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復讐劇は愛犬の死から始まる「ジョン・ウィック」【コントローラーを置く時間】

GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介する企画「コントローラーを置く時間」。今回は、今最も熱い男キアヌ・リーブス主演の復讐劇「ジョン・ウィック」をご紹介。

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ハードコアゲーマーのためのゲームメディアGame*Sparkでは、日々、様々なゲーム情報をご紹介しています。しかし、少し目線をずらしてみると、世の中にはゲーム以外にもご紹介したい作品が多数存在します。

そこで本連載では、GameSparkスタッフが、ゲーマーにぜひオススメしたい映画/ドラマ/アニメ作品を1本紹介していきます。今回ご紹介するのは、愛犬を失った殺し屋の復讐劇「ジョン・ウィック」(原題: John Wick)です。

今、ゲーマーの間で最もホットな男のガンフー・アクション


CD Projekt REDのアクションアドベンチャー『サイバーパンク2077』はE3 2019で大きな注目を浴びました。ご存知の通り、その盛り上がりに最も貢献したのは「ジョン・ウィック」で主演を務めるキアヌ・リーブスの登場でしょう。最新作「ジョン・ウィック:パラベラム」は全米で首位を獲得するほどの人気で、『フォートナイト』では公式のスキンも登場し話題となりました。

本作の主人公ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は引退した殺し屋。かつては裏社会の伝説的な存在でしたが、やがて恋人を病気で失います。失意のどん底に落ちたジョンですが、恋人は自らの死を悟り、生前に子犬を託していたのでした―「私の代わりにこの子を愛して」というメッセージを添えて。ジョンはその子犬との生活に希望を見出そうとします。

しかし、ある日そのささやかな幸せすら打ち砕かれました。ジョンの愛車目当ての強盗が家を襲撃し、愛犬もついでとばかりに殺されてしまったのです。ジョンは復讐を決心し、裏社会のネットワークを駆使して即座に犯人を突き止めます。犯人はかつて自分を雇っていたマフィアのボスの息子でした。一匹の愛犬の死から、ジョンvsマフィアの全面戦争が始まる―というのが映画の最初の流れです。

傷だらけの達人、それ故のビリーバビリティ


本作の見どころは何と言っても銃とカンフーを融合させたアクション「ガンフー」です(あまり関係ないですが『Fallout 4』のパークとしても登場していますね)。キアヌは敵を殴っては撃ち、殴っては撃ちます。「銃があるなら殴る必要はないのでは?」という疑問は、ゲーマーなら湧かないのではないでしょうか。そうです、咄嗟の遭遇戦ではなかなか銃を命中させることは難しいのです。「狭い室内での至近距離ならナイフの方が強い! でも現実では?」―そういう妄想をジョン・ウィックが演舞してくれているかのよう。

殴打でひるませてから近距離で確実に、そして次々に敵を射殺していく様は、さながら鎌を銃に持ち替えた死神です。ジョンが時折見せる独特のスタンスは「C.A.R(Center Axis Relock)システム」と呼ばれる構え。至近距離の戦闘を想定したもので、実際の軍や法執行機関から高く評価されています。実際にガンフーのような使い方はしないでしょうが、ジョン・ウィックはそうするだろうという説得力のあるアクションに仕上がっています。

一騎当千で突き進むジョン・ウィックは紛れもなく「No.1の殺し屋」として描かれています。誰も彼を恐れますが、全くの無敵ではありません。多くの手練が彼を狙い、何度もピンチに陥ります。改めて見直して気づいたのですが、劇中は彼は常に何らかの負傷を負っているような状態です。

「間違いなく最強だが、血で血を洗う殺し合いの中では常に紙一重の差でしかない」―この感覚は、まるで高難易度ゲームをプレイしているかのような緊張だと、いちゲーマーとしては感じます。そしてその紙一重に常に勝ってきたジョン・ウィックが、最高にカッコよく映るのです。

明暗ではなく色で見せる映像美、それ故のガチンコ勝負


映像に注目して見ると、本作は昨今の映画の中では明暗の表現があまり多くありません。これはアクションを隅々までクッキリと見せるためでしょう。そんな誤魔化しのきかない画面で、ジョン・ウィックは尽きることのない殺しのレパートリーを華麗に披露していきます。やや安直に暗めな画面づくりをしがちな最近の映画に対して「中身で勝負する」というアンチテーゼでしょうか。明暗に乏しい一方で、色彩は非常に豊かに感じました。オフィスのような昼白色からアクション映画ではお馴染みの怪しいクラブのドギツい照明まで、実に多彩です。ジョンの復讐の進行に合わせてキーとなる色が変化していき、最後まで飽きさせず画面に惹きつける工夫を感じました。

復讐劇から広がる裏社会の終わりなきサーガ



初代「ジョン・ウィック」は「復讐の運命」というテーマを一作で見事に描ききっています。単体でもオススメしたい映画です。しかし、二作目では一作目で提示されたキーワード「コンチネンタルホテル」「主席連合」という巨大な裏社会の構図から一気に世界観が広がり、留まる所を知りません。殺し屋ギルドのようなコンチネンタルホテルが持つ様々な設備や鉄の掟など、一作目で気になっていた所を描いておりファンの喜ぶポイントを的確に捉えています。

一作目が気に入りましたら是非見てみることをオススメします。そして来る2019年10月、最新作「ジョン・ウィック:パラベラム」が国内でも公開予定です。まだ公開まで時間がありますので、この機会にキアヌ・リーブス出演作を「復習」しながら次のジョンの活躍に思いを馳せてはいかがでしょうか。


「ジョン・ウィック」は、Netflixにて配信中。そのほかのサイトでは有料にてレンタル視聴が可能です。なおNetflixでは、続編「ジョン・ウィック: チャプター2」も視聴できます。
《KAMEX》
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