ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。
そこで本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。今回ご紹介するのは、ヴィン・ディーゼル主演のダーク・ファンタジー映画「ラスト・ウィッチ・ハンター（原題：The Last Witch Hunter）」（2015）です。
魔女と人間の共生を描くダーク・ファンタジー
ブルース・ウィリス、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサムに続けとばかりに、ハリウッドの名スキンヘッド俳優として高い人気を誇っているのがヴィン・ディーゼル。「ワイルド・スピード」（2001）のドミニク役で人気に火が付き、一躍その名を知られる存在となりました。「リディック」（2004）から「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」（2014）まで、幅広い役柄をこなす肉体派スターの彼がつぎに挑んだのは、不死の呪いを受けた不死身の魔女ハンターでした。
いまから遡ることおよそ800年前。世界を牛耳る魔女の女王は、増え続ける人間に対して疎ましさを感じ、闇の魔術の力を駆使して疫病を生み出しました。疫病によって妻子を失ったコールダー（ヴィン・ディーゼル）は、女王を打倒すべく集められた討伐軍に加わり、魔女たちの根城を急襲。苦戦を強いられたものの、女王への復讐を成し遂げたコールダー。しかし代償として、コールダーは不死の呪いを受けるのでした……。
女王とコールダーの戦いを描いた冒頭は、ファンタジー色全開のアツいオープニング。鍛え抜かれた肉体美を披露し、魔女の軍団と戦う姿は最新のCG/VFXによるバトル・シーケンスは迫力満点です。ジャンル映画としての掴みは抜群の冒頭から時は流れ、場面はいきなり800年後の現代を映し出します。現代に生きる魔女たちは、人間に対して魔術を使わないこと条件に、共生を認められています。人間社会に溶け込んでいる魔女たちですが、中には条約を無視し、魔術を使う者も。
こうした違反者を捕縛し、評議会に引き渡すのが魔女ハンターたるコールダーの役目。コールダーのサイドキック的立ち位置なのが、名優マイケル・ケイン演じる神父ドーラン。現代を描いたダーク・ファンタジーであると同時に、一風変わったバディ映画の側面もあわせ持つ、新感覚のファンタジー・ワールドが面白いところです。
アクション俳優として多くの映画でスタントをこなすヴィン・ディーゼルですが、本作でのアクションは少し控え目。どちらかというと本作では、シリアスな演技力を開花させるなど、俳優としての新境地を切り拓いています。
撃ちまくり斬りまくりアクション！
現代の魔女狩り組織である“斧と十字架団”の一員として、人間に害を及ぼす魔女や魔法使いを捕縛するコールダー。代々にわたり受け継がれる従者、神父ドーランを相棒に、銃と剣のハイブリット・アクションが展開します。
「ピッチブラック」（2000）「トリプルX」（2002）など、なにかとタンクトップ姿がお似合いのヴィン・ディーゼルですが、本作ではイカしたロングコートを着こなす、渋い装いで登場。銃身の短いショットガンをぶっ放し、燃え上がるファイヤーソードで華麗に斬りまくる！
筋金入りのビデオゲーマーとして知られるヴィン・ディーゼル。ゲーム開発会社“Tigon Studios”を所有し、「リディック」など自身の主演作を題材に、いくつかのビデオゲームをリリースしています。本作では、主演のほか製作にも名を連ねていますが、根っからのビデオゲーマーであるディーゼル製作というだけあってか、本作にはビデオゲームの精神が、いたるところに散見されます。
銃と剣がメインウェポンのコールダーは、『デビル メイ クライ』シリーズの主人公ダンテを彷彿とさせ、魔女狩りを家業とするコールダーと、悪魔狩りに生きるダンテには、類似点が豊富。『デビル メイ クライ』にインスパイアを受けたのではないかと、勘ぐってしまうほどです。剣と魔法の世界を描いた冒頭のオープニング・シーケンスは、『スカイリム』のような中世ファンタジーの雰囲気さえ感じるでしょう。
また、「ロード・オブ・ザ・リング」（2001）でフロド・バギンズを演じたイライジャ・ウッド、「ゲーム・オブ・スローンズ」からはイグリット役のローズ・レスリーが共演するなど、ファンタジーの名プレイヤーが脇を固めています。
映画「ラスト・ウィッチ・ハンター」はNetflix、Amazonプライム、U-Nextで視聴可能。ヴィン・ディーゼルのゲーム愛が詰まったダーク・ファンタジーの佳作をぜひご覧あれ。
