Ubisoftより、3月9日にリリースされたPS4/Xbox One/PC向け新作タイトル『<strong>ゴーストリコン ワイルドランズ』。麻薬カルテルに支配された広大なボリビアを舞台に、特殊部隊ゴーストの活躍を描く最新作です。
ソロでのプレイはもちろん、最大4人での協力プレイも可能な本作ですが、今回Game*SparkではPS4版をプレイ。国内外で大きな期待を受けた今作のプレイレポをお届けします。
■様々な勢力がひしめく広大なボリビア
今作の舞台となるボリビアは、強大な麻薬カルテル「サンタ・ブランカ」が支配しており、事実上、国を動かすほどの力を持っています。プレイヤーが操作するのは、そんな「サンタ・ブランカ」を壊滅させるべくボリビアに潜入した特殊部隊ゴーストたちです。ストーリーでは、主にこのカルテルと戦うのですが、この国にいるのは彼らだけではありません。
サンタ・ブランカを率いるエル・スエーニョ
麻薬カルテル「サンタ・ブランカ」以外では、ボリビア政府の部隊「ユニダッド」と呼ばれる組織もいます。この組織は「サンタ・ブランカ」と表立って敵対しているわけではありませんが、場合によっては両勢力が戦闘をすることもあります。あらゆる場所でパトロールをしていて、プレイヤーを見つけると攻撃してきます。「ユニダッド」には警戒度(最大4)が存在しており、見つかった状態で戦闘をすると警戒度が上がり続け、増援が際限なく来るので、近くに欲しい物資などが無い限りは、一度逃げましょう。
孤立無援にも見えるゴーストですが、ボリビア国内で活動を続ける反乱軍「カタリス26」と手を結んでいて、サイドミッションをこなしていけば、乗り物要請や陽動など反乱軍からの協力を受け取れます。この要素は、作中で大きな助けとなってくれるので、積極的にクリアしてもいいかもしれません。
CIAのエージェントとして協力するカレン・ボウマン
ボリビアに潜入したらまずは、各地域に割り当てられている「サンタ・ブランカ」幹部たちを1人1人着実に倒していくことを目指しましょう。メインミッションをクリアしていくと最終的に幹部を倒すミッションが解除されるのでそれに挑めます。ただし、倒す、とは一口に言っても、ただ殺害するだけではなく、口を割らせるために捕らえるといったバリエーションもあるので、様々なシチュエーションが楽しめますよ。
■派手に襲撃?それとも静かに制圧?
上空から情報を入手しにいく!
『ゴーストリコン ワイルドランズ』は、一般的なTPSと同じ操作性で、普段からシュータータイトルをプレイしている方であれば、違和感なく馴染めると思います。精密エイムは、サイト越しに見る1人称視点と通常の3人称視点を簡単に切り替えられるので、お好みの方でゲームを進められます(基本は3人称視点です)。
敵との戦闘は、基本的に派手にドンパチするか、ステルスで1人ずつ排除していくか、という形になります。自らがゲーム開始時に設定した難易度にもよりますが、ノーマルに当たる「ベテラン」でも歯ごたえはなかなかにあり、決して簡単には感じませんでした。派手に行くか静かに行くかはプレイヤー次第です。
明るい敵の表示は今自分がいる位置から撃てるかどうかを表す。 画像左にいる敵はここからは倒せないことになる
ドローンは、敵の位置や目標物を確認できるので、偵察に欠かせない頼れる相棒です。ステルスプレイ時には必須級のガジェットなので、うまく活用する必要があります。とはいえ、敵の拠点によっては、ドローンの動きを阻害するジャマーがある場合もあるので、その場合は双眼鏡を使用して索敵しましょう。
ドローンでは敵のほかに設備も確認できる。 画像のSAMは、飛行機やヘリを撃墜してくるので気を付けよう
筆者はソロプレイの場合、基本的にステルスで遊んでいるのですが、ステルス時に重要な点は、銃に設定されている「発射音低減」というゲージに注目することではないかと思いました。このゲージ、サプレッサーを装着することで、かなり高められるのですが、1発のダメージが大きいスナイパーライフルなどでは、完全に音を遮断できるわけではありません。そのため、近くに敵が複数人いたところで発砲すると、音が敵に伝わり警戒されてしまうのです。
発射音低減は基本的にハンドガンが最も高い
その点、サプレッサーを装着したハンドガンは「発射音低減」が非常に高いので、閉所であっても使い勝手が良く、ほかの敵にもバレにくいです。遠距離からはスナイパーライフル、近距離ではハンドガン、と武器を意識して切り替えながら使うと、ステルスが失敗する確率がグッと減るのではないでしょうか。
警報は上にある特定の部分を壊すと止まる
■ソロでもCo-opでも!遊びの幅は広い
ソロ時の味方AI
本作はソロでも楽しめますが、最大4人のプレイヤーによる協力プレイが可能です。ソロとは違い、味方がAIではなくなるので、完璧な攻略はしにくくなるかもしれませんし、正確な射撃をしてくれないかもしれません。しかしながら、意思疎通を取りながら協力プレイをすれば、ソロとは異なる楽しみ方ができます。
ミッションの進行度などは、基本的にホストのものになりますが、過去に自分がプレイしたことのあるミッションはクリア済みのままで、強制的に再度プレイする必要はありません。一方で、未クリアの味方プレイヤーのために再びミッションに挑めますし、味方がクリア済みで自分は未クリアのミッションを手伝ってもらうこともできます。
また、Co-op中に別行動をしても問題ないので、自分はメインミッションやり、味方プレイヤーは収集物を拾いに行っても大丈夫。ただし、ミッションに参加しておかないとクリアにはならないので、別行動を取るときは気を付けましょう。フレンドと一緒に遊ぶ時は、ボイスチャット環境があるとなお良いです。Co-opで気になったのは、味方にファストトラベルしたのに、崖の下や離れた場所にスポーンすることが多々あったので、不便に感じることもありました。
Co-opにはCo-opの良さがありますが、ソロも快適。まず、複数の敵を一度に倒す「SYNCショット」が自分の好きなタイミングで行えるので、より特殊部隊らしさが感じられます。この機能は、スキルで一度に倒す人数を増やせますし、味方が射撃を外すこともまずないので、潜入時にどうしても突破できない場所では貴重な選択肢となります。
また、Co-opで乗り物に乗った場合、一緒に行動するには味方が乗るのを待たなくてはいけませんが、ソロでは1人しか乗ってない状態で発進しても味方が自動的に全員車内に瞬間移動してくれるので、敵を追わなければいけないときなど、急を要する時でも気兼ねなく行動できます。本作では、車で追う、といった行動が思ったよりも多いので、細かいながら素晴らしい仕様なのではないでしょうか。
いずれにせよ、味方AIは自分を中心に行動してくれるので、R1ボタン長押しで行える指示を適宜出しながら行動すれば、快適にプレイできるはず。ソロでもCo-opでも本作を堪能してみてください。
■自らの強化に繋がる!サイドミッション/収集要素
黄色がメイン関連、緑がサイド/反乱軍関連、青/白はスキルポイントや資料などの回収物
今作では、メインミッションだけでなく、サイドミッションと収集要素も充実しています。メイン以外のミッションは大きく分けて「反乱軍の協力を受けるためのもの」と「スキル解除用の物資を獲得するため」の2種類あります。前者はクリアすると、反乱軍に乗り物が要請できたり、援軍を呼んだり、敵を一網打尽にする迫撃砲を撃ってもらえたりします。
反乱軍の支援は、R1ボタン長押しで表示されるホイールから選択できる
後者は、主に「燃料」「医療」「通信」「食料」の物資ポイントが獲得できるもので、これらのポイントは、プレイヤーのスキルを解除するために必須となります。プレイヤースキルは5つに分かれていて、ソロ時で活躍するもの、ステルスに特化したものなど、様々なスキルが用意されています。とくにオススメしたいのは、「武器スキル」にあるグレネードランチャー。敵のヘリ相手や集団戦で活躍し、比較的まっすぐ飛んでいくので使い勝手も良好。ただ、アサルトライフルにしか装着できないのが難点かもしれないです。
スキル解放には、物資のほかにレベルアップや収集物などで獲得できるスキルポイントを使用します。ただ、後半のスキルは使用するポイントが大きいため、何度もサイドミッションをこなす必要があり、極めて反復的。プレイヤーによっては評価を下げる部分になってしまうかもしれません。
サイドミッションでは物資がまとめて獲得できる
- ◆プレイヤースキル
・武器: 所持弾数増加、グレネードランチャーの装着など、武器に関するスキル
・ドローン: ドローンの使用時間(バッテリー)増加、移動音の減少などドローンに関するスキル
・ガジェット: パラシュート解放、サーマルビジョン解除、C4爆弾などガジェットに関するスキル
・フィジカル: ダッシュ走行時間の増加、蘇生待ち時間の増加など、フィジカルに関するスキル
・部隊: 味方AIのSYNCショットターゲット増加など、味方部隊に関するスキル
各地に散らばる機密情報からは、武器パーツなどの位置情報が入手できる。また、敵の副官を捕らえて尋問することでも同様の情報が手に入る
本作は収集要素も豊富で、スキルポイントを無条件で獲得できる「メダル」、本作の世界設定や、サンタ・ブランカのバックボーンが理解できる「資料」、新たな武器/武器に装着できる「パーツ」など、多岐にわたります。なかでもボーナスメダルと呼ばれるものは、スキルと関連していて、特定のスキル能力を向上させてくれるものもあるので、狙って獲得していきましょう。
■観光を楽しむのも有り!?
今作で描かれるボリビアは本当に広大すぎることもあり、さまざまなロケーションが存在しています。大きな湖、鬱蒼とした森林、見上げるほどの山々、芸術的な建築物、例を挙げればキリがありません。東京やニューヨークのように近代的な高層ビルこそありませんが、見事に再現されたボリビアの街並みは確かなもの。
筆者がオススメしたいのは、真っ白な景色が広がる塩田です。ウユニ塩湖で有名なボリビアを舞台にしているので、当たり前といえば当たり前なのですが、ゲーム中でも非常に壮観でした。ディスプレイ設定を上げ過ぎていると、白すぎてなにがなにやら見えないかもしれませんが、その場合は少し明るさやガンマ値を下げ、設定でHUDを全てオフにしてみてください。とても素晴らしい景色が見えるはずです。
■ゴースト部隊の戦いは今日も続く…
精密射撃時は片目を瞑る細かさ
プレイヤーの本来の目的は「サンタ・ブランカ」を壊滅させることですが、やることがありすぎて、ついつい寄り道を重ねてしまいます。本筋から離れてしまいがちなのはオープンワールドゲームの常ですが、『ゴーストリコン ワイルドランズ』はより一層寄り道をしてしまうようなタイトルでした。
メインミッションそろそろ進めるか、と移動し始めると、道中にサイドミッションがあり、それをクリアすると今度は近くの村に武器パーツが。村に到着したら武器パーツだけじゃなく、物資もあったり…そんなこんなでマップの各地をウロウロしていると、最初はなにをしようとしていたか忘れている、なんてこともしばしば。
筆者はまだまだ幹部をほとんど倒せていませんが、やり込み甲斐は相当高め。今日もゴースト部隊の一員としてボリビアに潜入中です。骨太なシュータータイトルがやりたいならば、本作を選んでみてはいかがでしょうか。