DINGO
まずは進化したグラフィック。これがまたすごかった。国産でここまでできるのはなかなかに珍しく、とても綺麗でただ広大なMAPを走っているだけで1日がつぶれる。そして主人公サムの元の俳優が某ゾンビドラマに出てくるノーマン・リーダスで大好きだったため激似でとてもうれしかった。
ここまで似てると逆に怖いくらいでその点もゲームというより映画をプレイしている感じになれた。鏡の前でファッションを変えてるだけでも楽しいと思えて、これだけでも自分は嬉しかったです。
ストーリーもよくさすが小島監督といったところでしょうか。『メタルギア』を手掛けた小島監督の新作!というのではなく新たに日本に名作が生まれた!と考えた方がいいかもしれない。ストーリーに関してはネタバレ含むのであまり言わないが、ゆっくりと進んでいくので世界観や主人公の取り巻く状況なども理解しやすくとてもよかった。買って損はなし。途中にでてくるキャラ達にも魅力がそれぞれあり、感情移入してゲームに没頭出来て楽しめる。キャラも一人一人がよくできていて声も合っているので違和感なくプレイできる。
操作性も『メタルギアソリッドV』をやっていたらすぐに馴染めると思う。アクション苦手な人でもクリアできると思うので、そこが心配な人もぜひともやってほしい一作。映画でいうならゆっくり進むが、飽きさせない展開を要所要所に盛り込み主人公や世界感を説明しながら進んでいくような噛んでいて飽きないスルメのようなゲーム。ド派手に戦うもあり、見つからず通り過ぎるもよしで『メタルギア』を継承しているようで新しくなった斬新なシステムもかなり好感が持てた。
BGMに関してもとてもよくゲームも盛り上がり、声優陣の豪華さにも目を向けてほしい点ではある。これが棒読み俳優ゲーだったらかなりきつかったが、声優陣の豪華がその点を払拭してくれ、さらにゲームへの没頭感を一段と増してくれています。
愛や人情、使命感等の感情を刺激してくれる今作にとても感謝。オープンワールドで国産でしかもストーリーもここまでいいのは数年に一度しか出会えないので一度はプレイしてほしい。クリア後の探索も楽しく、のんびりやれるので飽きたらちょっとやめてまたやりだしての繰り返しで長く遊べるゲームです。とにかく広大なMAP、ストーリー、小島監督という点で買って良しの作品になっているのでおすすめします。宅配だけでもかなり楽しめるゲーム。これだけでも珍しいです。
~『DEATH STRANDING』レビュー~ 繋がりを切った人の、ちょっと変わった「繋がり」の形/Red Mist
私の小島監督との初めての出会いは2016年に行われた東京ゲームショウである。大の『メタルギア』ファンである父に連れられPlayStationブースに足を運び、「『メタルギア』にゾンビなんて出るわけない」という監督の発言に周囲が沸いているのがとても印象的であった。そのころにも『DEATH STRANDING』の話はちらほら入ってきていたが『モンハン』に育てられ『ソウル』シリーズを愛し、FPSで青春を謳歌した私にとってストーリー重視(と思われる)ゲームは眼中になく、その時点では特に気にも留めていなかった。
そんな中で時が進むにつれ豪華ハリウッド俳優(寡聞にして私は存じ上げなかったが……)の起用や「全く新しいゲーム体験」というプロモーションが私の耳にも入り、そしていかに小島監督が優れた人かという父の熱弁もあってこのゲームに対する興味が少しずつ湧いてきた。そして発売後に賛否両論が吹き荒れたのを見て「これは良いか悪いかはともかくゲーマーとしてはここまで意見の割れるゲームはやらねばならぬ」という謎の義務感をもって私はこのゲームを始めたのである。
クリアした今では『DEATH STRANDING』は私のベストゲームとして燦然と輝いているのだが、このゲームが好きになれない、人を選ぶという意見も心底理解できる。このゲームはムービーが長く、序盤から専門用語が頻出し、やっていることは『モンハン』の卵運びに近い。少し触れてみてこのゲームを投げてしまったという人も少なくないだろう。しかしそれではあまりにももったいないと感じるほどの魅力がこのゲームにはあるのだ。それを今から見ていこう。
『DEATH STRANDING』の魅力として多くのプレイヤーが真っ先に挙げるのはそのストーリー、そしてキャラクター達だろう。初めは「都市を繋ぎアメリカを再建する」といういささか幼稚で理想主義的な目標を掲げられサムと同じ様に反感を覚えた人もいるだろうが配送先で出会う人々、幾度となく邂逅するBTとそれに対するBBとの繋がり、そしてサムとアメリの親密で強固な関係やブリッジズとのメンバーとの交流は心温まるものであり、小島監督がこのゲームで伝えたかったであろう「繋がり」というものを私たちが再認識するきっかけになってくれると思う。
そしてやはりこのゲームにおいてキーパーソンであり、裏の主役であるクリフの存在はかかせないもので人気投票1位になったのも大いに納得できることである。初回の登場シーンから重要キャラ感はあったクリフであったが、あくまでBBの謎につながる人物であろうと予想していて「大トリはアメリであろう(ヒッグスは噛ませ犬感が凄かった)」と思っていたのだが……BBではなく自分の息子サムへの愛という形での漂着であったのは非常に良いミスディレクションであり、誰もが終盤ムービーで驚いたことと思う。一度は繋がりを切ったサムがビーチを通してアメリと、配送を通してフラジャイルと、BTを通してBBと、そのBBを通してデッドマンと…様々な形で関係を築いていったうえでの親子関係となるクリフとサムである。これを1本のゲームで描き切った監督の頭の中はどうなっているのだろうか……。
そしてそのゲーム体験を盛り上げてくれるのが音楽ユニットLow roarの音楽であり、これもゲーム体験に非常にマッチしているといえるだろう。配送任務の中でBTの座礁地帯を何とか抜けて時雨がやみ、次の配送センターや都市が見えてくる…そこでのBGMは心に染み渡るものであり、自分もサムとともに苦労を乗り越えた一体感が味わえるものとなっている。
また先述した「繋がり」というテーマを示すもう一つの要素である他プレイヤーとのつながりも見逃せない。直接的な協力プレイではないものの他者(=サムワン)の梯子を使い、橋を渡り、看板に励まされ、そして自分の梯子をまた誰かが使う……単調になりやすい配達ゲームにおいてこの要素は「誰かに感謝する、また誰かに感謝される」という確かなスパイスとして機能しており、現代ではグッド稼ぎと揶揄されるように否定的な見方も多い「いいね!」というサインを嬉しく思ったプレイヤーも多いだろう。
一方で気になった点としては多くの方があげているカイラルアーティストのくだりをはじめとして国道のあまりの有用さ(いったん整備さえしてしまえば国道沿いは安全に車両配送が可能になる)やバイクの存在(岩の多い道をぶつかりながら無理やり走破する)、パワースケルトンのない1マップ目の大変さなどであろうか。用語が難しすぎるという意見もあったがこれはゲーム内資料を読めばある程度理解でき、また小説版で内容を把握するという手もあったのでさほど気にならなかった。このような点もあったが、私にとっては魅力の方がそれを上回ったので楽しめたように思う。
このような『DEATH STRANDING』であるが、私にとっては「繋がり」について考えさせられるきっかけともなった作品であった。ここからは個人的な話になるが少しお付き合い願いたい。
皆様には友人はどのくらいいるだろうか。家族とは良好な関係だろうか。或いはネット上で一緒に遊ぶゲーム仲間がいるだろうか。私は、これらの関係をすべて切ってきた人間であった。進学する大学を巡って両親とは不和を生じ、結局地元から遠く離れた大学での一人暮らしを選択。高校時代には多少いた友人とも当然のように疎遠になり、大学でもサークルやバイトとは無縁で一人で毎日ゲームをする毎日であった。ゲーマー歴は長いがゲームを一緒にやるフレンドがいるわけでもなく、TwitterやDiscordでゲーム仲間を探すわけでもない。そんな状況ではあったが毎日の生活は意外にも非常に楽しく感じられ、「一人で暮らすのが向いているのかな」なんて思い始めてもいた。
そんな中で始めたこのゲームで私が「繋がり」というテーマに反感を覚えたのは当然の事である。登場人物の中でもアメリやダイハードマンの言うアメリカ再建には殆ど興味が持てず、サムの「アメリカ再建など大きなお世話だ」という意見に賛同しながらのゲームプレイであった。ゲームを進めていくとサムは多くの人々とつながりを持つようになり、またアメリやクリフとの縁が切っても切り離せないものであることも明かされる。そしてサムがBBと自らの意思で繋がりを持つことで大団円となるわけだが、そこで受けた私の感情は複雑なものであった。ゲームの中のストーリーとしてはサムが繋がりを築いていくことは理解できるし、クリフのサムへの愛情は本当に感動するものであった。しかし現実世界でここまでのつながりを持てる事は家族や親友であっても困難であろうし、ましてや私のような人間なら尚更だ……と。サムも繋がりを切った側の人間であるが彼は配送という形での繋がりは維持していたし、彼を迎えてくれる組織も、彼を決して見放さないアメリとクリフもいた。私にはそんな人々はいない。このゲームは、そのストーリーは素晴らしいものだった、それで十分だろうと思って一旦私とこのゲームとの関わりは終わった。
数か月後、YouTubeで『モンハン:ワールド』の動画を見ていた際にお勧め動画の欄にポッケ村のBGMの動画があった……私が初めて本格的にプレイしたゲームのBGMである。それを聞いていてもたってもいられず某密林通販サイトでPSP共々ソフトを購入、ゲームを起動するとそこには10年前と全く変わらぬ村と初期装備のわが分身の姿があった。そこで受けた「帰ってきた」という強烈なインパクトはとても語り尽くすことのできるものではなかった。その時に初めて実感できたのだ、これが『DEATH STRANDING』のテーマである「繋がり」の私なりの形なのだと…。
サムのような壮大な繋がりではなく、人同士ですらない。互いに会話もなく、意思疎通も不可能だ。私とゲームの関係は一方通行であり、決して向こうからの返答が来ることはない。それでも画面の中の世界を故郷と思い、画面の中のキャラに「ただいま」ということができる。初めてプレイするゲームならば「はじめまして、これからよろしく」と新たな繋がりを築くことができる。一人で生きているつもりで、何にも繋がっていないつもりであった私だがそんなことは全くなく、私は常にゲームとの繋がりに支えられながらここまで生きてきたのだろう。それだけではない。ゲームがあるからには当然ゲームを作っている人々がおり、また私と同じゲームを楽しんでいる人がいる。ネットを漁れば山ほどゲームに関する情報サイトや攻略ウィキやレビューがあり、激しく意見を戦わせている人達もいる。私はそれらのサイトやSNSや掲示板、Wikiなんかにコメントすることは全くないけれども、それを見物して参考にしたり面白がったりしている。それだって立派な繋がりなのだろう。
このゲームをプレイした皆様も是非自分なりの繋がりの在り方について考えてみてほしい。自分がこれから生きていく中で世界とどのように繋がっていくか……そのヒントがこのゲームには沢山あるだろう。家族や友人、同僚といった人々との繋がりを再認識するきっかっけにもなるだろうし、私のように単なる趣味と思っていたものが自分の根幹を成していた事に気づくかもしれない。それらはきっと各々のこれからの人生を豊かにしてくれるはずだ。
そして今年7月、PC版が発売されたのをきっかけに再び配送業務にもどり、今日も国道復旧のために邁進する日々を過ごしている。私に大きな気づきを与えてくれたこのゲームには本当に感謝したい。私はこれからも画面の中の人々・世界との一期一会を大切にしながら暮らしていくだろう。それではここまで読んでくださった方々にいいね!を送り、この文章を終わることとする。長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。
ちゃんく
最初に言っておこう。
このゲームの主人公であるサムには空を飛ぶというような超人的能力は一切ないし、石につまづくと転んでしまうような普通の人だ。それもそのはず、ただ1つ彼が荷物以外にも分断された世界の人々の希望とアメリカ大陸を繋ぐという重大な任務も背負っているという事以外は普通の配達員と特に変わりはないのだから。
そんな彼でも世界を繋ぎ直す事が出来る。いや彼だからこそ再び繋げられる。このゲームに「誰でもヒーローになれる」「誰かにとっては貴方がヒーロー」そんな事を教えて貰った。
この『DEATH STRANDING』の世界では様々なヒーローになれる。特に難しい局面の前や後に見る他プレイヤーが立てた看板に何度も励まされ胸を打たれた。あともう少し!やお疲れ様!などその局面を乗り越えた先人プレイヤーが私のヒーローである。また自分も誰かのヒーローになりたい!という一心で看板を立てたり他プレイヤーの為、山道や川に梯子をかけたり難所に看板を立て環境整備に全力を注いだ。このゲームは他にも落し物を届けたり国道の復旧をしたり様々な遊び方が出来るのが魅力の1つだ。
もうひとつ『デススト』を語るのに外せないのがストーリーとゲームシステムについてだ。「デス・ストランディング」の世界で分断されたアメリカ大陸をサムが繋いで1つにするというのが超おおまかな内容だが、それだけでなく、他プレイヤーと間接的に繋がる事が出来る。直接マルチプレイする訳ではないが、他プレイヤーの残した跡や器物で人の温もりや優しさを近くに感じられる。「自分は決して孤独ではない」という事を強く意識させてくれるのだ。自分では時に孤独に感じても決してこの世界に1人きりだという訳ではないのだ。そしてそんな優しいこの世界では殺しは基本NGだ。万が一でも人を殺してしまったらその死体は自らが処理しなければならない。こんなゲー厶が他にあるだろうか。残虐行為やネガティブ要素をほぼ全て排除し、いいね!やお疲れ様!などの看板といったポジティブな要素を取り込んだのがこのゲーム。繋がりが希薄化してしまった現代社会に繋がりをテーマにしたこのゲームはぴったしではないか。私自身も人の優しさに沢山触れ、繋がる事の喜びを感じ多くを学んだゲームだった。
『デススト』で学んだ優しさを現実世界でしっかりアウトプットしていきたい。さぁ今度は貴方の番だ。『DEATH STRANDING』の世界が、多くのプレイヤーが貴方が繋げてくれるのを待っている。今こそ貴方がヒーローになる時なのだ。











