評の多くはバランス面に関するもので、この問題については私たちも認識しています。本作では可能な組み合わせが非常に多いため、小規模な開発チームでは完璧なバランスを実現するのはとても難しいのです。しかし、プレイヤーから指摘されていたバランスに関する懸念の多くは、すでに改善されています。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Alex次の2回のアップデートに向けたロードマップは用意していましたが、プレイヤーの皆さんが求めていたものはまったく違いました(笑)。そこで計画を見直し、現在は以下の内容を含む大型アップデートをリリースする予定です。
新しいマップ
無限に上昇する難易度システム
非常にレアなものの、ステータスポイントとスキルポイントを獲得できるアイテム(これにより、エンドゲームではプレイヤーの強さをゆっくりと、しかし無限に成長させることが可能になります)
4人パーティではなく、6人パーティで遊べる新しいゲームモード
その後は、また様子を見ながらですね!
――本作では、なぜ、そして具体的にどのように生成AIの生成物を使用しましたか?また、生成AIについてはどのような感情を抱いていますか?
Alex一部のキャラクターポートレートと、ほとんどの魔法アイコンはAIで生成されています。本当は私たちもAIアートを使いたくありませんでした。実際に2Dアーティストに依頼し、アイテムアイコンやUIの大部分は制作してもらいましたが、すべてのポートレートや魔法アイコンを用意するだけの予算がなかったのです。また、かなり多くのアセットパックも購入しましたが、それだけでは足りず、最終的に生成AIを使うことになりました。
私たちの感情についてですが、この点はシンプルです。「ゲームを作らない」か、「一部に生成AIを使ってでも作る」か、その二択でした。時々生成AIを使ったからといって、自動的にそのゲームがいわゆる「AI量産作品(AIスロップ)」になるとは思っていません。なぜなら、ゲームの他のすべての部分は人の手で作られており、私たちはそこに自分たちの魂を注いでいるからです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Alexはい、まったく問題ありません!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Alex日本は私たちにとって最大の売上を誇る国であり、プレイヤーの半数以上を日本の皆さんが占めています。実は、これはある程度予想していました。というのも、尊敬する日本の皆さんがダンジョンクローラーが大好きだということを私たちは知っていたからです。
それでも、実際にこの結果を目の当たりにした時は本当に感激しました!心の底から、私たちのゲームを遊び、そして共有してくださっている皆さんに大きな「ありがとう」を伝えたいです。
皆さんの人生が、幸せと調和に満ちたものでありますように。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








