シリーズ35周年の2020年1月16日に発売が決定した『三國志14』。プレイデータ収集版の配信日が10月11日(金)に決まり、期待値も高まっているのではないでしょうか。本稿では越後谷 和広プロデューサーに本作の魅力や開発状況などを語っていただきました。
――現状の開発手ごたえはいかがですか?
越後谷 和広氏(以下越後谷):満足いただけるものになっていると思います!
――今回は「陣取り」や「兵站」の部分に重点を置いたとのことですが、その部分について、改めてお話を聞かせていただければと思います。
越後谷:陣取りと兵站に関してはスタッフ一同がこだわった部分です。兵站を切られることが当時どれだけ死活問題であったかをゲームで表現したかったのです。ある意味誇張した表現ではあるのですが。
――陣取り部分も色でわかりやすくなっていて、視覚的に理解できるのがとても良いなと感じました。
越後谷:「初代『三國志』の色塗りの面白さを表現していこう」というのが発端ではあったのですが、実際にやってみて社内での評判もよくて。社内版でいくつかバージョンを作りテストプレイを行いましたが、ここに関しては満場一致で「いいね」と言ってもらえました。わかりやすいですし、色を遮断したことによるストレートな達成感がありますよね。
――気持ちよさそうです! 逆にこちら側の兵站が崩れた際はどのように対策するのがよいのでしょうか。
越後谷:兵站を切られそうになっている側は混乱しています。士気も下がるし兵士もどんどん逃げ出すし……。なので兵站が切られそうになったら、そうなるのを予測して後ろから援軍を送ることが重要になります。また、混乱からの復旧には武将個々の能力差があり、諸葛亮はすぐ復帰できたりします。
――そうなると誰を救援に出すかも重要になりそうですね。
越後谷:機動力があるけど攻撃力が弱い武将を選んで急ぐか、機動力はないけどそこそこ攻撃力がある武将で確実に進むか、どちらもアリです。好きなやり方で楽しんでいただければと思います。
――本作のもう一つのポイントである「施政」や「政策」について、武将の個性がより強調されたと思うのですが、この武将はこうしたかったなど、こだわりの部分があれば教えてください
越後谷:大勢力の中核を成した人材には何人分もの力があったと考え、荀イクや諸葛亮など、中枢を担っていた人たちには相応のパワーを与えています。
――それは心強いです! しかしそうなるとバランスの調整が難しかったのではないでしょうか?
越後谷:基本的に考えているのは、あくまで武将の個性が人一人の限界を超えているくらいのバランスです。呂布は2~3人武将に囲まれても蹴散らしてほしい、というのがファン心理ではないですか。シミュレーションゲームとしてのアンバランスさを個性で補っているという感じですね。呂布であれば猪突猛進で強いですが、逆に止まれなかったりするので、兵站をカットするのは案外簡単だったりします。
――知力の高い武将を当てれば、うまいことやってくれるということですね。
越後谷:そうですね。そこは今回のAIの肝になります。実際にやってくれるかは期待して待つしかないです。この武将ならやるだろうと駆け引きをするのが楽しいかと。
――今回は送り出した武将も勝手に動きますが、この点について賛否が分かれたのではないでしょうか。
越後谷:ここは指示したい、ここは見ているべきだろうという議論は最初からありました。命令を聞いてくれないことに関してのアレルギーは当然あると思います。「プレイデータ収集版」をプレイした皆さんの意見を参考にさせていただきつつ、開発陣にとって当たり前になってしまって気付かないところをフォローしてブラッシュアップしていけたらと思います。
――今回はターン制ではないところもポイントだと思うのですが、こちらについても詳しく教えてください。
越後谷:『三國志9』のシステムを今回もう一度やりたい、というところからスタートしています。最初から迷いなく採用して開発を進めました。今は戦略フェーズと進行フェーズを行ったり来たりのサイクルですが、当初私が思っていたのは絶えずリアルタイムで進行するものでした。一瞬の判断が生死を分けるのが戦乱の世ではないかと思うのです。しかしそれを実際のゲームにしてしまうとユーザーさんがついてこられなくなってしまうので、本作は「親切なリアルタイムシミュレーション」として捉えていただけるとしっくりくるかなと思います。そして今回は相手が何をしてくるか、どう動くかを先読みしてコマンドを入れなくてはならない、いわゆるAIとの戦略の読み合いを重視しました。そのためにはAIにある程度歯ごたえがなければいけませんので、そこを注目していただければと思います。
――自分の武将の動きを読みつつ、相手の動きも読むという事ですね。
越後谷:はい。しかも、分かっていても「こう動く!?」ということが起こるはずです。それも予測した上で兵を展開することが肝心になります。難易度は3段階用意してあります。最初は簡単なモードで様子を見ていただきつつ、個人的には「難しい」でプレイしてほしいと思っています。
――プレイデータ収集版からのデータ引き継ぎはありますか。
越後谷:今回はありません。ですが、TGSのバージョンよりもやれることが多くなっています。TGSでは時間制限があるので呂布を倒すことが目標になっていますが、内政をして相手を攻めるのをじっくり待ってもいいですし。序盤の全てのAI操作について楽しんでいただければと思います。
――最後に、ファンに一言お願いします。
越後谷:TGSで色々と発表させていただき、期待していただけているかなと感じています。そのまま期待に応えられるよう、発売日に向けてブラッシュアップしていく予定です。2020年の新年早々、じっくりと遊んでいただければと思います。
――ありがとうございました!
編集部おすすめの記事
連載・特集 アクセスランキング
-
海外レビューハイスコア『Stellar Blade』―魅力的なヒロインの外見の下には素晴らしいゲームが広がっている
-
自分の作ったキャラたちでハクスラ&ハードコアなファンタジー学園生活の日々『ととモノ。』再び!さらなる新機能でより快適になったDRPG『剣と魔法と学園モノ。』1AE/2Gリマスター【プレイレポ】
-
【吉田輝和の絵日記】美少女がド派手にスタイリッシュアクション!『Stellar Blade』体験版をプレイ
-
『Don't Starve』開発が贈るハクスラACTが早期アクセス開始!最大4人の協力プレイにも対応―採れたて!本日のSteam注目ゲーム12選【2024年4月25日】
-
圧倒的にリアルな中世シミュレーション『Manor Lords』を先行プレイ。“新米領主”となって資源確保、生産管理、農耕など都市建設を体験【プレイレポ】
-
自分だけの集落と軍隊を作って王権に立ち向かう最大4人協力プレイ対応オープンワールドサバイバル登場―採れたて!本日のSteam注目ゲーム10選【2024年4月24日】
-
『ゼンレスゾーンゼロ』リリース前に「推しキャラ」を探せ!刺さるキャラがきっといる、癖が強めな『ZZZ』人物・陣営をご紹介【増幅テスト】
-
「パンツ・たくさん・ありがとう」だけじゃない!?紳士ゲー『バニーガーデン』で注目集めた「PTAシステム」の歴史
-
【特集】『Incursion Red River』はなぜヒットした?完全PvEの『タルコフ』ライク、リアルだけど少しカジュアルに
-
『Stellar Blade』「顔」も「髪」も「尻」もいい! 新時代の美少女表現は、ポニテの長さまで自由自在【フォトレポ】