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世界初『Hearthstone』国際女子大会を密着レポート―日本含め5ヶ国8名の選手が出場!

7月17~19日、中国・上海で『Hearthstone』国際女子大会が開催されました。出場者は日本人のHogei選手を含む招待選手計8名、賞金総額は1万2000ドル(約150万円)で、中国のe-sports放送局「ImbaTV」が主催しました。Hogei選手通訳の筆者が以下大会の様子をレポートします。

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■女性らしさを全面に押し出した試合会場
試合会場は「Motion Magic」という映像製作会社のスタジオ


会場は紫主体でコーディネート


プレイエリアの机と椅子も白く流れるようなデザイン


酒場を模したカウンターも用意されており、選手たちは試合後にここでインタビューを受ける

スタジオの写真は加工されて会場に展示


試合中の選手たちに声が聞こえないよう、解説席は別室に用意されていた



選手の皆さんのメイクアップには今日も1時間以上かかった


中国で有名な解説者のワンシーフー氏もメイクアップ


Harusol選手は待ち時間にもデッキをノートに書き出して試合の準備

■試合開始

開幕式は午後5時に始まり、中国最大の配信サイト「Douyutv」で放送されました。今大会ルールはデッキを9個用意し、お互いに苦手な相手のデッキを禁止していく「Pick and Ban」方式です。

通常のフォーマットだと用意するデッキはせいぜい3個。デッキを9個用意するとなると必要な準備が3倍になりますから当然、選手の負担も大きくなります。韓国のHarusol選手は「どんなデッキを用意すればいいか…」と試合前々日の撮影中、大変心配していました。

開幕式では選手全員が登場


「Pick and Ban」方式は『Hearthstone』のクライアントでサポートされていないため、ImbaTVは大会専用に自らソフトウェアを開発して対応


試合開始時には各選手の写真とデッキが紹介される


解説者の2人 大会では彼らに加え、もう1人の計3名が試合ごとにローテーションして解説を担当した


対戦するTracyRNG選手(左)とMontage選手(右)


試合後、選手はバーカウンターでインタビューを受ける


ほかの選手たちは自分の試合まで会場で観戦



惜しくも敗れてしまったものの、日本のHogei選手は面白いデッキで視聴者を沸かせた


控え室ではPC3台(国内配信用、ミラー配信用、配信サイトチェック用)を置いて配信風景を監視


休憩中の選手や解説者、スタッフたちが一緒に観戦していた


放送管理室の様子 「事前にしっかり準備しておけば当日は気が楽」とリーダー(中央の金髪の方)


3日間の大会を制し優勝したのは韓国のHarusol選手。賞金として5000ドル(約62万円)を獲得

最終順位:賞金
    ・優勝:Harusol選手:5000ドル(約62万円)
    ・準優勝:Chandyland選手:2500ドル(約31万円)
    ・ベスト4:Montage選手、Aubrie選手:1000ドル(約12万円)
    ・ベスト8:Lydia選手、TracyRNG選手、Lucia選手、Hogei選手:500ドル(約6万円)

■世界初の国際女子大会への注目度は?

差し当たっての印象としては、メイクアップや写真撮影、紫主体でコーディネートされた会場等、随所に演出面の工夫が見られた大会だったと思います。

配信の同時接続者数は初日に記録した38万人が最高だったようです(※中国の配信サイトは視聴者数を3~5倍に水増ししているので、実際は10万人程度かもしれません)。土日よりも金曜日のほうが多かったというのは意外です。それだけ「世界初の国際女子大会とはどんなものか一目見てみたい」という関心が中国内で強かったのでしょうか。

■「ゲームを知らない人にも関心を持ってもらいたい」

BBC氏

ImbaTV創業者の1人で今大会の司会を務めたのがBBC氏です。元々は『Dota』の人気実況者で「Gamefy」という中国のe-Sports放送局に約10年勤めた後、友人5名と共にImbaTVを創業しました。

大会の所感について訊くと「概ね成功だったと思います。スケジュールが急だったので一部の有名女性選手を招待できなかった点は残念でしたが、当日の大会運営は順調でした」とまずは満足の様子。

今回大きく目立つのは会場のカラーリングや写真撮影でしたが、それについては「女性らしさを意識しました。『Hearthstone』のプレイヤーだけでなく、やったことのない人たちにも関心を持ってもらいたかったのです。とはいえ、視聴者の中心はプレイヤーたちですし、e-Sportsは実力が全ての世界なので競技性の面で手を抜くつもりはありません」。


最後に今後の展望について訊くと、「ImbaTVは元々『Dota 2』の大会・番組制作が中心でしたが、これから『Hearthstone』のコンテンツも増やしていく予定です。来年も余裕があれば国際女子大会を開催したいと思います」と締めくくってくれました。

■これは女子大会のあるべき姿か?

しかしながら、今大会の手法には賛否両論があります。海外メディア「Daily Dot」には「これは明らかに女子大会のあるべき姿ではない(原題:This is exactly how not to run a women's esports tournament)」と題した記事が掲載されていました。その内容を一部抜粋、要約すると以下の通りです。

    「AubrieやHarusol、Chandylandといった才能ある女性選手にスポットライトを当てたのは良いとしても、白いドレスや紫主体の会場など「ステレオタイプの女性像」を強調する光景は見る者に嫌悪感を与える。一体どんな視聴者をターゲットにしているのだろうか。選手たちのプレイエリアに置かれているのも座り心地の悪そうな椅子だ――男性の解説者たちはDX Racerに心地よく腰掛けているというのに。今後は不自然な演出のない、試合だけを見せる女子大会が開催されてほしいものである」



実のところ筆者も大会期間中、「このような演出は選手を“プレイヤー”ではなく“アイドル”として扱っているのではないか」という違和感がありました。しかし「一般の人に周知させるにはアイドル性が不可欠だ」という考え方も無視できません。

いずれにせよ今大会は「初めての『Hearthstone』国際女子大会」として実験的に開催された側面が強いでしょう。これをきっかけに「e-Sportsの国際女子大会」が発展・拡大していくことを願っています。

■今大会の配信録画(Youtube・中国語放送)
大会初日

二日目

最終日
《nemuke》
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