
『8番出口』は、我々現代人に対して「間違い探し」という古典的ゲームの面白さを再確認する役割を果たしました。
この『8番出口』が世界中に示した“僅かな異変探しが重要”という方向性を部分的に継承しつつ、「壺おじ」こと『Getting Over It with Bennett Foddy』のような少しのミスで最初からやり直しになる要素に加え、理不尽な高難易度を持つゲームが登場しました。それは自動車教習所シミュレーター『Disqualified』です。
理不尽という言葉から察せられる通り、舞台になっている教習所はただの教習所じゃございません! 怪奇現象が頻繁に発生し、プレイヤーの運転する車は理不尽に破壊されたり、吹っ飛ばされたり、火をつけられたり……。
とにかく、教習所内のコースを1周するのだって難しい。今回はそんな『Disqualified』について、リリースに先駆けて配信中のデモ版をプレイしたいと思います。
あちこちトラップだらけの教習所
皆さんご存知の通り、運転免許証を取得するためには、多くの場合教習所へ通う必要があります。
教習所のルールは“安全第一”。無茶な運転は以ての外、確実な車線キープ、安全運転が要求されます。このあたりの厳しさは、一度でも教習所に通ったことのある人であれば知っているはず。

『Disqualified』は、ザックリ言えばそんな“教習所の厳しさ”を前面に押し出したゲームです。ところが、実際に車を走らせてみると……? 最初の坂道が可動式の跳ね橋になっていて、車が天高く放り投げられます!
また、普通に走っているだけなのに道路が崩壊して地中へ落下するというアクシデントも。よく見ると「道路崩壊注意」という標識があったようですが、これらの標識は怪奇現象により突然現れます。注意力を発揮してそうした現象を見つけた場合、クラクションを鳴らせば元に戻るという仕組みです。

ときにはボンネットの上に猫が乗っかり、それを窓越しのパンチで何とかしようと思ったら、いつの間にか車が炎上してそのままBBQ……という摩訶不思議な事態も。
さらに、走行の途中で、ナビがおかしくなることもあります。その場合は、必殺のメガトンパンチで殴ってナビを直しましょう!
だんだんと加速するクリープ現象

そんな訳の分からない現象が次々に起こる教習所。ミスをしたら最初からという、極めて厳しいルールも有しています。
とにかく、坂道を越えるだけでも難しい!!!

この教習車にはどういうわけか「ブレーキを踏み続けると電力を消費する」という特性があり、電力がなくなるとブレーキが利かなくなります。その上で、この車が「だんだんと加速するクリープ現象」を持っていることにも注意が必要です。
クリープ現象とは、AT車特有のアクセルを踏んでいないのに勝手に動く現象のこと。ギアをパーキングまたはニュートラルにするかブレーキを踏むかで、AT車はようやく完全停止します。
筆者の愛車であるダイハツ・初代コペンはAT車で、駐停車の時にクリープ現象を生かすと車体の小ささも相まって、安全に車を操作することができます。

実際の車のクリープ現象は、もちろん「だんだん加速する」なんて性質はありません。ですが、『Disqualified』の教習車はどうやら特殊仕様になっているようで、電力不足でブレーキが利かなくなるとそのまま暴走運転を開始!
AT車はMT車よりも操作機構が単純で、本作も操作がそんな複雑なわけでないのですが……。この“停まりっぱなし”がルール上できないという点が、難易度を容赦なく上げています!

おまけに、舞台は韓国。日本とは逆の「右側通行・左ハンドル」です。従って、普段運転していても日本人にとってはかなりの鬼仕様になっています。
車線はみ出しの判定もシビアで、すぐに元の車線に戻らないとイエローカードが溜まり、失格=最初からに。くうううぅぅぅ、イライラする!!
失敗したら最初から!

「ブレーキを踏むと電力が減る」点と、「謎の現象で標識が変わる」という点。これらは、標識をよく見ることと、停止の判断にあまり時間をかけられないプレイが要求されるということを意味します。
現実にはない標識が出てきて、それを無視すると大変なことに。救急車が飛び出して来たり、上空から旅客機が墜落して来たり。
これはもう、最初からクリアを目指す考えはナンセンス。まずは失敗することを前提にプレイするゲームと言えます。てか、こんなのクリアできる奴なんているの!?

そして、よくよく考えてみたら筆者は『Disqualified』のデモ版をプレイしています。ゲームの一部分を遊んでいるはずなのにこれだけ苦悩するのですから、製品版はどれだけ厄介なゲームになってるんだろう……。
さらに本作にはどうやら格闘ゲームの要素もあり、助手席の教官に代わっていつの間にか乗車している強盗を殴ることができます。コイツをそのままにしておいたら、車内で襲撃されて最初から。
つまり、運転中は前だけじゃなく左右もちゃんと見ろということ。いやー、運転に大事な要素が全部詰まってますな!
粗削りながら、大きな期待ができる作品

そんな辛口教習所ゲーム『Disqualified』は、Steamで無料デモ版が配信中。現時点で完全版の配信は「近日登場」とあり、残念ながら具体的なスケジュールが示されていないようです。幸いにも、デモ版の時点で日本語表示に対応しています。
筆者が実際にプレイしてみると、走行中にスタックしてしまう部分がいくつか見受けられ、チュートリアルの進行状況が更新されない部分もありました。「若干粗削りかな?」というのが正直な感想ですが、これはあくまでもデモ版。製品版では、これらが修正されることに期待したいと思います。

免許証を取得するため、理不尽な道程をひたすら進む『Disqualified』。皆さんも、世界一過酷な教習所で安全運転を学んでみましょう!













