気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Ludeon Studios開発、PC/Mac/Linux向けに10月17日正式リリースされた惑星コロニー運営シム『RimWorld』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、宇宙船の事故で未開の惑星に不時着した一行を操るストラテジー。コロニーを建築、維持拡大し宇宙船を再建、再び宇宙を目指すことが目的で、リアルタイムに進行していきます。各種の天候や気候への対応や、現地勢力や生物などとの友好的・敵対的な関わり、細かく設定された健康ステータスの維持管理といった要素も。日本語にも対応済みです。
『RimWorld』は3,600円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
タイナン:タイナンと申します。中学生の頃からゲーム開発をしており、『Unreal Tournament』シリーズのMod制作を何年もしていました。その後、Irrational Gamesにおいて『BioShock Infinite』の開発に携わり、今は自分の会社であるLudeon Studiosを経営しています。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
タイナン:『BioShock Infinite』の開発に数年携わり、2012年の上旬にスタジオを去りました。まずは何年も考えていたゲームデザインをまとめるため、ゲームデザインに関する本を書きました。次に自分の会社であるLudeon Studiosを始め、毎月一つゲームのプロトタイプを作り、月末にテストを行うことにしました。それが人を惹きつけるものでなければ、廃棄することにしたのです。次々とゲームを破棄するのは少し恐ろしい気もしましたが、6つ目に作ったプロトタイプがとても面白く、友人はプレイするのをやめませんでした。そしてこのプロトタイプこそが、『RimWorld』となったのです。2013年下旬にKickstarterプロジェクトを始め、それから徐々に本作を改善していきました。
――本作の特徴を教えてください。
タイナン:本作においてストーリーはプレイヤーに与えられるものではなく、ゲームとプレイヤーが一緒に作り出すものです。ゲーム内で起こるあらゆることはダイナミックで、プレイヤーの選択、ゲームシステム、AIによって引き起こされ、良いストーリーを作り出すために良いペースで展開します。本作のゲームデザインは、このストーリーをより濃いものとするということに注力しています。キャラクターの癖、性格、経歴はランダム生成され、各キャラクターの交友関係や友好関係に影響しますし、怪我や病気、依存症といった要素があり、彼らは遠い惑星で大変な状況となります。各プレイセッションの終わりにおいて、すべてのプレイヤーはそれぞれ異なる物語を持つことになります。本作が楽しいのは、建築、戦闘、経済、RPGシステムと言ったありがちな要素のおかげですが、何よりそのコアとなるのは数々の物語を作るということなのです。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
タイナン:もちろんです。宇宙西部劇「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」や昔の米国の西部劇映画のアートが大好きです。本作においてキャラクターが多すぎないようにしたいと思いましたので、宇宙西部劇らしさを採用しています。そのほかの点において、本作は「デューン/砂の惑星」、「ウォーハンマー40,000」、アレステア・レナルズの「Revelation Space」シリーズ、そして私が今までに読んだ多くのフィクション作品から影響を受けています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
タイナン:日本で作られた素晴らしいゲームの多く、そして日本をテーマとした本作のModに感謝します!本当に素晴らしいです。
――ありがとうございました。
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