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【TGS2014】『MGS V: TPP』小島監督をインタビュー、バディシステムとAIの可能性に迫る

東京ゲームショウ 2014で新たなゲームプレイデモが公開された『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。小島秀夫監督に4社合同のインタビューを実施し、バディシステムや話題のヒロインについて語ってもらいました。

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東京ゲームショウ 2014のステージイベントにて新たなゲームプレイデモが公開された『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。今回、幕張メッセ国際会議場の一室にて、シリーズを手がける小島秀夫監督に4社合同のインタビューを実施し、新情報のバディシステムやオープンワールドにおけるAIのあり方、話題のヒロイン、クワイエットについて語ってもらいました。

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――今回発表されたバディシステムについてお聞きします。クワイエットは強すぎじゃないでしょうか。あいつ1人でいいですよね。

小島秀夫:勘違いされやすいのですが、基本的には1人で潜入するストイックなゲームです。メインは自由潜入なので連れて行きたい人だけ連れて行けばいい。連れて行けば戦略性が広がりますよね。緻密な作戦を立ててもいいし、それが苦手な人はガンガン行こうぜみたいなことをしてもいいですし。そこはユーザーに委ねます。

ただ、デモで見せたようにドンパチやって殺害を繰り返すと評価は下がりますけどね。スナイパーのクワイエットが得意とするのは主に索敵なので、適切な使い方をすればあんな評価にはならないです。見つからなければ評価は高くなるし、1番は誰も殺さないこと。自由潜入なので使い方はユーザー次第ですよ。

――オープンワールドの自由潜入でAIを行動させるのは大変なことですよね。

小島秀夫:AIのプログラムを組むのは難しくて、プログラマーに依存する部分が大きいです。『METAL GEAR SOLID 2: SONS OF LIBERTY』のスネークも相当時間をかけて作ったんですけど、あの程度にしか動かないです。おかしいやろってところでローリングしたり。AIは行動が予想し辛くて計算処理が大変なんですが、リニアなゲームではできるんですよ。ミッションにあわせた行動をプログラムすればいいですから。



オープンワールドではそうはいきません。今回、いろんな分類の中から最適化されたものを連れて行けるようにしました。クワイエットはスナイパーだから成り立つんですよ。決まった役割があって常に一定の距離を置いてる。あれが常に一緒だったら難しいです。どんなに親しい女の子でも始終一緒にいたら喧嘩しますよね。それがAIではできないんです。だからいい感じに距離間を持たせて作りました。AIのバディってプログラマーの夢ですよね。

――他のバディではまた違う距離間があるということでしょうか。

小島秀夫:それは見てのお楽しみです。きっとビックリしますよ。小島ズルいって。

――監督もバディとして登場するんですか。

小島秀夫:いや僕はもう出ないです。僕のせいで見つかったら嫌でしょ。

――バディがやられるとどうなりますか。

小島秀夫:死にますよ。リニアなゲームじゃないので、いなくても成り立つようにできてます。死にますよ。

――ステージをデザインするにあたって実際にアフリカを取材されたということですが、監督の抱いていた印象はどんなものだったのでしょうか。また、どの程度までリアルに再現されているのでしょうか。

小島秀夫:僕は同行できなかったんですけど、スタッフが持ち帰った映像の印象は小さい頃に観た「野生の王国」みたいなものとは違いました。再現具合に関しては、『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROS』のグアンタナモを見れば分かると思いますが、フォトリアルを追求するためにあえて映画的には作っていないんですよ。印象的に作りこんだらカッコいいですけど、非現実的になってしまう。だからプレハブみたいなしょぼい建物が多いんです。



今回のアフガンも同じですし、アフリカも本当ならもっと細工して地形に特徴を持たせてもいいんですけど、そこはあえて映画的にはしませんでした。ただ、リアルを求めるにも難しい問題があるんです。現実に近づけるとランドマークがなくなって方向を見失うし、だからといってあまり特徴的なオブジェクトをおくとセットみたいになってしまう。テストしてても賛否両論で悩んでるところです。

――スネークの新たな義手が公開されましたが、あれはマザーベースで開発できるのでしょうか。また、新しいスニーキングスーツの要請やヘリによる輸送など、全てにお金がかかるということでしょうか。

小島秀夫:はい。マザーベースに集めたスタッフが異なる義手や新兵器を開発してくれます。ただ、戦争なのでバディーを連れて行くにしてもヘリを呼ぶにしても、何をするにもお金はかかります。PMCの元祖みたいな組織です。政府を含めて世界中からミッションのオファーを受けて、その成功報酬でマザーベースの拡張や兵器開発などの運営を行っていくということです。ほかにミッション内で入手するダイヤモンドなどで副収入を得ることもできます。

――露出の多いスナイパーのクワイエットが話題になっていますが、キャラクター像をデザインする上で影響を受けている作品や人物はあるのでしょうか。

小島秀夫:特にないですね。ただ、格闘ゲームとかでよくある胸を露にした強い女性というキャラを出したかったんです。僕はおっさんばっかり出る作品が好きで、今回も女性はほぼクワイエットだけなんですよ。冒険小説とかって大抵脂くさい泥まみれのおっさんしか出てこないんですけど、それだと興味を示さない人もいると思うので1人くらい強くて美しい女性を出しました。



それから露出が多いって言われましたけど、実はそれには理由があるんです。彼女の服装を叩いてる人もいるみたいですが、ゲームの中でも周りからそれと同じようなことを言われていじめられます。虐待とまではいかないですけどね。あんな格好をしているのには理由があります。賛否両論になったのは狙い通りです。

――何者ですか。弱点はありますか。

小島秀夫:弱点ありますよ。 露出多いとか言われてますけど、”そういうこと”ですよ。

――わかりました。本日はお忙しいところ、貴重なお時間をどうもありがとうございました。

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ジョークを交えた明るいトークで終始笑いを誘ってくれた小島監督ですが、賛否ささやかれているヒロイン、クワイエットの話題になるとほんのりヒートアップ。本題から外れてしまうのでここではあえて割愛しましたが、エンターテイメント作品における女性像について持論を熱く語ってくれました。

オープンワールドでの潜入に更なる多様性を持たせるバディシステムとAIの可能性。全てをユーザーに委ねたいと語る監督の言葉からは、エンターテイメントとしてのゲームのあり方を変えようとする強い想いが伝わってくるようです。

『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』はPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360を対象に、2015年のリリースを予定。価格とPC版の発売時期は未定です。
《河合 律子》

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