映画『Branching Paths』の監督が伝えたかった日本インディーシーンの素顔 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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映画『Branching Paths』の監督が伝えたかった日本インディーシーンの素顔

Game*Sparkとインサイド編集部は、発表のため京都を訪れていた映画『Branching Paths』のフェレロ監督にインタビューを実施。作品にかける想いと完成までの道のり、そして日本のインディーをどう見ているかを語ってもらいました。

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映画『Branching Paths』の監督が伝えたかった日本インディーシーンの素顔
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アン・フェレロ監督

日本のインディーゲームシーンを長年にわたって追い続けた、Assemblageとフランス人女性監督アン・フェレロ氏(Anne Ferrero)によるドキュメンタリー映画『Branching Paths』。京都みやこめっせで開催されたイベント「BitSummit 4th」で、待ちかねた公開日を含む作品情報が発表。同イベントのアワードでは「MAGICAL PRESENCE AWARD」を受賞するなど脚光を浴びました。

『Branching Paths』は、2016年7月29日にPlayism、Steam、iTunesの各配信プラットフォームにてリリース予定で、価格は980円(9.99ドル)となります。

Game*Sparkとインサイド編集部は、発表のため京都を訪れていたフェレロ監督にインタビューを実施。作品にかける想いと完成までの道のり、そして日本のインディーをどう見ているかを語ってもらいました。

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――本日はよろしくお願いします。まずは監督自身について教えてください。ご経歴などは。

アン・フェレロ氏(以下フェレロ): アン・フェレロと申します。5年位前から日本に住んでいます。それ以前は、フランスで美術史と日本語、日本文化を大学で学んでいました。2007年からフランスのギーク向けテレビ番組「Nolife」の制作をしていて、日本文化の紹介番組に携わり、ゲームジャーナリストとしてレトロゲーム、ゲームの歴史、ゲームクリエイターのインタビューを編集したり、あるいは東京ゲームショウのレポーターなどをしていました。

――映画『Branching Paths』を作ることになったきっかけは。

フェレロ: もともとショート作品はよく作っていましたが、長いドキュメンタリーを作るのは初めてでした。

2013年に、色々な出来事が重なったのがきっかけです。CEDECで、ゲームクリエイター遠藤雅伸さんとフランスのジャーナリストであるフロラン・ゴルジュさんと共に、「フランスで日本のコンテンツがどう受け入れられているか」という講演を行いました。その時に6000人くらいのフランス人にアンケートをとったところ、「もっとクレイジーな日本のゲームが見たい」「でもどこでそういうゲーム遊べるのか、どこで手に入るのかわからない」という声がありました。


また、Onion Gamesの木村祥朗さんと交流する機会があり、海外でPRをするためのビデオブログや、日本のインディーデベロッパーを木村さんが紹介する番組のプロトタイプを作ったりもしたのですが、予算の関係もあって実現しませんでした。その時、たまたま映像会社のAssemblageで「日本のインディーゲームが面白そうだから、何かできたらいいね」という話があがって、とてもゆるい感じで、社内企画が立ち上がりました。本業の空いたリソースや時間で、少しずつ制作を進めていきました。

――『Branching Paths』の制作期間はどれくらいですか?

フェレロ: 私も最初は知識がなかったので、まずは実際に見てこよう、ということで2013年の東京ゲームショウで取材を行いました。TGSではじめて大きなインディーゲームコーナーができた年です。その後、デジゲー博やBitSummitなど色々なイベントで収録を行いました。最後に取材したイベントが、ちょうど2015年のTGSです。結局、番組の撮影は、Moppinさんの『Downwell』完成にあわせて少し伸びたのですが。

その間、インディーシーンにもたくさんの変化があって、大事な期間だったと感じています。予算が少なくて、日本以外ではほとんど撮影をしていません。撮影チームも小規模で、この映画制作自体もインディーですね。


――フェレロ監督が本作を撮りたいと思ったいちばんの理由は?

フェレロ: 日本のインディーゲームを紹介したい、というのがひとつですが、稲船さんの「日本のゲーム業界は終わった」発言やPhil Fishさんの「Japanese games just suck」発言が海外でも注目され、賛同するような声があったので、それは事実ではないことを伝えたかったです。素晴らしいゲームは隠れたところにあるのだと。

――『Branching Paths』をどんな人に観てほしいですか?

フェレロ: やはりインディーゲーム文化があることを知らない日本人の方に観てほしいですね。同人文化やゲームに興味のある海外の方にも観てほしいです。クールジャパンなどの日本と海外の文化を繋げる仕事をしている企業の方にもおすすめしたいですね。

――映画の制作でもっとも苦労したことは?

フェレロ: 80人以上のインディーゲームに関わる人たちを取材して、撮影した映像は何十時間にも及びます。データ容量だと20テラくらい。その膨大な映像を、ひとつのストーリーとして編集するのがもっとも大変でした。たくさんカットする必要があって心苦しかったです。

――最終的な映画の上映時間は?

フェレロ: 約1時間20分です。短いですが、濃い内容になっていると思います。

Playismの水谷俊次氏と

――Playismの水谷俊次さんにも質問です。『Branching Paths』のパブリッシングを担当することになった経緯は?

水谷: 劇中には、『LA-MULANA』楢村さんや『アスタブリード』なるさんをはじめ、Playismのタイトルが山ほど登場します。我々が活動する中で、フェレロ監督は長年ずっと取材にきてくれたので、応援したいという気持ちもありましたし、Playismでも作品を取り扱って、サポートしたいと考えていたからです。Steamのパブリッシングも引き受けることになったので、日本のインディーシーンを知るきっかけとして、海外の人に観てもらいたいです。

――BitSummitでは、作品のポスタービジュアルも公開しましたね。

フェレロ: 日本人の女性イラストレーターが手がけたものです。ポスターで描かれている人物は、わざと誰なのかわからないようにしてあって、「あらゆるインディーデベロッパー」をあらわしています。性別も判別できません。


――『Branching Paths』という作品名にこめられた意味は。

フェレロ: “Branching Paths(枝分かれする道)”はゲームにもある用語で、リニアな一本道ではなく、色んな道が用意されているということです。人生やゲーム開発においても、例えば会社をやめて独立するとか、まっすぐではなく、たくさんある違う道を選んだら、全く別のストーリーが進むという意味がこめられています。

――最後にメッセージをお願いします。

フェレロ: インディーゲームに興味がある人はぜひ観てほしいです。大きな人間ドラマがあるわけではなく落ち着いた内容ですが、2年という歳月を通して、日本のインディー業界にどんな人たちがいるかを描いています。うまくいくかどうかわからなくても、みんな夢を持って一生懸命ゲームを完成させようとしています。私たちの映画も同じです。今は誰でもゲームを作れる時代になったので、映画を観てゲーム作りに挑戦してみるのもいいかもしれません。

――わかりました。本日はありがとうございました。

《Rio Tani》

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