中華ゲーム見聞録:受験戦争を生き抜く子ども育成シミュ『中国式家長 / Chinese Parents』―親の期待を背負って生きるか、それとも… | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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中華ゲーム見聞録:受験戦争を生き抜く子ども育成シミュ『中国式家長 / Chinese Parents』―親の期待を背負って生きるか、それとも…

親同士のマウンティング合戦「面子対決」というバトルシステムをも取り入れた中国家庭シミュ『中国式家長 / Chinese Parents』のプレイレポートをお届け。

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『太吾絵巻』『eSports Legend / 電競伝奇』に続く中国産インディーゲームのプレイレポートも早や第3回目。今回からは「中華ゲーム見聞録」の名を冠して連載としてお届けします。そんなわけで、本記事では『中国式家長 / Chinese Parents』をご紹介。どこにでもある中国の一般家庭をモチーフにした子ども育成シミュレーションゲームで、9月29日よりSteamで配信されました。

『中国式家長』は、ひとりの子どもが生まれたときから始まります。親の期待を背負いながら小・中・高校と過ごしていき、やがて来たるべき高考(中国の大学入試の全国統一試験)をめざします。中国文化が色濃く反映され、中国式の「あるある」ネタがふんだんに盛り込まれた作品。タイトルの「家長」は、中国語で保護者や両親を意味します。

『中国式家長』のバナー。Steamランキングでは独特の雰囲気を放っていました

開発元は墨魚玩遊戯、そしてパブリッシャーは先日プレイレポートをお届けした『eSports Legend / 電競伝奇』も担当しているCoconut Island Games(椰島遊戯)。近い時期に発売され、同じくプレイレポートをお届けした『太吾絵巻(The Scroll Of Taiwu)』(Steam配信は9月21日)と並んで、中国でホットな国産ゲームです。Steam & ゲーム データにも登場し、「現在のプレイヤー数」は『The Witcher 3: Wild Hunt』『VRChat』に次ぐ勢い(10月22日時点)。さて、本作ではどんな中国式人生がはじまるのでしょうか?

すべての子どもは親の期待を背負って生まれてくる


まずはセーブデータの名前を入力。なぜか「game」がつく単語は使用禁止。「gamespa」が駄目なので、「save」にしました。


ゲームを始めてセーブデータの名前を入力したのち、家族のステータス画面が出てきます。「名無し」で「第1代」。『太吾絵巻』のように何代も続くゲームかな、と思いながら説明文を見ると、どうやらそのとおり。クリアした(子どもが成人になった)ときの能力が、2周目以降のステータスに反映されるようです。周回プレイすることで子々孫々能力を継承できるシステム。何度も楽しめそうです。

生まれてまもなくのあなたの目の前に、母親と祖父母の姿が


まっ暗な画面があらわれ、クリックすると目を開きます。そこには母親と祖父母、そして涙ぐむ父親の姿がありました。生まれたばかりのあなたを、家族みんなが祝福しているのです。このゲームは「親子関係」がテーマになります。

ゲーム開始時にはこんな言葉が表示されます。「子どもたちは最初、両親を愛しています。そして少し成長すると、両親を批判するようになります。そののち、ある時期になると、両親を許せるようになります」。

「あなたは……生まれました」。黄色いのがあなたです


ゆりかごの中にいる黄色い赤ん坊があなたです。画面左にあるのが子どものパラメータ。智商(知力)、情商(感情)、体魄(体力)、想像力、魅力、そして一番下に中国らしく「面子」のパラメータもあります。赤ん坊なので面子はまだ0。

画面右の一覧には「親の期待」が表示されます。現在、あなたの両親は「あなたが健康に育つこと」を望んでいます。親の期待に応えるための条件は、「5ターン以内に体力を25まで上げること」です。達成するとさまざまなボーナスがもらえますので、親の期待に応えてみましょう。

人間とは己を成長させることのできる生き物



赤ん坊をクリックするとミニゲームが始まります。宝石を取っていくことで、それに対応した色の能力パラメータが上昇(体力なら青色)。行動力が許すかぎり、宝石を取りつづけられます。

ミニゲームをプレイし、体力が25を超えました。画面右の「親の期待」一覧をクリックして報告を忘れないように。このときに入ってくるパラメータ上昇ボーナスがなかなか大きいので、親の期待にはなるべく応えたほうがいいでしょう。


次にスケジュールを決めます。まだ赤ん坊なのでできることは少なく、学習では「でんぐり返り」、娯楽では「音楽に合わせて手をたたく」だけです。スキルを覚えることによって、スケジュールに設定できるものが増えていきます。

設定して次のターンに進むと、スケジュールが実行され、能力パラメータが上下します。『プリンセスメーカー』などの育成ゲームをご存知の方なら、なじみのあるシステムだと思います。

ゲームは全部で48ターン。各ターン、行動力を使用して先ほどの宝石ゲームを行い、スケジュールを設定し、主人公の能力を上げていく、というのがゲームの基本的な流れです。スケジュールを実行させてみましょう。

ユーモアもブラックジョークもたっぷりのスケジュールとイベント


でんぐり返りの練習。これによって「面子+3」「体力+6」「魅力+6」を得ます

スケジュール実行中、さまざまなアクシデントやイベントが起こります。中国式「あるある」ネタ満載で、ブラックジョークもあって、これがまた面白い!このゲームのメインの部分です。


ここでは「祖母が粉ミルク代をケチるためネットで購入したが、偽造品だった。体に異常が現れた」とのこと。最近はマシになりましたが、一時期は中国のネットショップで偽物を掴まされることはよくありました。筆者も、USBメモリを購入したらブランド偽造の品が届いたことがあります(使う分には問題ありませんでしたが)。


中国の嫁姑問題も登場します。祖母と母親が「布のおむつか、紙おむつか」で揉めました。その下に「あなたにはこのような経験がありますか?」という質問が。はい・いいえで答えると、「〇人があなたとおなじような経験をしています」とデータが出てくるところがなかなか面白いです。この中国式「あるある」ネタがスケジュールの合間に入ってくるので飽きさせません。スケジュールが終わると、次のターンです。


子どもの名前が決められるので、今回は敢えて「スパくん」でなく「ゲムスパ」にしました。また「歩行」「話をする」「忍耐」のスキルが取得可能に。ただし宝石ゲームなどで取得できる「悟性(理解力)点」が必要です。能力パラメータが高いほど必要な悟性点は減りますので、「能力を先に上げるか、早めにスキルを取るか」の判断が求められます。


宝石ゲームをこなして悟性点を稼ぎ、「歩行」のスキルを取得。スケジュールに設定します。すると次のターンでは、その一段階上のスキル「走る」があらわれました。

1ターンで得られる悟性点はかぎられていますので、無駄遣いはできません。育てる方向を考えつつ、しばらくターンを進めます。するとこのゲームの名物、親同士のマウンティング合戦「面子対決」が始まりました!

親と親が面子をかけて戦う「面子対決」!


「面子対決」開始前。我が子の取得した特長をセットして自慢のネタにします。特長が多いほど有利です


親戚が遊びに来ました。さあ、親同士の面子をかけたバトル「面子対決」の始まりです!子どもがこれまでに取得した「特長」を攻撃(自慢)材料とし、相手のHP(面子)を削っていきます。もちろん相手も子ども自慢や家自慢を返してきます。

「うちの子はトーマス旋回ができますわよ」「この前モルジブへバカンスに行ってきましたの」などとにこやかな笑顔で応酬し合い、相手の面子を削りましょう。4ターン後に面子が多く残ったほうが勝ち。面白くも赤裸々なバトルシステムです。

親の期待は年齢と共に重くのしかかる



幼稚園に上がり、新たなパラメータ「両親の満足度」「ストレス値」の2つが追加されました。両親の期待は、あなたの年齢が上がると共に重くのしかかってきます。ストレスを気にしつつ、親の期待に応えなければなりません。スケジュールで娯楽関連のスキルを実行すれば、ストレスを多少減らせます。


話ができるようになったので、「遊園地に連れていって」など親におねだりをすることも可能に。しかし説明文の「国産のパクリアニメ遊園地」って……。先ほどの粉ミルクの話といい、中国の自虐ネタが多いです(スケジュールの娯楽に「海賊版ゲームを遊ぶ」も)。

定期的に実施されるコンテスト。入賞をめざせ


このゲームでは定期的にコンテストが行われます。今回は能力不足でなんの賞もとることができませんでした。次回に期待しましょう。

また、主人公には「心の闇」もあります。画面左上のアイコンをクリックすることで見られます。図の白い丸が心理状態で、これが最大まで汚染されると精神崩壊が起こります。ストレスや親子関係に注意を払いましょう。次はいよいよ小学校です。

一年生になったーらー♪



幼稚園時代が終わり、ゲムスパも小学生に。父から小遣いをもらい、ショップでアイテムを買うことができるようになりました。家の手伝いをすることで小遣いを稼ぐことも可能です。

お金を稼ぐため、家の手伝いを。行動力が消費されます


ショップに入ってみると、ガラの悪そうなお兄さんが店番をしていました。中国の超大手企業・阿里巴巴集団(アリババ社)の創業者・馬雲(ジャック・マー)の本も売ってます。英語講師からIT長者になった方で、中国では立身出世の象徴、英雄的人物です。

お金が20元しかないので、しばらくバイトをしてから本を買いましょう。アイテムを買うと、スケジュールの「娯楽」に項目が追加されます。ストレスを減らしたり、両親との関係を向上させる消費アイテムもあります。

「海賊版ゲームを遊ぶ」のスケジュール。行動力と想像力が上がります。いったいなんのゲームを遊んでいるのでしょう。PC画面には……?


スケジュール中のイベントで、「日本のアニメソングを歌う」があります。父はそれを見て、「アニメソングを覚えるぐらいの速さで、教科書を覚えたことはないな」と嘆きました。

イラストの背景に日本語がありますが、筆者にはどのような歌か分かりません……ご存知の方はコメント欄などで教えてください。しかし日本語のアニメソングや童謡を歌える子どもは、中国では結構見かけますね。これも中国式「あるある」です。

もうすぐ中学生。不安の日々



ゲムスパももう10歳。小学校も高学年です。よい中学へ行くには高い能力が必要。勉強に力を入れなければなりませんが、ストレスがそろそろ危険領域に。スケジュールに娯楽も入れて、しっかりストレス発散させましょう。

テストの自然と人文で100点の快挙!


学校のテストですが、自然と人文で100点を取りました。人文科学の方面に強くなっていますね。だんだんと特徴が現れてきたようです。あとイベントのイラストにちょくちょく日本語が見られます。画像は某ミクさんでしょうか。本編の日本語化も期待できるかもしれません。


12歳になり、将来の進路を選択することになりました。一般人、事務家、大文豪、芸術家、オリンピックメダリストと、親の欲目なのか、ハードルがひたすら高くなっていきます。体力パラメータは低く、いま高いのは想像力、知力、感情。大文豪を選んでみます。


親戚から紅包(お年玉)をもらいます。ただし、中国ではお金を渡されたら素直に受け取ってはいけないのです。最大限遠慮しつつも、最後には手に入れるという駆け引きが必要です。マウスクリックをし、マーカーをオレンジ色の範囲内に収めましょう。やりとりのセリフがやけにリアルです。

中学校生活は恋の始まり?


中学校生活の始まり。できることも増えています


中学校に入りました。ゲムスパも異性を意識するようになり、願わくば彼女を作ろうと思い始めています。新たに「社交」が追加され、彼女候補の方々に話しかけることが可能に。今回は一番左の眼鏡をかけた劉偏偏さんを選んでみます。


恋愛ゲームのように、会話選択があらわれます。上から「じゃんけんをしよう」「学校の噂話をしよう」「もし……」。しかしわざわざ会いに行って、「じゃんけんをしよう」などと言う男とは付き合いたくないでしょう。噂話もあれなので、一番下の「もし……」を選んでみます。


なんと「もし俺と別れたくなったら、そのときは正直に言ってくれよな」と、彼氏でもないのにとんでもないことを言い出しました。そしてこの笑顔。当然のように好感度は下がり、ただでさえ0だったものがマイナスに。

しかも、この会話一回で行動力がそこそこ減りました。ステータスアップのための宝石ゲームでの行動回数も減ります。恋愛と勉強は両立できないのでしょうか。これはちょっと考えたほうがよさそうです。


中学生になってから、スケジュールに組み込めるスキルや娯楽がかなり増えています。プログラミングやPHP言語の勉強があるのも、IT化やフィンテックの進んだ現代中国らしいです。今では市場の肉屋で買い物をするときすら、スマホ決済が当たり前の中国。筆者も近年では、中国で現金を使ったことがほとんどありません。


インディーゲーム文化のスキルを取得してスケジュールに組み込むと、どこかで見たようなお方が。このままこのスキルを学んでいけば、将来はインディーゲーム開発者になれるかもしれません。

高校は人生の分岐点


高校生になり、成長したゲムスパ


とうとう高校です。ゲムスパも最初の黄色い物体からずいぶん成長しました。大学の全国統一試験は三年後。クラス担任から気をひきしめるよう言われます。ゲームも終盤なので、ラストスパートでスキルを磨いていきましょう。


軍訓(軍事訓練)のイベント。中国では高校と大学で、軍事訓練が義務付けられています。筆者は中国にいた頃に大学で講師をしていましたが、大学一年生は入学から数週間(※大学によって期間は異なります)軍事訓練があり、その間は授業がありません。男女とも迷彩服を着てグラウンドを走ったりと、早朝から夜までなかなか大変そうです。教師側としては学生の規律が上がるので、授業がしやすくて助かるのですが。


再び、進路選択が出てきました。中学では大文豪を選びましたが、高校では選択肢が増えています。能力パラメータやスキルと相談し、ここで進路変更するのもいいかもしれません。ゲムスパはインディーゲーム開発に興味を持っていたようなので、新しく登場した「ゲーム開発者」を選びます。

交流できる女の子の一覧。人数が増えています


時間経過と共に、交流できる女の子の数も多くなりました。前回の劉偏偏さんは諦め、その隣の席夢来さんと付き合い始めました。仲良くなるとその子とのイベントも発生します。


受験そっちのけでインディーゲーム開発にのめりこんでいく主人公とその友人。このやりとりが意外に熱く、大企業とインディーゲーム会社との関係、ゲームへの情熱と現実の厳しさなど、このゲームの開発者の思いが込められているかのようです。このあたりはぜひ自分の目で確かめてみてください。

さあ、人生を決める高考へ!



中国の学生にとって人生を左右する大学の全国統一試験「高考」が始まります。「高考」は「全国普通高等学校招生統一考試」の略です(長い)。中国の「高等学校」は大学などの高等教育機関のことで、「高校」とも言います。日本で言う「高校」は、中国では「高中(高級中学)」に当たります。

CCTVチャンネルの高考特集。雰囲気などの参考にどうぞ

中国の学校は9月が入学式で、高考は6月に行われます。日本と違って大学別の入試はなく、高考の点数のみで入学できるかどうかが決まってしまいます。そのため、清華大学や北京大学などの有名大学へに行くには、多くのライバルを相手に高得点を出さなければなりません(2018年の高考初日の受験者数は975万人)。中国では古代より科挙(官吏登用試験)があり、それが現代でも引き継がれているかのような印象。まさに、将来がかかった試験です。


高考が終わりました。この画像、何をしているところかお分かりでしょうか?中国では高考直前、もしくはその後に、これまでのストレスを発散させるため、「教科書やノートを破って校舎からばら撒く」という慣例行事があります。「もう二度と受験勉強したくない!」という学生たちの気持ちがよく伝わってきます。


高考の結果、600点中382点を取り、「内蒙古警察職業学院」に入学することになりました。内モンゴルの警察学校です。仲のよかった席夢来さんとも次第に疎遠に。また一緒にインディーゲーム開発をしていた友人は、ゲーム開発者として独立はしましたが、ゲーム作りが上手くいっていないようです。


卒業後、あなたはゲーム会社に企画として就職しました。しかし望んでいたものとは違い、課金システムの開発を続ける毎日。『中国式家長』の開発者は仕事を辞め、独立して今の会社を作ったそうなので、もしかしたら実際の出来事がベースになっているのかもしれません。

ちなみに、前述したIT長者の馬雲は高考を2度受け、数学の点数が初回は1点、2度目は19点と、2度も落ちています。3度目の数学で89点を取り、やっと大学へ。馬雲はスピーチや対談でよくこの話をします。高考で自殺者も出る今日、一度や二度の失敗で人生は決まらないことを伝えたいのでしょう。


それに人生は、仕事だけではありません。結婚して子どもを育てるのもまた人生。特に中国は親からの結婚圧力が強いため、なかなか避けられるものではありません。ここでは3人のうち1人を選んでプロポーズをします。仲のよかった席夢来さんを選びましょう。それでも成功率は55%ですが……さあ、結果はいかに。

付き合いを重ね、そしてプロポーズ


プロポーズ成功!おめでとう、ゲムスパ!ここまでロクなことがなかったので、これは嬉しいエンディングになりました。これから2周目に入れるとのこと。親の特性を引き継げるので、次の世代はもっとうまくやれるでしょう。


そして2周目。ゲムスパの子供が主人公です。名前もまた新たに決めることになります。さて、次はどんな人生を歩むのでしょうか?あなたもこのゲームで自分だけの物語を作ってみてください。

現代中国のゲームクリエイターの台頭に注目!


イベントや面子対決でのセリフのやりとりなど、まったく飽きることなく最後まで楽しむことができました。とにかくテキストが面白い!中国の一般家庭の生活がよく表現されています。開発者が楽しんで作っていることが伝わる作品でした。

日本では、「中国の作品は政治的バイアスがかかっている」と思われているかもしれません。しかし飄々と中国の現実を描いた現代作品も数多く存在します。この『中国式家長』もそのうちのひとつです。

誇張でも矮小化されたものでもない、等身大の一般的な中国家庭を、本作はユーモアたっぷりに表現しています。ぜひとも日本語や英語の言語を追加し、現代中国作品の新たな一面を世界に配信して欲しいと思います。

製品情報



※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字を日本の漢字に置き換えています。
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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