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【TGS2014】ウォーゲミングインタビュー(前編)― CEOから日本戦略の近状を聞く

東京ゲームショウ2014で、戦車戦MMO『World of Tanks』を手掛けるWargaming.netのCEO Victor Kislyi氏にインタビューを行いました。

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東京ゲームショウ2014で、戦車戦MMO『World of Tanks』を手掛けるWargaming.netのCEO、Victor Kislyi氏にインタビューを行い、日本支社を開設してから1年が経つ同社の近状や、次回作である『World of Warplanes』などのサービス展開についてを語ってもらいました。

――日本での展開を始めてから約1年経過していますが、Wargaming.netの近状について教えてください

Victor氏: 東京ゲームショウ2014において日本のオフィスが設立されて1年が経ちましたが、それを祝う事が出来てとても嬉しいです。そして、日本オフィスを設立することに関して、会社の判断としては大成功だと思います。日本オフィスを設立してから目に見える成果が出るとわかり、特に日本の市場に置いての成長はとても急激なものです。



その中でも日本において『WoT Blitz』は、世界でアカウント/プレイヤー/ダウンロード数がロシアに次いで2位という、アメリカなどを抜いていることにとても驚かされています。『WoT Blitz』はiOSで提供しており、とても人気が高く多くのユーザーに楽しんでもらっています。現在iOSのみ展開していますが、今年の年末にはAndroidバージョンをリリースする予定です。Android版『WoT Blitz』はクロスプラットフォームに対応しており、iOS版のユーザーと対戦することが出来ます。

また、日本においてアニメ(ガールズ&パンツァー)とコラボレーションすることにより、『WoT』を漫画やアニメなどを通じて共有できることは、とても良いことだと思います。こちらが東京ゲームショウ 2014向けに用意された、『WoT』公式サイトで連載されている「ガールズ&パンツァー」の『WoT』漫画「はじめての戦車道」となっています。(編注: ここで、Victor氏がおもむろに会場限定冊子を広げる。)

日本のオフィスでは25名が勤務しており、素晴らしい家族になっていると思います。Wargaming.netは全世界で合わせて約3500名のスタッフ、そして16のオフィスが現在あります。日々『World of Tanks』のアップデートは継続していますし、去年を境にこの1年を通してPCだけでなくマルチプラットフォームに対応した会社へと進化し続けています。

例えば、今年2月にも『World of Tanks Xbox 360 Edition』がリリースされて、特に欧米では素晴らしい成果を出した他、6月にはiOS版『WoT Blitz』を配信してスマートフォン市場にも進出しました。Xbox 360/iOS版『WoT』もPC版と同じようなサービスとアップデートを行い続けています。もちろんそれら以外のタイトルにも取り組んでおり、例としてその一つが『World of Warships』(以下、WoWS)です。



『WoWS』は本来PvPモード(プレイヤーvsプレイヤー)ですが、東京ゲームショウ2014版では特別なPvEモード(プレイヤーvs敵AI)が入ったバージョンとなっています。こちらが『WoWS』のグローバルディレクターIvan Moroz氏です。(編注: この後『WoWS』のデモンストレーションに移りましたが、その模様は後編でお伝えします。)



――去年と比べて今年の東京ゲームショウ 2014はどう感じましたか?

Victor氏: 基本的にウォーゲーミングジャパンブースにしかいないので、あまり周りを見ることができないのですが、モバイル関係が本当に成長しているという印象を受けました。

――Xbox One版『WoT』のリリースは検討されていますか?

Victor氏: 基本的に新しいコンソール機へ移植する際には、新たに計算をしなければなりません。PCの場合は世界中にユーザーがいるので数字がわかりやすいのです。Xbox 360版をリリースした際にも、Xbox 360を所有するユーザーが世界中に多いことから考えが始まりました。

Xbox Oneバージョンを開発することにまったく問題ないのですが、まだ発売して間もないということもあり、どれ位の人々がそこにいるのかという情報が集まり次第に検討したいと思っています。基本、全体の75%以上のユーザーは課金をしないプレイヤーです。Wargaming.netも会社なので、利益を上げるにあたりそのような計算をしなければなりません。可能な限り多くのユーザーに遊んでいただきたいという思いもあるので、それらの数字次第でXbox Oneの展開を考えています。



――『World of Warplanes』(以下、WoWP)の現状と、日本での展開はいつになるか教えてください

Victor氏: 『WoWP』はかなり難しい作品の一つです。数年前に『WoT』が大成功したので「成功の秘訣を掴んだ」と思って開発をスタートしましたが、結局その「成功の秘訣」は確定するものではありませんでした。『Tanks』、『Warplanes』、『Warships』はそれぞれ違うゲームです。そしてPC/Xbox 360/モバイル版などの「成功の秘訣」は全てにおいて違いがあります。



現在、『WoWP』の全体の評価は、『WoT』と比較すると数字の上で大きな違いがあります。特に『WoWP』は『WoT』とはまったく別次元のゲームです。戦車なら止まる事も出来るし砲塔を旋回せさて攻撃できますが、戦闘機は常に動き続けてなければならないし、撃てるのも正面だけなので、ゲームというコンセプトでも『WoT』と別物になってしまいます。特に『WoWP』は『WoT』と違い、一般ユーザーがスグその場で触れて空戦の機動やシステムを理解するほどシンプルなものではありません。

そのため、プレイしてスグに楽しめて理解できるようにすることを目標の一つとしています。他の地域ではローンチしていますが、そこから我々は可能な限り学んで普通のユーザーがスグ楽しめるものとなるように日々努力を続けています。なかでもアジア地域は競争率が高い市場なので、完成されたものを出したいということもあり、リリースに関してはまだしばらく先のほうへなります。

――E3 2014ではクリス・テイラー氏のスタジオと「何か開発している」と聞きましたが、現在それらはどのようになっていますか?

Victor氏: クリス・テイラー氏の件は、まだコンセプトを探している状態で、何が一番良いのか?何が一番マッチするのか?というコンセプト作りをしているところです。プロトタイプなどを制作していますが、何をどうするかは決まっていないので発表は先になります。

――最後に日本のユーザーに向けて何か一言お願いします。

Victor氏: Wargamingで一番力を入れているのが『WoT Blitz』です。この『WoT Blitz』は、年末にAndroid版を公開する予定となっています。是非、日本のユーザーにiOSやAndroid端末で『WoT Blitz』を楽しんでいただきたいと思います。

Ivan氏: 『World of Warships』は様々な艦船が登場して、開発に関わっているスタッフは情熱を持って制作に当たっています。その情熱が日本のユーザーに伝わればと思います。

――本日はありがとうございました。

※インタビューは後編へ続きます。
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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